末の弟、ベニヤミンがエジプトへ—ヨセフ物語【創世記43章8節―9節】

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和解のきっかけ

ヨセフの10人のお兄さんたちは、20年以上も前の出来事、ヨセフをエジプトに奴隷として売ってしまったことを長い間、後悔しそのことでとても苦しんでいました。

そのような時に、大飢饉がやってきました。

そこで、総理大臣となったヨセフとの再会と和解の場がエジプトで与えられたのです。

その和解のきっかけとなるヨセフのテストが、末の弟のベニヤミンをエジプトに連れて来ることでした。

ヨセフと10人にお兄さんたちの父親であるヤコブは、どの兄弟たちよりも末の息子、ベニヤミンを溺愛していました。ですから、エジプトにベニヤミンを連れて行くことに、すぐに合意してくれることは、非常に難しいことのように思われました。

その後、ヤコブの家族の食料が底を尽いてきました。エジプトに行って食料を調達しないといけない状況になってしましました。

ユダの変化

そこで、父親ヤコブは、息子たちに食料をエジプトに買い付けに行かせることを相談しました。すると、以前、ヨセフを奴隷としてエジプトへ売ることを提案したユダというお兄さんが父親ヤコブにこのように言います。

創世記43章8節、9節を見てみましょう。

創世記43:08ユダは、父イスラエルに言った。「あの子をぜひわたしと一緒に行かせてください。それなら、すぐにでも行って参ります。そうすれば、我々も、あなたも、子供たちも死なずに生き延びることができます。

創世記43:09あの子のことはわたしが保障します。その責任をわたしに負わせてください。もしも、あの子をお父さんのもとに連れ帰らず、無事な姿をお目にかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたに対して生涯その罪を負い続けます。

なんということでしょう。人は成長し、変わることができるのです。

20年前のユダであれば、弟たちを守ることなど考えなかったと思います。しかし、長い年月の家族の苦しみの間に、ユダは弟たちに自己犠牲と深い愛情を示すことができる人へと成長し変わることが出来ていたのです。

どうして、ユダが変わることができたのかは明日、見ていきましょう。それでは、お楽しみに。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
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