アブサロム(アブシャロム)

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どんな人?

ダビデ王の息子。父ダビデに対して反逆を起こすものの、失敗に終わります。

聖書箇所:サムエル下(2サムエル)3:3、サムエル下(2サムエル)13-18章

ストーリー

妹の身に起こった悲劇

美人兄妹

アブサロムは、ダビデ王と妻マアカの間に生まれました。タマルという妹がいましたが、兄妹そろって「美しい」ことで知られていました。アブサロムについては、次のようにあります「イスラエルの中でアブサロムほど、その美しさをたたえられた男はなかった。足の裏から頭のてっぺんまで、非のうちどころなかった」(サムエル下(2サムエル)14:25)。相当なイケメンだったようです。

異母兄アムノンの過ち

父ダビデには、別の奥さんとの間の子にアムノンがいました。アムノンは、タマルの美しさに惹かれ、彼女に恋をするようになります。そして彼はあるとき、タマルを呼び出し、強引に彼女と寝てしまうのです。

アブサロムによる復讐

アブサロムはこの事件について、何も語りませんでしたが、アムノンに対して深い憎しみを抱くようになります。それから2年経ち、アブサロムはアムノンを含む王子たちを家に招待します。アムノンがお酒に酔ったところを、家来たちに襲わせ、彼を殺してしまいます。

父のもとから逃亡

ゲシュルへ逃亡

愛する息子であるアムノンを失ったダビデは、非常に悲しみます。アブサロムは、ダビデの怒りを恐れて、母の出身であり、祖父であるゲシュルの王タルマイのいるところへと逃亡します。

エルサレムに帰還

父ダビデの心は、徐々にアブサロムへと傾いていきます。そして、知恵のある1人の女性の助力もあり、逃亡から3年後、ようやくアブサロムはエルサレムへと帰ることを許されるのです。しかし帰ってきてからも、ダビデに会うことはできませんでした。ようやくダビデに迎えられたのは、さらに2年後のことでした。

父に対する反逆

綿密な準備

ダビデ王と和解した直後、アブサロムは反逆に備えて、自分のための兵を整えていきます。さらに町に行って、人々に会っては「自分の方が王より正しい裁きができる」と支持を集めていくのです。

即位宣言

4年経ったのち、ダビデも即位時に行ったユダの古い首都ヘブロンへアブサロムは行き、自らが王になったことを宣言します。多くの人々がアブサロムに従い、ダビデは首都エルサレムを追われることになります。

父との戦い

アブサロムにいたダビデの友であり、スパイであったフシャイによって、追撃の手は弱まり、その間にダビデは軍備を整えることができました。

エフライムの森で、軍勢を整えたダビデと戦ったアブサロムは、戦いに敗れます。父ダビデの「アブサロムの命を救いたい」という願いも届かず、彼は逃走の際、木に引っかかったところをヨアブによって殺されてしまいます。ダビデは、アブサロムの死を嘆き悲しみました。

もっと知りたい

ダビデがバト・シェバと姦淫した時、預言者ナタンによって、「彼はこの太陽の下であなたの妻たちと床を共にするであろう」サムエル下(2サムエル)と預言されていました。この預言は、アブサロムによって成就します。アブサロムははじめ、妹が辱められたことに怒りを燃やしましたが、残念なことに、自ら他の女性たちを辱めることをしてしまいます。

参考文献

新聖書大辞典(いのちのことば社)

Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary (p. 12). Review and Herald Publishing Association.

Easton, M. G. (1893). In Illustrated Bible Dictionary and Treasury of Biblical History,

Biography, Geography, Doctrine, and Literature (pp. 12–13). New York: Harper & Brothers.

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