人生における4つの幸福

この記事は約3分で読むことができます。

目次

日本理化学工業株式会社

神奈川県川崎市、多摩川が近くに流れる日本理化学工業株式会社をご存知でしょうか。チョークや黒板などの文具を製作する会社です。

「一人一人が一生懸命働くことのできる環境作りを目指す」ことを掲げている会社ですが、この一文だけを読むと、どこにでもあるような会社に見えます。

しかし、この会社では現在、全体の約7割が知的に障がいを持つ社員を雇用している会社として知られているのです。

障がいのある社員が、今ある能力で仕事ができるように、そしてより能力を高めていけるように作業方法の工夫・改善をおこない、環境作りに努めています。

就業体験

ことの始まりは、近くにある養護学校の先生による訪問でした。

ある日、その養護学校で働く一人の女性教員が近々施設を卒業する2人の女の子をこちらで働かせて欲しいという申し出を持って日本理化学工業を訪ねてきました。

しかし、社長である大山泰弘さん(当時は専務)はこの件について悩みに悩んだといいます。

「彼女たちを雇うのであれば、彼女たちの一生を幸せにしてあげないといけないが、果たして今のこの会社にそれだけのことができるだろうか……」。

結局、その子たちの就職を断ったそうですが、その女性教員は大山さんにせめて一週間だけ働く体験をさせてくれないかと頼みます。

就業体験の話が決まると、彼女たちだけでなく施設の先生方や父兄たちみんなで喜んだそうです。

彼女たちは雨の降る日も風の強い日も、始業時間の1時間も前に会社の玄関前で今か今かと始業を待っていたそうです。

そんな一生懸命働く彼女たちの姿に感銘を受けた他の社員は、就業体験最終日の前日、「あの子たちにできないことがあるなら、私たち社員みんなでカバーします。だから彼女たちを採用してください」と大山さんを説得したそうです。

それ以来半世紀に渡り、この会社は障がい者を少しずつ、しかし積極的に採用するようになっていきました。

そんな大山さんには一つ分からないことがありました。

どう考えても会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らしたほうが幸せなのではないかと思えてならなかったのです。

人生における4つの祝福

そんな時、大山さんはある方から幸福とは①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることであると教わり、先ほどの考え方が変わったといいます。

②人にほめられること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることは、働くことによって得られます。

真の幸せは働くことだということに大山さんは気づかされたと言います。これは、働いている多くの人たちが今日忘れていることかも知れません。

さて、これら4つの幸福はイエス様を信じるクリスチャンにとって全てイエス様に置き換えることができると強く感じました。

つまり、人生の4つの幸福とは、①イエス様に愛されること、②イエス様に褒められること、③イエス様の役に立つこと、④イエス様に必要とされること、です。

ここでは①イエス様に愛されること、④イエス様に必要とされることの2つについて聖書から学びたいと思います。

私たちがイエス様に愛されていることがはっきり分かる聖句にヨハネによる福音書3章16節があります。

神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。ヨハネによる福音書3章16節(新共同訳)

同コラムの「失われた『生きる意味』」をお読みになられたでしょうか?

イエス様は天地を創造された際、私たちにこの地球を管理させる目的を持って私たちを造られたのです。

この時点で、私たちはイエス様に必要とされていることが分かります。それはイエス様の愛を一人ひとりが体験し、伝えるためです。

イエス様はそんな自然と私たち人間を通してご自身を人々に現されるお方です。一般的に神様といえば、願いを聞いてもらうためにひたすらこちらが拝み続けるような存在です。

あくまで人間が神様を必要とする、つまりトップダウン的な印象がありますが、私たちの知る神様は、なんと私たち一人ひとりを、ご自身を伝える器としてこの上ないほど必要としておられるのです。

自分には価値がない、誰の役にも立てないと感じるあなたもイエス様に愛され、毎日必要とされていることを知るために祈ってみましょう。

愛するイエス様。
あなたが私たちを深く愛し、イエス様に対する日々の働きを褒め、その働きのために私を役立て、必要としてくださる幸いを心から感謝します。
どうか、あなたの愛をもっとよく知り、イエス様の目的とする働きに携わることができるように私をお用いください。またそのための勇気を私にお与えください。
愛するイエス様の御名によってお祈りいたします。アーメン。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

関連コンテンツ

よかったらシェアしてね!
目次