アブラハム【聖書人物伝】#10

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「信仰の父」アブラハム

旧約聖書には、人類の始祖であるアダムから始まり、その後の系図について詳細に記録されています。のちにイスラエルの始祖となるアブラハムは、ノアからちょうど10代目に当たりますが、キリスト教徒だけでなく、ユダヤ教徒やイスラム教徒にとっても「信仰の父」と称される人物です。 

彼はユーフラテス川下流にあるウルという大都会に生まれます。偶像崇拝のはびこる町でもあったことから、父親であるテラは、ウルの町を離れることを決心し、一家はメソポタミアの町ハランまでやってきます。そんな中、アブラハムは「あなたは生まれ故郷 父の家を離れて わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民にし あなたを祝福し、あなたの名を高める」という神の声を聞きました。その時、彼は75歳。人生も後半にさしかかったそのような状況の中で、彼は新しい人生のステージに入る決断をしたのです。

アブラハムの信仰

新約聖書のへブル人への手紙の中には、アブラハムは信仰によって行く先も知らずに出て行ったと書かれています。どこに行くのかもわからない、行き着いた場所で何が待ち受けているのかもわからない。生活の保障がなされているわけでも、身の安全が確保されているわけでもありませんでした。それでも彼が大きな犠牲を払って、新しい一歩を踏み出していったのは、神に対する絶対的な信頼があったからです。

その後、彼はさまざまな試練を通過します。息子を燔祭として捧げるように命じられるというピンチもありましたが、神の約束通り、彼は大いに祝福された人生を歩み通し、イスラエル民族の土台を築いていったのです。彼は神から約束されてたすべてを受け取ることはできませんでしたが、この地上では旅人であり、寄留者にすぎないことを知っていましたから、天にある本当の故郷に帰るという希望を抱きつつ、眠りにつきました。

アブラハムの生涯を支えた神に対する信仰は、現代という今を生きる私たちにも、大きな希望を与えてくれます。それが、アブラハムが信仰の父と呼ばれる所以なのです。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会新共同訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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