どんな人?
「ノアの洪水物語」の主人公。洪水に備えるために、箱舟を建築した。
聖書箇所:創世記6〜9章
ストーリー
洪水に備える
・地上の堕落
神様は、「地上に、人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧に」なり、心を痛められました。(創世記6:5)そして、地上の生き物を滅ぼす決断をくだされます。
・箱舟を建築する
ノアは、その時代の中で唯一「神に従う無垢な人」(創世記5:9)でした。神はノアに命じ、巨大な箱舟を建築するように命じます。ノアは神が命じられたとおりに行い、箱舟を建築を始めました。
・悔い改めを呼びかける
ノアは、洪水が起こるまで人々に「義を説いて」(Ⅱペトロ2:5)、悔い改めを呼びかけました。しかし、結果的には悔い改めた人はなく、箱舟に入ったのは、ノアの家族8人だけでした。
彼が、この巨大な舟を陸上で建造しはじめると、群衆がこの奇妙な光景を見、風変わりな預言者の語る熱烈な言葉を聞こうと、四方から集まってきた。箱舟の槌音の1つ1つは、人々に対するあかしであった。
最初、多くの者は、警告を受け入れたように思われた。しかし、彼らは、真に悔い改めて神に立ち帰ったのではなかった。彼らは、罪を捨てようとはしなかったのである。洪水が来るまで、しばらくの間、彼らの信仰は試みられたが、彼らはその試練に耐えられなかった。彼らは、一般の不信仰に負け、ついに、以前の仲間といっしょになって、厳粛な使命を退けた。ある者は、深く感動して、警告の言葉に聞き従おうとした。しかし、あざけり笑う者が多いために、ついに彼らと同調して、恵みの招待を拒み、やがてだれよりも大胆不敵に嘲笑する者になった。というのは、一度光を与えられながら、罪を示す神の霊に逆らった者ほど無謀で、罪の深みに沈む者はないからである。
洪水が起こる
・40日間の洪水
ノアの家族たちに加え、動物たちも箱舟に入ります。箱舟の戸が閉ざされ、七日後に大洪水が起こります。箱舟に入らなかった人や動物はすべて、死んでしまいました。
・箱舟から出る
洪水が起こって150日後に、水は減り始めます。ノアは何度か鳥を放って、水が引いているかどうかを確認します。そしてついに箱舟から出て、地上に降り立つことができました。
・約束の虹
生き延びたノアが初めにしたことは、祭壇を築き、神様を礼拝することでした。神様はノアとその息子たちに虹を見せ、二度と洪水によって人類が滅ぼされることはないことを約束します。
洪水後の失敗
その後、ノアは農夫となり、ぶどう畑を作ります。ある時、彼はぶどう酒を飲んで、泥酔してしまいます。息子の一人であるハムは、父の姿を見て、他の兄弟に言いふらしてしまいました。それを知ったノアは、ハムとその子孫のことを呪います。
もっと知りたい
イエス・キリストは、人の子が来るとき(=キリストの再臨)は、「ノアの時と同じ」(マタイ24:37)であると述べています。

参考文献
新聖書大辞典(いのちのことば社)
新共同訳聖書辞典(キリスト新聞社)
安息日学校聖書研究ガイド『創世記』(2022年2期)
Easton, M. G. (1893). In Illustrated Bible Dictionary and Treasury of Biblical History, Biography, Geography, Doctrine, and Literature. New York: Harper & Brothers.
Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary. Review and Herald Publishing Association.