ジョン・ウィクリフ:明けの明星【リニエージ】シーズン1 #11

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ラターワースは、ジョン・ウィクリフが最も重要な働きをした場所です。

ジョン・ウィクリフは、しばしば「宗教改革の明けの明星」と呼ばれていますが、「明けの明星」とは惑星や星を表す言葉で、日の出前に空で明るく輝く星です

宗教改革の150年ほど前に、登場したのがジョン・ウィクリフでした。マルチン・ルターやジョン・カルヴァン、ツウィングリ、また英国の改革者たちよりもさらに前の人物です。

このウィクリフの働きは、道ならしをするものでした。

彼は「改革者」という言葉が広まる前からあった、ただひとつの時代の変革の声でした。オックスフォード大学で教育を受け、学者であり、無類の論客であった彼は、聖書へ立ち帰るようにと呼びかけたのです。

学生時代には、修道士たちの怠惰な生活を糾弾したために、ローマ・カトリックの不興を買ったこともあります。彼は市民と宗教自由の擁護者として立ち上がっていったのです。

彼の時代に、ウィクリフは初めてローマを名指しして、「反キリスト」と糾弾していきました。

このために、カンタベリー大司教はローマからの勅令を受け、ジョン・ウィクリフの著作を調査に乗り出しました。しかし、オックスフォード大学での彼の地位と民衆からの好意により、この勅令が実施されることはありませんでした。

おそらく、ジョン・ウィクリフにとって、最も大きな助けとなった出来事は1378年のローマ教皇庁分裂でした。2人の教皇が存在し、自分が正しい教皇だと主張しあったのです。

このような混乱の中にあって、ジョン・ウィクリフは、比較的平和な環境に身を置いて、自分のなすべきことを前に進めることができたのです。

ジョン・ウィクリフは説教の力を信じていました。

彼はロラード派と呼ばれる人々を訓練し、福音宣教のために国全体へと送り出していきました。

しかし、彼の最大の功績は聖書の翻訳です。

今日、わたしたちはその重要性を理解できないかもしれませんが、当時の社会では民衆の言葉で聖書を読むことは、ラテン語への反意として異端視されており、禁止され、危険視されていたのです。

ウィクリフの時代のある教会指導者は、彼の翻訳を評して次のような言葉を残しています。

福音の真珠は豚の前に投げ出され、踏みつけられてしまった。
かつては非常に崇高であったのに、聖職者の高価な宝石は一般信徒の娯楽と化してしまった。

しかし、ウィクリフはこう宣言しています。

キリストとその弟子たちは、民衆に最もよく知られている言葉で教えた。確かなことはクリスチャン信仰の真理がより明らかになり、信仰がさらに広まることである。
ゆえに教理はラテン語だけでなく、一般的な言語で書かれるべきである。

ジョン・ウィクリフは、聖書の最初の翻訳を完成させました。それは標準ラテン語共通訳から英語へ訳されたもので、けっして完璧な翻訳ではありませんでした。

しかし、この聖書は闇であったところに光をもたらしました。

聖書がひとたび読まれると、一つのことが可能になります。その光は霊的な暗闇を突き破るのです。当時のイギリスやヨーロッパを覆っていた闇に、今や光が輝き始めました。

これは後の宗教改革へと続くものとなり、止められない流れとなりました。

今日、わたしたちは聖書を簡単に手に入れることができます。

今、神の言葉を毎日読む決意をすることを、わたしはみなさんに強くおすすめします。み言葉の中で時を過ごすことを、詩編記者が次のように言っているからです。

御言葉が開かれると光が射し出で
無知な者にも理解を与えます(詩編119編130節)

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