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4:15そこでエステルは命じてモルデカイに答えさせた、 4:16「あなたは行ってスサにいるすべてのユダヤ人を集め、わたしのために断食してください。三日のあいだ夜も昼も食い飲みしてはなりません。わたしとわたしの侍女たちも同様に断食しましょう。そしてわたしは法律にそむくことですが王のもとへ行きます。わたしがもし死なねばならないのなら、死にます」。エステル4:15―16(口語訳)
エステルに忠誠を誓う人々
エステルについていた侍従のハタクに、モルデカイはメッセージを託しますが(エステル4:5―8)、このことからもハタクを含む、侍女や侍従たちはエステルに忠誠を尽くし、信頼できる人物であったと考えられます。
おそらく、すでにエステルがユダヤ人であることを彼らは知っていました。彼らの存在はエステルにとって、とても大きいことだったでしょう。
王妃となった当初も、自らのことを明かさず、慎重に振る舞っていたエステルでしたが(エステル2:10,19―20)、王妃となった後は自らに忠誠を誓った人々に明かしたのでした。
クセルクセスがエステルの背景を知らなかったことからも、エステルと彼女の側近だけの秘密であったと考えられます。
特に、ユダヤ人が国内で非常に厳しい状況に置かれても裏切らなかったことから、その忠誠心が強かったことが想像されます。
側近に暗殺を企まれるクセルクセスや奴隷たちに裏切られたビグタンとテレシと比べると、その差は明らかです(エステル2:21―22)。彼女に向けられた好意と忠誠は本物だったのです。
エステルの証
そして、このあまりスポットライトが当たっていない出来事から、エステルがまわりの人々に対して良いあかしをしていたことがわかります。
非常に難しい状況下においても、彼女の品性は人々を惹きつけ、そして、聖書の神を伝える機会を彼女に与えたのでした。
エステルは侍女たちも断食に加わることに言及しています。侍女たちは、主人の命令に従うために加わるのは義務でもありました。しかし、ここは侍女たちが彼女と運命を共にするつもりであった可能性を示唆していると捉えてもいいのではないかと思います。
聖書には彼女たちの心境について記されていないため、推測に過ぎませんが、ユダヤ人である彼女と運命を共にするということは、侍女たちもまた聖書の神を受け入れていたのかもしれません。