【解説】教会・礼拝堂・聖堂・チャペルの違いは?

「教会とチャペルの違いが3分で丸わかり」のアイキャッチ画像

この記事はこんな人におすすめ!
・ 教会・礼拝堂・聖堂・チャペルの違いを知りたい
・ 本物の教会での結婚式に興味がある

この記事は約3分で読むことができます。

教会やチャペルといった言葉は、結婚式場でよく耳にする言葉ですが、その違いをご存知ですか?

この記事では、教会やチャペル、礼拝堂などの違い教会での結婚式についてざっくり紹介します!

目次

教会とは?

教会の語源

教会の語源はギリシャ語の「エクレシア」で、「出る(エク)」と「名前を呼ぶ(カレオー)」に由来します。つまり、原意では、「召し出す」という意味があります。ただ古代のギリシャでは、単に定期的に行われる集会や民衆の集まりを意味する言葉でした。1

キリスト教の宣教が進んでいくときに、クリスチャンの集まりに対して、この「教会」という言葉が使われるようになります。

つまり「教会」とは本来、「クリスチャンの集まり」を指す言葉だったのです。

聖書を読んでいるクリスチャンの集まりの画像

人の集まりとしての「教会」

教会は「信徒の集まり」を指す言葉ですので、特定の建物がなくても、クリスチャンの集会は「教会」と呼ぶことができます。聖書の中では、以下のようなグループも「教会」と呼んでいます。

  1. 礼拝のために特定の場に集まった信徒
  2. 個人の家における信徒のグループ
  3. すべての信徒

そのため、たとえば公のセミナールームなどをその時だけ借りて礼拝を行う場合でも「教会」として案内を出していたり、個人の家に集まって礼拝をしているところも「教会」を名乗っています。

つまり、クリスチャンが集まれば、そこは教会なんだね!

建物としての「教会」

もちろん、礼拝のために定期的に集まる場所も「教会」と言います。

教会の中には、単独で教会を運営しているところもありますが、組織だって教会を運営している教派もあります。その場合、その教派によっては便宜上、規模によって名前が変わることがあります。

あるプロテスタントを例に取ると、次のような行政システムになっています。

  • 集会所
  • 教会
  • 教区
  • 支部/世界総会

集会所は数世帯だけで構成されている小さな教会のことを指します。

また、教区は教会を地域ごとにまとめた大きな行政区分で、都道府県のようなイメージです。

世界的なプロテスタント教会組織のイメージの一例

大聖堂とは?

大聖堂は大きな聖堂ではない?

大聖堂とは、カトリックの教区の教区長(司教・大司教)がいる中心的な教会のことです。そのため、形の上の大小は関係なく、必ずしもその教区内で最大の教会とは限りません。2

組織上の区分のことなんだね!

カトリックとプロテスタントの教会の違いは?

カトリックはマリヤなどの彫像が置かれていますが、プロテスタント教会には彫像はありません。また、カトリックでは礼拝のことを「ミサ」と呼びます。

カトリック教会では多くの場合、教会名に「カトリック」と書かれていますので、見分けるのは簡単です。プロテスタント教会の場合は、教会名に「キリスト」と書かれている場合が多くあります。

たまに〇〇教会(もしくは〇〇チャーチ)とだけ書かれているキリスト教会や、〇〇教会と書かれている他宗教の施設もあるので注意が必要です!

また、内装もプロテスタントはシンプルな傾向にあり、カトリックは豪華絢爛な傾向にあります。

プロテスタント教会の写真
プロテスタント教会のイメージ
カトリック教会の写真
カトリック教会のイメージ

礼拝堂とチャペルの違いは?

礼拝堂とは

礼拝堂とは教会内にある礼拝を行うための場所のことを指します。

教会の中は、教会や教派によってまちまちですが、多くの場合、礼拝を行うための礼拝堂、多目的ホールや会食室があるのが一般的です。

礼拝は神聖な儀式でもあるため、その他の用途と分けるために、礼拝堂という場所を設けています。ただ、これも教会によってさまざまで、礼拝堂と多目的ホールなどを兼ねている教会も多くあります。

しっかりと礼拝堂を設置している教会では、礼拝堂の中では飲食を控えたり、私語を慎んだり、また前方にある祭壇や講壇に上がらないといったマナーがある教会もあります。

チャペルとは?

チャペルとは教会以外で行われる礼拝や宗教行事のための施設を指します。3

よくあるのは、キリスト教系のミッションスクールの中高や大学です。宗教教育の一環として礼拝が行われるときに使われるのが、チャペルなのです。

また、そのチャペルで働く聖職者のことをチャプレンと呼び、キリスト教系の病院ではチャプレンが常駐している場合があります。

ただ、日本においては結婚式を挙げるための会場全般がチャペルと呼ばれています。多くのチャペルと呼ばれている式場では、聖職者がいるわけではなく、教会風な様式で結婚式が行われているだけになります。

教会で結婚式を挙げるには?

結婚式はチャペルではあげない?

多くの場合、クリスチャンが結婚式を挙げる施設は「教会」と呼ばれています。

そのため、本物の教会で結婚式を挙げたい場合は、〇〇キリスト教会もしくは〇〇カトリック教会と書かれているところであれば、オーソドックスなキリスト教結婚式を体験することができます。

ただ結婚式場とは異なり、結婚式のための施設ではなく、礼拝をするための施設ですので、注意が必要です。

本物の教会で結婚式を挙げるメリット・デメリット

メリット

式場代が格安!

教会は結婚式で収益を上げているわけではないため、式場代は10万円から15万円が相場で格安になっています。また、牧師への謝礼も原則的には必要ありません。

デメリット

・断られたり、事前のセミナーが必要な場合も!

原則的には、信者のための儀式であるため、教会によっては断られる場合や牧師によるセミナーなどを経て許可されるケースがあります。

セミナーの内容は、牧師によってさまざまです。結婚カウンセリングで結婚に向けた2人の心の準備をしたり、「キリスト教が考える結婚とは」のような聖書の学びがあったりします。

セミナーの回数もさまざまですが、多くの場合、数回にわたって行われます。

・スタッフがボランティア

また式場とは異なり、専門のスタッフがいるわけではなく、ボランティアの信者が準備に携わったり、オルガンを演奏したりするケースがほとんどです。

ただ、個人でウェディングプランナーなどの業者を手配することは可能で、その教会と応相談となります。

結婚式の流れ

キリスト教式の結婚式は、教派によってもさまざまで、さらに新郎新婦の意向によってプログラムも変わるため、まさに千差万別ですが、ここでは一例を紹介したいと思います。

結婚式の式次第
  1. 奏楽
  2. 賛美歌
  3. 聖書朗読
  4. 祈祷
  5. ベストマン入場
  6. 新郎入場
  7. ブライドメイド入場
  8. バイブルボーイ入場
  9. フラワーガール入場
  10. 新婦入場
  11. 祝いの歌(賛美歌)
  12. 式辞
  13. 誓約
  14. 指輪交換
  15. 祝祷
  16. 祈りの歌(賛美歌)
  17. 新郎新婦退場
  18. 後奏

まとめ

教会とは、本来はクリスチャンの集まりのことを指しますが、今では建物のことを指すようになりました。

また、その建物の役割や場所によって、大聖堂やチャペルといった名称で呼ばれることがあるのです!

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参考文献

1 Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary (p. 224). Review and Herald Publishing Association.

2 『キリスト教大辞典』教文館、674ー675頁

2 『キリスト教大辞典』教文館、692頁

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