和解—ヨセフ物語【コリント信徒への手紙第二5章18節―19節】

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和解の道を選んだヨセフ

ヨセフは、兄たちからいじめられ、虐待され、エジプトへ奴隷に売られました。被害者となったヨセフは、兄たちを憎むことなく、復讐することもなく、家族の間で争うことをせずに、和解の道を選んだのです。

聖書には、復讐についてこのように記されています。

新約聖書のローマ信徒への手紙12章19節~21節

愛する者たちよ。自分で復讐しないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜなら、『主が言われる。復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する』と書いてあるからである。むしろ、『もしあなたの敵が飢えるなら、彼に食わせ、かわくなら、彼に飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃えさかつ炭火を積むことになるである。』悪に負けてはいけない。かえって、善をもって悪に勝ちなさい』」

聖書は、復讐は神さまがすることなので、わたしたちが復讐してはいけない、と書かれています。復讐するのではなく、敵が苦しんでいるのであれば、逆に助けてあげなさい、食べさせてあげ、お腹を満たしてあげなさい、とすすめます。

和解の子

さて、とある国のジャングルの奥地で長い間、部族間で激しい争いが絶えることがありませんでした。お互いの部族の屈強な男たちが争いのために犠牲になり、少しずつ、男性たちが少なくなってきました。

そこで、この問題を解決するため、対立していた部族はお互いの生まれたばかりの赤ちゃんを双方の部族長に渡して交換し「和解の子」として育てたのです。

もし裏切れば、お互いの赤ちゃんが殺され、犠牲となります。これによって和解することに努めることにしたというのです。

人類は、神さまに反逆し、神さまの作られた世界を破壊し、神さまが愛される人間を互いに殺し合うという非常に罪深い、神と人間の断絶の関係に今あるのです。

その神さまと人類の関係を修復し、和解するために、2000年前に神さまが人となりました。御子イエス・キリストがわたしたちのために、神さまと人類の「和解の子」として十字架で死んで、人類の罪を、わたしたちの罪を赦し、和解し、関係を修復してくださったのです。

そして、人類は平和を得ることができたのです。

聖書には、和解についてこのように記されています。

新約聖書のコリント信徒への手紙第二5章18節、19節

05:18これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。

05:19つまり、神はキリストによって世を御自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和解の言葉をわたしたちにゆだねられたのです。

キリストこそが人類に、わたしたち人間同士の問題に解決を与えることができる和解の子なのです。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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