ヨセフの涙
今回のお話はヨセフ物語のクライマックスの一つです。
エジプトで総理大臣となったヨセフのもとに、11人の兄弟が食料を求めて集まっていました。ヨセフの兄弟は総理大臣がヨセフであることを全く気付いていません。
ヨセフは、兄たちが20年前と変わらず、極悪非道な人間のままなのか、どうかをチェックしました。
すると、以前、一番ひどい兄だったユダが、自分が身代わりの奴隷となっても、弟ベニヤミンを助けると、父親のもとに必ず連れ帰らなければいけないと力強く、総理大臣ヨセフに切に訴えたのです。
その素晴らしいメッセージを聴いたヨセフは、もう兄たちに自分の正体を隠すことに我慢できなくなりました。エジプト人の給仕役や付き人たちを全員部屋の外に追い出し、11人のヨセフの兄弟たちだけを部屋に残します。
そして、ヨセフは自分の正体を兄弟たちに明かしたのです。
正体を明かすヨセフ
その箇所の聖書ことばをそのまま見ていきましょう。旧約聖書、創世記45章3節―8節。
45:03ヨセフは、兄弟たちに言った。「わたしはヨセフです。お父さんはまだ生きておられますか。」兄弟たちはヨセフの前で驚きのあまり、答えることができなかった。
45:04ヨセフは兄弟たちに言った。「どうか、もっと近寄ってください。」
兄弟たちがそばへ近づくと、ヨセフはまた言った。「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。
45:05しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。
45:06この二年の間、世界中に飢饉が襲っていますが、まだこれから五年間は、耕すこともなく、収穫もないでしょう。
45:07神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのは、この国にあなたたちの残りの者を与え、あなたたちを生き永らえさせて、大いなる救いに至らせるためです。
45:08わたしをここへ遣わしたのは、あなたたちではなく、神です。神がわたしをファラオの顧問、宮廷全体の主、エジプト全国を治める者としてくださったのです。
和解のとき
ヨセフはエジプトでさまざまな苦しい出来事は、すべては、神さまが自分たち家族を救うためになさったことだと理解し、兄さんたちを赦し、家族をエジプトに招くことになったのです。このときバラバラだった12兄弟が心一つとなり、すばらしい和解と再会の時となったのです。