エジプトへ下る—ヨセフ物語【詩篇145篇18節】

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一つの懸念

死んでいたはずの息子が生きていて、なんとエジプトの総理大臣となって、自分たち家族全員をエジプトの地にまねいてくれている。大飢饉の厳しい中で、エジプトに移り住んで、決して食べ物に困ることがないのです。信じられないような生活が待っているのです。

しかし、父ヤコブには一つの不安がありました。実は、ヤコブの祖父アブラハムが神さまから与えられた約束の地カナンを離れて、別の場所で生活を始めた時、とても大きな問題が起こってしまい、家族が引き裂かれそうになったのです。

ヤコブの父親、イサクの時も同じです。一時的に約束の地を離れて生活する必要が出て来ました。その時、神さまはエジプトへ絶対に下ってはいけない。神さまが示す地で生活しなさいと命令されたのです。

そのようなことがあったので、ヤコブは、神さまを礼拝し、祈りました。すると、神さまは、ヤコブに語りかけました。

旧約聖書の創世記46章3節、4節のみ言葉からです。

神は言われた。「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトへ下ることを恐れてはならない。わたしはあなたをそこで大いなる国民にする。わたしがあなたと共にエジプトへ下り、わたしがあなたを必ず連れ戻す。ヨセフがあなたのまぶたを閉じてくれるであろう。」

聖書の神さまは、ヤコブに安心してエジプトに行きなさい。エジプトでヤコブの家族を祝福し、家族から部族、そして、民族となることを約束なさいました。そして、神さまご自身がヤコブと共にエジプトに行ってくださるのだと、励ましてくださったのです。

不安の中にあるときには

旧約聖書の詩篇145篇18節には、このように記されています。新改訳2017でお読みします。

「主を呼び求める者すべて

まことをもって主を呼び求める者すべてに

主は近くあられます。」

もし、不安と悩みの中にある時には、神さまを求めて、神さまに祈って、神さまが自分の側に来て下さることを願いもとめるならば、神さまは喜んでわたしたちの側にいることをわたしたち1人ひとりに感じさせてくれるのです。

そして、わたしたちの心には、平安が与えられ、進むべき方向、道が備えられるのです。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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