【聖書の教え】なぜ苦しみはあるのか 〜 わかりやすいキリスト教解説 ①

概要

VOPオンラインセミナー「今を生き抜く力」
1日目【聖書の教え】なぜ苦しみはあるのか 〜 わかりやすいキリスト教解説 ① 【大争闘】
スピーカー:島田 隼人

目次

愛の神様とこの世の苦しみ

(動画の内容を一部抜粋したものになります)

2022年、あるアメリカの会社がアメリカにおける教会(すべての宗教を対象とした)の出席率の統計を取りました。

(https://www.pewresearch.org/religion/2023/03/28/how-the-pandemic-has-affected-attendance-at-u-s-religious-services/#:~:text=This%20longitudinal%20analysis%20finds%20a,)%20to%2030%25%20in%202022.)

すると2022年、ついにその出席率は50%を下回ったと言うのです。宗教の大国、クリスチャン大国であるこのアメリカで50%です。そしてこのパーセントはこれからもどんどん下がっていくだろうと予想されています。

この会社が統計を取り始めたのは1937年だという風に言われており、取り始めた頃は73%の人たちが何らかの教会に集っていたそうです。なぜ人々は教会から離れていってしまうのか。いろいろ理由はあると思いますが、大きな理由の1つはコロナウイルスです。教会に行かなくても、家で色々と動画が見られるようになりました。もう一つの大きな理由は世俗化が進み、教会に行くより家族と過ごしたり、買い物したり、趣味に時間を使う人が増えたことです。しかし、最大の理由は愛の神様とこの世の苦しみがどうしても繋がらないことです。神様が愛であるのなら、なんで世界にはこんなにも苦しみがあって、助けてくれないのかと葛藤するのです。

罪の起源と与えられた自由意志

聖書の創世記に書かれているアダムとエバの物語は有名だと思います。彼らが食べてはいけない実を食べた時、罪が地球に入ってきました。しかし、この苦しみの原因となっている罪の起源について、聖書はアダムとエバよりもはるか前の天で起きたことを記しています。聖書は天で神に背いた者がいたと言っているのです。

さて、天では戦いが起こった。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。

龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。

この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落された。

ヨハネの黙示録12章7節〜9節

戦いと聞くとなんとなく戦争、武力での戦いというイメージを持つかもしれませんが、聖書の新約聖書はギリシャ語で書かれています。ここで「戦い」と訳されているギリシャ語では「ポレモス」という言葉です。「ポレモス」というのはどちらかと言うと議論、言葉の争いという意味合いが強く、頭の戦い、天で議論論争が起こったことを示しています。

では、どのような議論が起こったのでしょうか。ある一人の天使が「神様は愛のお方ではないのではないか。神様は完璧ではなく、愛のお方でもない」と言うことを言い出したのです。それは誰かと言うとルシファーです。エゼキエル28章にはルシファーが「翼を覆うケルブ(知識)」として作られ、彼は知恵に満ちて、美しさの極みにあり、無垢(完璧)であったと書いてあります。

しかし、ルシファーは次第にイエス・キリストに嫉妬心を抱き、自分もいと高き者のようになりたいと思い始めるのです。

あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』 

イザヤ書14章13節、14節

なぜ無垢であったルシファーの心の中にこのような、嫉妬心やプライドといった思いが生まれたのでしょうか。それは、神秘です。神秘という言葉で片付けてしまうと腑に落ちませんが、もしかしたら、このことはいつの日か私たちは天に置いて神様から知らされるかもしれません。ルシファー自身も葛藤したはずです。しかし、彼は最終的に神様に背くこと、そして戦うことを選びました。その結果天で戦いが起きてルシファーとルシファーの仲間となった天使たちは地上に投げ落とされました。

イエス・キリストはこの時の光景を次のように語っています。

「わたしはサタンが電光のように天から落ちるのを見た。」(ルカによる福音書10章18節)

そして天から投げ落とされたサタンが狙ったのが、後に創造されたこの地球でした。アダムとエバに蛇の姿となって近づき、創世記3章で彼は人を誘惑するのです。サタンは神の創造物に混じって人に語りかけます。「あなたたちは騙されているよ、神様は愛ではないよ、あなたたちは神様の奴隷だ。その実を取って食べるとあなたたちも神様のようになれる。」アダムとエバはその言葉に惑わされ、その実を食べてしまいます。その結果、美しく完璧だったこの世界が壊れ始めてしまったのです。

ルシファーにも、アダムとエバにも、そして私たち1人1人にも、神様から与えられた最高のプレゼントがあります。それは自由意志、選択できる自由です。全ては私たちの自由で始まり、全ては私たちの選択で終わります。イエス・キリストを選ぶかそれとも、イエス・キリストの敵を選ぶか。かみさまは私たちをどうにかして導こうと、救いたいと願っておられます。そして、サタンも私たちを混乱させて神様から引き離そうとしています。この大きな戦いの中に私たちは生きていると言うのです。(まるでファンタジーのようなストーリーと感じる方もいるかもしれません。しかし、アドベンチスト教会はこのことを大争闘と言っています。)

聖書で一番大切なメッセージ

そして、この戦い ー 大争闘には終わりがあります。

この大争闘に勝利し、私たちを救うために、命を投げ捨て戦ってくださった方がイエス・キリストです。イエス・キリストは勝利を確実にし、私たちに苦しみからの解放を告げに地上に来ました。キリストは十字架で自ら死ぬことによって神様は愛のお方であり、私たち1人1人を愛していることをお示しになられました。

聖書の最も有名な聖句を紹介します。

神はその独り子を賜ったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。

ヨハネによる福音書3章16節

この聖句は聖書の一番大切とも言えるメッセージです。

もう一つ聖句を見てみましょう。

これらのことをあなたがたに話したのは、わたしにあって平和を得るためである。あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている。

ヨハネによる福音書16章33節

私たちは日々いろいろなプレッシャーを感じながら生きていると思います。今このページをご覧になっている人の中には苦難、試練を経験された方、または今まさにその苦難、試練、プレッシャーの中にいる方もいらっしゃると思います。しかし、イエス様はそんな私たち一人一人に「この世には必ず苦難があるよ。でも勇気を出しなさい。私がいるよ。」と言ってくださっているのです。

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