ピラト

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どんな人?

ユダヤの総督。イエス・キリストに十字架刑を宣告しました。

聖書箇所:マタイによる福音書27:1~26、マルコによる福音書15:1~15、ルカによる福音書23:1~25、ヨハネによる福音書18:28~19:22

ストーリー

ユダヤの総督として働く

・ローマ帝国による支配

当時、ユダヤはローマ帝国によって支配されており、ユダヤ人を支配するために、ローマ政府より派遣されたのが、総督でした。ピラトは第5代総督として、ユダヤに駐在していました。

・ガリラヤでの虐殺

ピラトは、ユダヤ人たちを痛みつけることを喜びとしていて、あるときには人々が聖所でいけにえをささげているところを、兵隊たちに襲撃させたほどでした(ルカ13:1)。

彼はしばしばユダヤ人と衝突し、多くの愚かな行為によって彼らの宗教的感情を害しています。あるときは、兵士たちに皇帝の像を取り付けた軍旗を持たせてエルサレムへ進軍させました。またあるときは、皇帝の名を刻んだ金箔の盾をヘロデの旧宮殿に設置しました。……

特に、ピラトはエルサレムに水を引くために建設中の水道橋の費用として神殿の国庫からお金を使ったときは、ユダヤ人たちはショックを受けました。

Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary (pp. 885). Review and Herald Publishing Association.

イエス・キリストに十字架刑を宣告する

・エルサレム来訪

普段、ピラトが駐在していたのはカイザリアでしたが、お祭りの期間は、警備のためにエルサレムに来ていました。そこにユダヤ人たちが、死刑に値する人物として、イエスを連れてきます。

・裁判

ピラトは、イエスに何の罪も見出すことはできませんでした。そこで、彼はイエスをヘロデのもとに送りますが、送り返されてしまいます。困ってしまったピラトは、イエスを鞭打ちにした後、釈放することを提案しますが、群衆によって拒まれてしまいます。

・十字架刑を宣告

ピラトはイエスと一対一で話し、その結果、やはりイエスには罪を見出せないどころか、彼こそが真の王であることに気がつき始めます。

しかし一方、群衆からは「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない」と言われてしまいます。その言葉に揺さぶられたピラトは、正義よりも自分の立場を優先し、イエスに十字架刑を宣告してしまうのです。

その後

ピラトのその後については、AD36年にシリアの総督がピラトを告発したため、ガリアのヴィエンヌに左遷となり、そこで自殺をしたという伝承があります。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

参考文献

新聖書大辞典(いのちのことば社)

新共同訳聖書辞典(キリスト新聞社)

Easton, M. G. (1893). In Illustrated Bible Dictionary and Treasury of Biblical History, Biography, Geography, Doctrine, and Literature. New York: Harper & Brothers.

Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary. Review and Herald Publishing Association.

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