木を立てて【エステル記5章10節―14節】

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5:10しかしハマンは耐え忍んで家に帰り、人をやってその友だちおよび妻ゼレシを呼んでこさせ、 5:11そしてハマンはその富の栄華と、そのむすこたちの多いことと、すべて王が自分を重んじられたこと、また王の大臣および侍臣たちにまさって自分を昇進させられたことを彼らに語った。 5:12ハマンはまた言った、「王妃エステルは酒宴を設けたが、わたしのほかはだれも王と共にこれに臨ませなかった。あすもまたわたしは王と共に王妃に招かれている。 5:13しかしユダヤ人モルデカイが王の門に座しているのを見る間は、これらの事もわたしには楽しくない」。 5:14その時、妻ゼレシとすべての友は彼に言った、「高さ五十キュビトの木を立てさせ、あすの朝、モルデカイをその上に掛けるように王に申し上げなさい。そして王と一緒に楽しんでその酒宴においでなさい」。ハマンはこの事をよしとして、その木を立てさせた。エステル記5章9節―14節(口語訳)

目次

すべての友人たち

ハマンの性格が如実にあらわされているのが、エステル記5章10―12節です。彼もまた、見栄を張りたがる性格をしていました。それゆえに、妻と友人たちを招いて、自らの功績を自慢していくのです。

だからこそ、余計にその自分の権威を認めないモルデカイに対して、怒りを覚えます。

その時、妻ゼレシとすべての友は彼に言った、「高さ五十キュビトの木を立てさせ、あすの朝、モルデカイをその上に掛けるように王に申し上げなさい。そして王と一緒に楽しんでその酒宴においでなさい」。ハマンはこの事をよしとして、その木を立てさせた。エステル5:14(口語訳)

このときは「すべての友人」たちが積極的にハマンの思いを支持し、彼の思いを汲んで、彼に都合の良いことを話していきます。

知者たち

しかし、モルデカイが王によって栄誉が与えられてから状況は変化します(エステル6:4―11)。

そしてハマンは自分の身に起った事をことごとくその妻ゼレシと友だちに告げた。するとその知者たちおよび妻ゼレシは彼に言った、「あのモルデカイ、すなわちあなたがその人の前に敗れ始めた者が、もしユダヤ人の子孫であるならば、あなたは彼に勝つことはできない。必ず彼の前に敗れるでしょう」。エステル6:13

ここでは「すべての友人」ではなく、「知者たち」が彼に告げるのです。すべての人間が両手をふって、彼を支持した時は終わり、勇気ある友人たちだけが忠告するのでした。

世には友らしい見せかけの友がある、しかし兄弟よりもたのもしい友もある。箴言18:24(口語訳)

状況が良いときに都合の良いことをいう友は多くいるかもしれませんが、悪いときに忠告をする友は少ないものです。ここで聖書はそのような友のことを「知者たち」と表現しています。

わたしたちは隣人に対して、どちらの友となっているでしょうか?

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会口語訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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