生き方の質
旧約聖書、創世記49章の父ヤコブの最後の場面からヨセフ物語の続きのお話しです。
さて、父ヤコブは、人生の最後の時が迫ってきました。12人の息子たちを寝床に集め、自分が死んだらエジプトではなく、先祖が眠っているお墓に葬ってほしいと切に願いました。
自分の死んだあと、こうしてほしいと家族にはっきりと自分の思いや願いを伝えることができることは、人生を閉じるにあたり、不安が解消され、満たされた思いで、最後の別れの準備をすることができるのではないでしょうか。
東京有明医療大学の保健医療学部鍼灸学科教授で医師の川嶋朗先生は「自分の理想的な死とは何か」を考えることは、今の生き方の質が問われてくると言っております。
ですから、自分の人生に悔やむこと、後悔することなく死を迎えるためには、今、現在の生活の質、満足度を高めていく必要があるということです。
後悔すること
そして、死を意識する時になって、人は後悔することがいくつかあるそうです。
たとえば、
・若いうちから、「なぜ生きるのか」を真剣に考えてこなかったのか。
・ある人を恨みつづけ、赦すことができなかった。
・自分だけは大病にならないと、たかをくくり、生活習慣を改善してこなかった。
・病気になれば、現代医療が何とかしてくれると勘違いしていた。
・延命治療を望んでいないことを家族にしっかり伝えていなかった。
・民間療法に盲信してしまった。
・家族との関係を修復し、感謝を口にできなかった。
・元気なうちにTodoリスト、やりたいことをしっかり書き出しておかなかった。
・遺言、エンディングノートを書いて準備していなかった。
・などなどです。
人生の最後を、感謝と悔いのない思いで迎えたいものです。
聖書のみ言葉を見てみましょう。テモテへの第二の手紙4章6節―8節(口語訳)。
「わたしが世を去るべき時はきた。わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。今や、義の冠がわたしを待っているばかりである。」