神のみ手の中で【エステル記10章2―3節】

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導かれる神

10:2彼の権力と勢力によるすべての事業、および王がモルデカイを高い地位にのぼらせた事の詳しい話はメデアとペルシャの王たちの日誌の書にしるされているではないか。 10:3ユダヤ人モルデカイはアハシュエロス王に次ぐ者となり、ユダヤ人の中にあって大いなる者となり、その多くの兄弟に喜ばれた。彼はその民の幸福を求め、すべての国民に平和を述べたからである。エステル10:2―3(口語訳)

バビロンによって攻め滅ぼされ、バビロン捕囚の憂き目にあったイスラエルの民でしたが、興味深いことに神は必要に応じてユダヤ人を国の中枢へと導かれるのでした。

バビロン捕囚の初期の時代には、ダニエルがネブカドネザル王に仕え、バビロンが滅びる時にはベルシャザルがまたダニエルに地位を与えています。

ペルシャの時代になっても、ダニエルはダレイオスに気に入られ、エルサレムの再建が始まります。逆風が吹き荒れたクセルクセス王の時代にはモルデカイが登用され、再建計画の最後にはネヘミヤが高官に登用されています。

厳しい状況下においても、常に神が導かれていたのです。

モルデカイは、以前ハマンが占めていた栄誉ある地位を与えられた。彼は「アハシュェロス王に次ぐ者となり、ユダヤ人の中にあって大いなる者となり、その多くの兄弟に喜ばれた」(エステル記10の3)。彼はイスラエルの幸福を増進させた。こうして神はもう一度、メド・ペルシャの宮廷において神の選民に恵みを得させ、彼らを故国に回復させようとする神のみこころを実行することを、可能にして下さったのである。

エレン・ホワイト『国と指導者』下巻208ページ

信仰継承の難しさ

また、この歴史の流れから、もう一つの教訓を得ることができます。

ネブカドネザル王は聖書の神を認め、信仰を持ちましたが、ベルシャザル王は侮る者となりました(ダニエル4:34、5:2―4)。

同じくクロスもまた、信仰告白をしましたが(エズラ1:1)、クセルクセス王は神の民を滅ぼそうとしていきます。

預言者によって伝えられた信仰を、彼らは次の世代にまで継承することができなかったのです。

しかし、そのような彼らにも神は介入され、神を知る機会を与え続けられます。クセルクセス王はまさに、神の導きによって、もう一度神の使者と向き合う機会が与えられたのでした。

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