アブラハム、イサク、ヤコブ:聖書の物語をわかりやすく解説

アイキャッチ「アブラハムとは?」

この記事はこんな人におすすめ!
・アブラハムがどんな人か知りたい
・創世記の主要なストーリーを知りたい
・イサクやヤコブ、ヨセフがどんな人か知りたい

アブラハム、イサク、ヤコブは、聖書に触れたことがない人でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

この記事では、創世記の主要人物たちの生涯と物語のあらすじを見やすくまとめています。

目次

アブラハムの家系図やその子孫は?

アブラハムの家系図を図解で説明

アブラハムの系図1(アダム〜ヨセフ)
アブラハムの家系図2(モーセ〜ソロモン)

創世記の主要人物の一覧

アブラハム

イスラエル人の祖先として尊敬されている人物。神に従って、息子イサクをささげようとしました。

サラ

アブラハムの妻。高齢になって息子イサクを産みました。

ハガル

アブラハムの妻サラの女奴隷。アブラハムとの間に、イシュマエルを生みます。

ロト

アブラハムの甥。ソドムが滅ぼされるとき、天使に救い出されて、滅びから免れます。

イサク

イサクは信仰の父アブラハムの息子で、アブラハムが100歳の時に生まれました。

リベカ

リベカはアブラハムの子イサクの妻です。

ヤコブ

イサクの息子のヤコブは、神と格闘し、「神と人とに闘って勝った者」(創世記32章29節)を意味するイスラエルという名が与えられます。

レア

ヤコブの妻。ヤコブとの間に6男1女をもうけました。

ラケル

ヤコブの妻。ヨセフとベニヤミンを産みました。

ヨセフ

ヤコブの最愛の子。異母兄弟たちにねたまれ、奴隷としてエジプトに売られますが、最終的にはエジプトの総理大臣にまで上りつめました。

信仰の父アブラハムと息子イサクの生涯

アブラハムと妻サラに与えられた契約

約束の地へ向かうアブラハム
カナンへの移住(創世記12章)

神からの召しを受けたアブラハムは、故郷を離れ、約束の地カナンを目指します。

妻サラと甥であるロトも一緒でした。

サラはアブラハムにとって異母妹でしたが、カルデアのウルでアブラハムと結婚し、妻となります。

このとき、アブラハムは75歳で、サラは65歳ほどであったと考えられています(創世記12章4節、17章17節、12章4節)

ロトと別れる(創世記13章)

アブラハムもロトも、多くの財産や家畜を持っており、また彼らが住んでいた場所は狭すぎたため、やがて二人は別れることになります。

子孫繁栄の約束とソドムの滅亡
女奴隷との子、イシュマエルの誕生(創世記15ー16章)

子どもがいないアブラハムに星の数ほどの子孫を与えると、神は幻の中で約束し、アブラハムはそれを信じます。

しかし、自分に子どもができないことを焦ったサラは、アブラハムに女奴隷であるハガルを側女として与えました。

こうして、アブラハムとハガルとの間に息子イシュマエルが誕生します。

新約聖書でのサラとハガル

ガラテヤの信徒への手紙4章21節ー31節には、信仰による義と行いによる義の対比として、サラとハガルが登場します。

そこでは、ハガルから生まれたイシュマエルは、人間的努力の象徴として描かれています。

誕生の予告(創世記17ー18章)

神は再びアブラハムに現れ、サラに男の子が生まれることを預言されます。この契約のしるしとして、アブラハムは割礼を行いました。

ソドムとゴモラの滅亡(創世記18ー19章)

アブラハムに男の子が生まれることを預言したとき、さらにロトが住むソドムが滅ぼされることを神は告げます。

その後、ソドムとゴモラは滅ぼされ、天使によってロトとその家族だけが救われました。

約束の子イサクの誕生
イサクの誕生(創世記20ー21章)

年老いたサラは、息子を生みます。当時、アブラハムは100歳、サラは90歳でした。

息子は「イサク(笑いという意味)」と名付けられます。

また、子どもがきっかけで、サラとハガルの関係は悪化していき、アブラハムの家をハガルとイシュマエルは去ることになったのでした。

イサクをささげる(創世記22章)

神はアブラハムの信仰を試みるために、息子イサクをささげるように命じます。

アブラハムはそれに従い、モリヤの山でイサクを屠ろうとしますが、そのときにアブラハムを神は止め、代わりのささげものとして雄羊をささげるように伝えます。

この出来事は、キリストの十字架の象徴でもありました。

サラの死とイサクの結婚
サラの死(創世記23章)

サラは127歳で亡くなります。

アブラハムは、エフロンという人から畑と洞穴を買い取り、マクペラの洞穴にサラを葬りました。

イサクの結婚(創世記24章)

アブラハムは、イサクのために伴侶となる女性を探すため、しもべを遣わします。

しもべが祈っていたところ、リベカが示され、イサクは彼女と結婚しました。

アブラハムの晩年(創世記25章)

アブラハムは、ケトラという女性と結婚し、彼女との間にも子どもが生まれます。

アブラハムは175歳で亡くなり、イサクとイシュマエルによって、サラと同じお墓に葬られました。

新約聖書でのアブラハム

旧新約聖書の至る所に、アブラハムの名前が登場しており、ある箇所では、アブラハムのことを「神の僕」(詩編105編6節)や「神の友」(イザヤ書41章8節)と言っています。

また、パウロは信仰による義の原型として、アブラハムを取り上げています(ローマの信徒への手紙4章、ガラテヤの信徒への手紙3章)

「アブラハムには7人の子」は聖書が起源?

アブラハムには 7人の子
一人はのっぽで あとはちび
みんな仲よく 暮らしてる
さあ おどりましょう

という歌詞で歌われる童謡「アブラハムの子」は、聖書のアブラハムがモチーフと考えられています。

しかし、アブラハムには8人の子がおり、加えてイサク以外は別れて暮らしたため、「アブラハムには7人の子」や「みんな仲良く暮らしている」といった歌詞と矛盾が生じています。

また、「一人はのっぽで あとはちび」という歌詞にも謎があります。

ただ英語の歌詞では、「アブラハムには多くの子どもがいた。私もあなたもその中の一人」といった内容になっていて、意味も変わり、霊的イスラエルを連想させるものになっています。

英語歌詞
Father Abraham had many sons
Many sons had Father Abraham
I am one of them and so are you
So let’s all praise the Lord.

「ソドムとゴモラ」のあらすじ

アブラハムと共にカナンへ
アブラハムと別行動(創世記13章)

アブラハムの弟の子であるロトはアブラハムと一緒にカナンに向かいました。

しかし、アブラハムもロトも多くの財産や家畜を持っており、彼らが住んでいた場所では狭すぎたため、二人は別行動をとるようになります。

このときに、ロトはヨルダンの低地を選びました。そこには、繫栄したソドムやゴモラといった大都市があったからです。

肥沃な土地のイメージ画像
ソドムでの生活と滅亡
捕虜からの救出(創世記14章)

しばらく経って、ロトはその地方全域を巻き込んだ戦いの中で、捕虜となってしまいます。

それを聞いたアブラハムは、軍を率いてロトを救出しました。

天使をもてなしたロト(創世記19章)

先の戦いでアブラハムが活躍したこともあり、ロトはおそらく裁判官などの要職に就くことができたと考えられます。

当時、門は公共広場であり、裁判官や商人が座っている場所でした。

この門に座っていたロトは、ソドムの町に来た天使を、天使とは知らずにもてなしました。

ソドムの滅亡(創世記19章)

ロトの家について天使たちは、ソドムの滅亡が迫っていることをロトに伝えます。

他の人々にもこのことを伝えようとしますが、受け入れられなかったため、ロトは家族だけを連れて逃げ出します。

塩の柱(創世記19章)

「振り返らず、山へ逃げなさい」と言われていましたが、ロトの妻は振り返ってしまい、塩の柱へと変わってしまいました。

彼女は火と硫黄で滅ぼされたソドムとゴモラの町と運命を共にしたのです。

新約聖書でのロトの妻

イエス・キリストは、この世界の終末に対する警告として、「ロトの妻のことを思い出しなさい」と言われました(ルカによる福音書17章32節)

その後……
娘たちとの間に子どもが生まれる(創世記19章)

ソドムとゴモラの滅亡後、ロトと二人の娘は、山の中の洞穴に住みます。

自らの結婚が難しいと判断した娘たちは、ロトを酒に酔わせて一夜を共にし、二人とも子どもを産み、一人がモアブ人の祖先、もう一人がアンモン人の祖先になります。

またロトの子孫であるモアブ人から、ルツが登場します。

ジョン・マーティン『ソドムとゴモラの破壊』
ジョン・マーティン『ソドムとゴモラの破壊』(原典

「イサクの犠牲」のあらすじ

イサクの誕生
イサクの誕生(創世記20ー21章)

年老いたサラは、息子を生みます。当時、アブラハムは100歳、サラは90歳でした。

息子は「イサク(笑いという意味)」と名付けられます。

また、子どもがきっかけで、サラとハガルの関係は悪化していき、アブラハムの家をハガルとイシュマエルは去ることになったのでした。

イサクをささげるように命じられる
イサクをささげる(創世記22章)

神はアブラハムの信仰を試みるために、息子イサクをささげるように命じます。

アブラハムはそれに従い、モリヤの山でイサクを屠ろうとしますが、そのときにアブラハムを神は止め、代わりのささげものとして雄羊をささげるように伝えます。

この出来事は、キリストの十字架の象徴でもありました。

また、アブラハムはこの時、神がイサクを復活させると信じて、この試練を受け入れました(ヘブライ人への手紙11章19節)

ローラン・ド・ラ・イール 『イサクを捧げるアブラハム』
ローラン・ド・ラ・イール 『イサクを捧げるアブラハム』(原典

「イサク」の名前の意味とは

イサクという名前にはヘブライ語で「笑い」という意味があります。父100歳、母90歳の時に与えられた念願の跡継ぎだったからです。

アブラハムの神に対する信頼と忠誠心は、イサクの品性にも大きな影響を与えました。

そのため、イサクもまた、神に対するまっすぐな信仰を持ち、愛情が強く、柔和で謙遜な信仰者として成長していきました。

彼の穏やかな性格がよくわかるエピソードがあります。

ある時、イサクが井戸を掘り当てると、ゲラルの羊飼いたちは「この水は我々のものだ」(創世記26章20節)と主張します。しかし、イサクは争うことを好まず、また別の新しい井戸を掘り当てるのです。

「イサクとリベカの結婚」のあらすじ

ハランへのエリエゼルの派遣
エリエゼルの派遣

父アブラハムは、イサクのために伴侶となる女性を探すため、すべてを管理させていた年長のしもべであるエリエゼルを親族のもとへ派遣します。

信仰の父アブラハムの息子イサクは、巨万の富の相続者であると同時に、神からその子孫のための永遠の契約が与えられていました。

それゆえ、彼の妻となる女性は、慎重に選ばれなければなりませんでした。

ハランに到着

エリエゼルは約880キロを旅して、アブラハムの兄弟が住むハランに到着します。

イサクとリベカの結婚
エリエゼルの試験

エリエゼルは人々の集まる井戸へ行き、こう祈りました。

「どうか、水がめを傾けて、飲ませてください」と頼んでみます。

その娘が、「どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう」と答えれば、彼女こそ、あなたがあなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。

創世記24章14節

ラクダにも飲ませるためには、井戸まで何度も足を運ぶ必要があります。

そのため、親切であり、喜んで人に仕える人だけが、水を欲しがる旅人に「らくだにも飲ませてあげましょう」と申し出ることになるのです。

井戸のイメージ画像
エリエゼルとリベカの出会い

エリエゼルが祈っていたところに、リベカが現れます。リベカは親切に見知らぬ旅人であるエリエゼルをもてなし、らくだに水を与えました。リベカを連れて帰るエリエゼル

エリエゼルは、その地に住む親族に自分がアブラハムのしもべであり、その子イサクの妻を探すためにきたことを告げます。

そして、リベカを妻としてめとる許可をもらい、リベカを連れて、アブラハムのもとへと戻りました。

イサクとリベカの結婚

イサクはリベカと結婚し、亡くなった母に代わる慰めを得ました。イサクが40歳の時のことでした。

結婚から20年後、二人には、エサウとヤコブの兄弟が与えられます。

イサクの失敗

ゲラルに住んでいた時、イサクはペリシテ人たちを恐れて、リベカのことを妹だと偽ります。これかつて、アブラハムも犯した失敗でした(創世記12,20章)

しかし、イサクは神によってとても祝福されます。ペリシテ人の王アビメレクは、勢力が大きくなったイサクの家族を追い出します。

ヤコブとエサウの生涯

ヤコブの梯子の夢

長子の特権の争奪戦
ヤコブとエサウの間の亀裂(創世記25章)

イサクとリベカの間には、エサウとヤコブの双子が与えられます。

エサウは猟師となったのに対し、ヤコブは穏やかな人物で天幕で主に働いていました。

イサクはエサウをひいきし、リベカはヤコブをひいきしたため、次第に二人の間に亀裂が走るようになります。

特に、「兄が弟に仕えるようになる」という預言をリベカが重んじたために、事態は悪化します。

長子の特権を軽んじるエサウ(創世記25章)

ある日、ヤコブが料理をしていると、エサウが猟を終えて帰ってきます。

エサウは、パンとレンズ豆の煮物を欲しがり、ヤコブはその代わりに長子の権利を要求します。

エサウは簡単に長子の権利を手放す誓いをたてると、飲み食いしてそこを立ち去って行きました。

レンズ豆のスープの画像
イサクをだます(創世記27章)

年老いたイサクは長男であるエサウを祝福しようとします。ところは、エサウになりすましたヤコブにだまされ、彼を祝福してしまいます。

これは誕生の時から神が預言しておられたことでした(創世記25章23節)。それからしばらく経ち、イサクは180歳で亡くなります(創世記35章28ー29節)

ヤコブの逃亡
はしごの夢(創世記28章)

長子の権利を取られ、怒るエサウから逃れるため、親族がいるハランへと向かいました。

その途中、夢の中で、一つのはしごが地から天にまでかけられ、天使たちがそれを上り下りしているのを見ます。

そして、神が共にいて、祝福されることを告げられるのです。

その後、その場所にヤコブは記念碑を建て、そのところをベテルと名づけ、誓いを立てました。

ラバンのもとに身を寄せるヤコブ(創世記29章)

ハラン向かったヤコブは、母の兄ラバンのもとに辿り着き、そこに身を寄せることができました。

『ヤコブの夢 (1639)』ホセ・デ・リベーラ(プラド美術館、マドリード)
ホセ・デ・リベーラ『ヤコブの夢』(原典

長子の特権

長子の特権は次のようなものでした。

  1. 父親の公的権威の継承
  2. 父親の財産を他の兄弟よりも多く相続する
  3. 一族の祭司となる特権

また、アブラハムの子孫にとっては、次のことも意味していました。

  1. カナンの地での約束とその他の神との契約の継承
  2. 約束された神の民の先祖になるという栄誉

つまり、エサウは宗教的な義務を嫌って、長子の特権を軽んじたのでした。

ヤコブの妻と子どもたち

レアとラケルとの結婚
望まれない形での結婚(創世記29章)

ラバンの娘のラケルはとても美しい女性で、ヤコブは彼女のことを愛していました。

ヤコブはラケルと結婚するため、七年間ラバンのもとで働きます。

しかし、ヤコブはラバンにだまされ、姉レアと結婚させられます。その後ラケルとも結婚しますが、さらに七年間働くことになりました。

姉妹の争い
嫉妬のイメージ画像
ラケルの嫉妬(創世記29ー30章)

ラケルには、子どもができませんでしたが、レアは子どもに恵まれ、それをラケルは妬みました。これが姉妹の争いの原因となります。

また、ヤコブはレアよりもラケルのことを愛しましたが、これもその後の家族関係を歪める一因となりました。

レアは、ヤコブとの間に、6人の男の子(ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン)とディナという女の子を産みます。また、彼女の女奴隷であるジルパを通して、ガドとアシェルが生まれます。

一方、ラケルは、ヤコブに女奴隷であるビルハを与え、生まれた子供(ダン、ナフタリ)を自らの子どもとします。

ヨセフとベニヤミンの誕生
ヨセフの誕生(創世記30章)

ラケルにも待望のヤコブとの間の子が生まれます。男の子は、ヨセフと名付けられました。やがてヤコブは、ヨセフを特別扱いするようになります。

赤ちゃんを抱く母親の画像
ラバンとの別れ(創世記31章)

ヤコブがハランの地で裕福になっていったために、ラバンとその子どもたちの嫉妬を買いました。

そのため、ヤコブはラバンから離れることを決め、ラバンとヤコブは互いに不可侵条約を結んで別れました。

兄エサウとの再会(創世記32ー33章)

ヤコブは故郷に戻ることを決めましたが、エサウが武力を持って攻撃をしてくるのではないかと恐れます。

しかし、エサウは彼を迎え入れ、和解を果たしました。

ベニヤミンの誕生とラケルの死(創世記35章)

ラケルは、ヤコブとの間の二人目の子ども(ベニヤミン)を産みます。

しかし難産のため、彼女は死に、エフラタに葬られるのです。

イスラエルへの改名とイスラエル12部族

ヤコブがエサウと和解する前夜、彼はひとりで川の岸辺で悩んでいました。

その時、ひとりの人があらわれたので、ヤコブはその人と組み合いになります。

やがて、それが神であることがわかりましたが、ヤコブは祝福を与えられるまで離しません。

ヤコブに祝福と約束を神は与え、また名前を「ヤコブ」から「イスラエル」へと改名させました。

こうして、ヤコブ(イスラエル)とその12人の子どもから、さらに大きな民族へとなっていき、その子孫たちはイスラエルの12部族と呼ばれるようになっていきました。

ヨセフ物語

奴隷として売られるヨセフ
ヤコブの偏愛

ヤコブは他のどの子よりもヨセフを愛したため、他の兄弟との間に軋轢が生まれていきました。

ヨセフの夢

ある時、ヨセフは2つの夢を見ます。その夢はどれも、ヨセフが将来的に家を治め、兄弟や両親までもヨセフにひれ伏すという預言だったのです。

これにより、兄弟の妬みはさらに増すことになりました。

奴隷商人に売られるヨセフ

怒りに駆られた兄弟の手によって穴に投げ込まれたヨセフでしたが、兄弟ルベンのとりなしにより、殺されはせず、代わりに奴隷商人に売られていきます。

奴隷のイメージ画像
ポティファルの下に売られたヨセフ
エジプトに連れて行かれたヨセフ

奴隷商人に売られたヨセフは、エジプトに連れて行かれ、高官のポティファルに売られます。

そこで非常に忠実に仕えたヨセフを見て、ポティファルは家のすべてを委ねることにしたのでした。

ポティファルの妻の誘惑

ヨセフがとても美しいのを見たポティファルの妻は、ヨセフを誘惑します。

しかし、ヨセフはそれを断り、そのためにポティファルの妻に陥れられ、牢屋に入れられてしまいました。

牢屋でのヨセフ
信頼を得るヨセフ

牢屋においても、忠実に仕えたため、ヨセフは牢屋の囚人の管理を任されるようになります。

二つの夢

ある日、王の給仕役と料理役が牢屋に入れられ、この二人はどちらも夢を見ます。

ヨセフはこの夢を解き明かし、そのとおり夢がなったときに自分のことを思い出してくれるように頼みました。

その後、夢のとおりに物事は動き、給仕役はもとの役職に復帰することができましたが、彼はヨセフのことを忘れてしまいます。

ファラオの夢とヨセフの出世
ファラオの夢

ある日、ファラオが夢を見ましたが、その意味がわからず苦しんでいました。

そのときに、給仕役がヨセフを思い出し、彼を紹介します。

ヨセフの大臣の就任

ヨセフは夢を解き明かし、エジプトと周辺諸国に大飢饉が迫っていることを告げます。

これを聞いたファラオはヨセフを大臣に置き、その対策を急がせるのです。

兄弟たちとの再会と和解

数年後、ヨセフの預言どおり、大飢饉が来るとヨセフの兄弟たちもエジプトに食料を買いに来るようになりました。

その兄弟とヨセフが再会したとき、ヨセフは兄弟たちの心が変わっていることを見ます。

そして、ヨセフは兄弟たちをゆるし、和解していくのです。

和解のイメージ画像

まとめ

アブラハム・イサク・ヤコブは、イスラエルの人々のみならず、クリスチャンにとっても重要な人物です。アブラハムから始まる系図は、イエス・キリストにまで至るからです。

また、アブラハムは信仰の父とも呼ばれていて、その生涯はクリスチャンの見本となっています。

よくある質問

アブラハム、イサク、ヤコブの名前の意味は?

アブラハムは、アブラム(「高められた父」という意味)から、アブラハム(「多くの国民の父」という意味)に名前が変わりました。

イサクは「彼は笑う」という意味で、彼の誕生の時の両親の喜びを表しています。

ヤコブは生まれたときに、兄弟エサウのかかとをつかんでいたため、「かかと」と同じ語根を持つこの名前がつけられました。

しかし、この同じ語根が「だます」という意味も持っていたため、ヤコブが父をだましたときには、そのような名前の説明がされています。

その後、ヤコブは、契約の関係の下で神に服従する証として、「神は争う」あるいは「神が支配する」を意味するイスラエルという新しい名前を与えられました。

アブラハムの宗教とは?

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教(イスラーム)の三つの宗教のことを指します。

共に類似性が高く、またアブラハムに起源を起き、預言者として認めているため、これらをアブラハムの宗教と呼ぶことがあります。

アブラハム契約とは?

神はアブラハムを通して「その子孫が神の民となり、増え広がる」ことを約束されました。

この契約は息子イサク、そして孫ヤコブに継承されました。

その子孫からダビデ王家が生まれ、そして約束の救い主であるイエス・キリストの誕生へとつながるのです。

この契約は、約束の土地の約束子孫(神の民)の約束祝福と贖いの約束を含みます。

これをアブラハム契約といいます。

アブラハム、イサク、ヤコブの神とは?アブラハムとキリストの関係は?

アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、わたしたちの先祖の神は、その僕イエスに栄光をお与えになりました。

使徒言行録3章13節

ここに出てくるように、アブラハム・イサク・ヤコブは、イスラエルの人々にとって重要な人物であり、また先祖です。

アブラハム、イサク、ヤコブの神とは、彼らと契約を結ばれた方であることを強調する表現です。

霊的イスラエルとは?

クリスチャンの霊的な(信仰的な意味で)父祖は、アブラハムです(創世記15章6節)。アブラハムは、「多くの国民の父」でもあるからです(創世記17章5節)

パウロは「外見上のユダヤ人がユダヤ人ではなく」、神と共にいる人々が真の神の民であると述べています(ローマの信徒への手紙2章28ー29節、9章6ー8節、ガラテヤの信徒への手紙4章21ー31節)

つまり、パウロは血筋によるイスラエル民族が救われるのではなく、キリストを信じる神の民(霊的イスラエル)が救われると述べているのです。

一説には、このことを歌っているのが「アブラハムには7人の子」ではないかと言われています。

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参考文献

新聖書大辞典(いのちのことば社)

新共同訳聖書辞典(キリスト新聞社)

Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary (p. 346). Review and Herald Publishing Association.

Nichol, F. D. (Ed.). (1978). The Seventh-day Adventist Bible Commentary (Vol. 1). Review and Herald Publishing Association.

Easton, M. G. (1893). In Illustrated Bible Dictionary and Treasury of Biblical History, Biography, Geography, Doctrine, and Literature (p. 242). New York: Harper & Brothers.

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