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この記事はこんな人におすすめ!
・ キリスト教をざっくり知りたい
・ クリスチャンがどんな人か知りたい
・ 教会に興味がある
みなさんはキリスト教というと、どんなイメージを持っていますか?
この記事では、キリスト教の教えから冠婚葬祭まで、知っておきたいキリスト教の基礎知識をざっくり紹介します!
有名なキリスト教の教えや戒律を簡単に紹介!
イエス・キリストとは?何をした人?
名前の意味
イエス・キリストは、一般的には「キリスト教の創始者」として知られていますが、クリスチャンは「神」として理解しています。
イエスは「ヤハウェ(神)は救い」という意味で、キリストの誕生した時代では一般的な名前でした。
また、キリストは「油注がれた」という意味です。古代イスラエルでは、王や大祭司、預言者として選ばれたときに油を注がれるという慣習がありました。
つまり、キリストは真の王、大祭司であるということをあらわし、「救い主」を連想させる言葉なのです。
イエス・キリストの誕生と生涯
12月25日のクリスマスは、キリストの誕生日として知られていますが、これは後付けのもので正確な誕生日はわかってはいません。
キリストは紀元前4年に誕生したと考えられ、30歳になる紀元27年に宣教活動を開始しました。
宣教活動中にさまざまな教えを説き、奇跡を行い、12人の弟子を任命したりしましたが、最後には当時の指導者たちの妬みにより、無実の罪で十字架で処刑されてしまいました。
しかし、聖書はその後、キリストが復活したことを記録しており、これがキリスト教の信仰の中心となっています。また、そのシンボルとして処刑道具であった十字架が選ばれ、今では多くの教会でこのシンボルが建てられています。
最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。
コリントの信徒への手紙Ⅰ・15章3節ー5節、17節(新共同訳)
……キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお罪の中にあることになります。
キリスト教の中で最も大切なことが、キリストの復活なんだね!
知っておきたいキリスト教用語の意味
福音
福音は「良い知らせ」という意味で、キリストの十字架での死によって、わたしたちが罪から救われたことを指す言葉です。
贖い・贖罪
贖いとは、身代金の支払いによって、失われたものを買い戻すことです。ほぼ同様の意味ですが、贖罪という意味には、さらに和解のニュアンスもあります。
どちらもキリストがわたしたちのかわりに罪を背負って十字架で死に、それによって神と人との関係が回復したことを意味する言葉です。
アガペーの愛
エロス、ストルゲー、フィリア、アガペーなど、聖書の原語であるギリシャ語には愛をあらわす言葉が多くあります。その中でも「アガペー」は、神の自己犠牲的な愛を示す言葉として教会で用いられています。
十戒(律法)
聖書の教えを「律法」ともいいますが、この律法はヘブライ語ではトーラーと言います。この言葉は、「人々が歩むべき正しい道、あるいは方向の指示」という意味の言葉が語源となっています。
この聖書の教えの土台となるものが10の戒め、十戒です。
十戒の一覧
- あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
- あなたはいかなる像も造ってはならない。……あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。
- あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
- 安息日を心に留め、これを聖別せよ。
- あなたの父母を敬え。
- 殺してはならない。
- 姦淫してはならない。
- 盗んではならない。
- 隣人に関して偽証してはならない。
- 隣人の家を欲してはならない。隣人の妻、男女の奴隷、牛、ろばなど隣人のものを一切欲してはならない。
出エジプト記20章3節ー17節(新共同訳)
罪
聖書の教えが「人々が歩むべき正しい道、あるいは方向の指示」という意味の言葉が語源になっているのに対し、「罪を犯す」という動詞は、ヘブライ語でハターと言い、「道から外れる、神の指示から離れて歩む、目的を見失う」という意味になります。
興味深いことにギリシャ語でも、罪は「的外れ」という意味を持つハマルティアという言葉で表現されています。
聖書の教えは、歩むべき正しい道を示すもので、そこから外れたとき、聖書で言う「罪」を犯すことになるのです。
日本社会で「犯罪」といえば、法律から反した行動のことを指しますが、聖書の「罪」は思いまで含みます(マタイによる福音書5章21―22節、27―28節)。
たとえば「殺してはならない」という戒めは「自分の体を大切にする」ということを含みますし、それだけでなく「バカ!」と誰かに言うこと、またそういう思いを持つことまで含まれるのです。
そのため、聖書は行いだけでなく、神の力によって心を変えてもらうように願うことを教えています。
わたしは新しい心をあなたがたに与え……る。
エゼキエル書36章26節、31節(口語訳)
その時あなたがたは自身の悪しきおこないと、良からぬわざとを覚えて、その罪と、その憎むべきこととのために、みずから恨む。
単に良いことをして、悪いことをしなければいいという話ではないんだね!
悔い改めと赦し
聖書の原語では「自分の心や考えを変える」という意味のこの言葉は、単なる反省ではなく、生き方そのものが変わることです。
また、聖書の価値観の中での赦しとは、罪を完全に取り除かれ、忘れられて、完全にもとの関係に回復することです。
クリスチャン
イエス・キリストを神であると受け入れ、自分が聖書の教えから離れていることを認め、唯一の救いがイエスにあると信じて、バプテスマ(洗礼)を受けた人のことを「クリスチャン」と呼びます。
この名称は、イエス・キリストの弟子を表すためにシリアのアンティオキアで最初に使われた名前(使徒言行録11章26節)で、当時は軽蔑の意味が込められていました。
キリスト教の教典『聖書』とは?
聖書とは?
聖書の神は2つの方法で自身のことを示している(啓示)と信じられています。
1つめが歴史、人間の行動や良心、そして自然界です。2つめが、聖書です。
聖書は66巻の書簡が集まった本で、大きく分けて、旧約聖書と新約聖書に分かれています。それぞれに章と節がついていて、それらを聖句とも呼んでいます。
聖書は1,500年間以上もの期間をかけ、約40人の手によって書かれました。
神の言葉をそのまま正確に書くようにと命じられて書いている箇所もありますが、多くの場合、人々が見聞きしたことをまとめたものが聖書になります。
わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。
ルカによる福音書1章1節ー3節(新共同訳)
そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。
ということは、聖書は人が書いてつくっていったものなの?
クリスチャンの中には聖書を物語としてみている人もいますが、一方で聖書は人の創作物ではなく、神の言葉であると考え、クリスチャンの行動規範としている人もいます。
聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。
テモテへの手紙Ⅱ3章16節(新共同訳)
人の手によって聖書は書かれましたが、そこに確かに神の意志があって、導かれて書いていったという理解をしています。
旧約聖書と新約聖書の違いと内容
旧約聖書
旧約聖書は、約30人によっておよそ1,000年かけて作成されました。ユダヤ教の聖典でもあり、キリスト教では新約聖書と共に聖典とされています。また、イエス・キリストとその弟子たちはこの旧約聖書をもとにその教えを伝えました。
この旧約聖書には、物語や詩、歴史、預言が多く載っていますが、ざっくりその内容をまとめるならば「天地創造からバビロン捕囚後までのイスラエルの歴史」です。
旧約とは、旧い(ふるい)契約という意味で、翻訳の古さや教えの古さを指しているわけではありません。
新約聖書
新約は、新しい契約という意味です。
新約聖書には、イエス・キリストの生涯や教えが書かれた福音書や最初のキリスト教徒たちの活動が書かれた本、またキリスト教徒の生き方について書かれた手紙などが含まれています。
新約聖書は、旧約聖書にとって代わるものではなく、むしろそれをもとにしています。
神の契約
こういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者なのです。それは、最初の契約の下で犯された罪の贖いとして、キリストが死んでくださったので、召された者たちが、既に約束されている永遠の財産を受け継ぐためにほかなりません。
ヘブライ人への手紙9章15節(新共同訳)
キリストの十字架前は、象徴的に罪を動物に移し、その動物を殺すことによって罪が赦されると考えられていました。
しかし、その儀式(最初の契約)はキリストの十字架(新しい契約)の象徴だったのです。
その意味では、この契約の大きな目的は変わっていないと言えます。それは「人の罪を神が犠牲を払って救う」ということです。
聖書は一貫して神が人を救われるというメッセージを伝えているんだね!
心に響く聖書の名言
覚えておきたいキリストの教え
人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。
これこそ律法と預言者である。
悩んでみるときに思い出したい聖書の言葉
だから、
明日のことまで思い悩むな。
明日のことは明日自らが思い悩む。
その日の苦労は、
その日だけで十分である。
辛いときに読みたいキリストの言葉
疲れた者、重荷を負う者は、
だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。
聖書はどこで買えるの?
聖書に興味が出てきて、読んでみたいという人もいるかもしれません。
大きな書店には置いてあることがありますが、Amazonやインターネットで買うのが早いでしょう。
また、これまで見てきたとおり、聖書には旧約聖書と新約聖書の二つがありますが、初めて聖書を購入される人は旧約・新約聖書が一緒になっているものがおすすめです!
聖書の種類
メジャーな聖書は全部で4種類あります。
新共同訳聖書
最もメジャーな聖書となっています。キリスト教は大きく分けて、カトリックとプロテスタントに分けられますが、どちらの教会でも使用されている聖書です。近くの教会の礼拝に参加したときに、最も使用されている確率が高いとも言えます。
また、多くのキリスト教系の高校や大学でも採用されている聖書にもなります。
新改訳2018
一部のプロテスタント教会で、よく使われている聖書です。分かりやすい日本語で、理解しやすい聖書となっています。
ただ新共同訳とは、章と節がズレているため、注意が必要です。もし、すでに教会に通っているのであれば、その教会の牧師や責任者の人にどの聖書を使っているのかを聞いてみてもいいかもしれません。その教会が新改訳を使用しているなら、あわせたほうが良いと思います。
聖書協会共同訳
新共同訳聖書を発行している聖書協会が出した、最新の考古学の知識が反映された聖書です。また、翻訳には日本語の専門家も加わり、礼拝での朗読にふさわしい格調高い日本語で書かれています。
口語訳
かつて最もメジャーであった聖書で、多くの文学作品にも引用されていきました。長年、慣れ親しんだクリスチャンの間では、根強い人気がある聖書です。
アプリから聖書をダウンロード
聖書協会のホームページで聖書を読む
Kindle unlimitedで聖書を読む(会員登録が必要です)
聖書協会のウェブバイブルで聖書を読む(年額550円かかります)
カトリックとプロテスタントの教派(宗派)の違い
カトリックの誕生と東西分裂
世界最大のキリスト教の教派、それがローマ・カトリックです。
ローマとつくように、イエス・キリストの弟子たちが建てたローマの教会が発展して、ローマ・カトリック教会になりました。
当時の世界帝国であったローマ帝国の首都であったこともあり、紀元100年頃には最大の信者を持つ教会へと成長していました。
5ー6世紀までに、ローマの教会はゆるぎない地位を確立していきましたが、7世紀にイスラム勢力が台頭し、その他の有力な教会が壊滅的な影響を受けたことがその力を増し加える決定打となります。
西方のローマ教会と東方のコンスタンティノープル教会だけが、その中で力を保持し続けましたが、395年のローマ帝国の東西分裂の影響で、東西それぞれ完全に分離していた両者の関係は徐々に悪化し、ついに1054年関係は断絶されるのです。
このときに、ローマ・カトリック教会(西方教会)とギリシャ正教会(東方教会)の二つの区分ができました。
西方教会は実践や倫理に重きを置いたのに対し、東方教会は瞑想や思索を強調し、その特色も異なっていきます。
正教会の特徴は、礼拝が儀式を中心としていることだね!
◯◯正教と呼ばれていたら、正教会と思ったらいいかもね
プロテスタントの誕生と宗教改革
中世末期にはさまざまな改革者が現れましたが、16世紀の宗教改革は当時のキリスト教を二分するほどの大きな運動へと発展していきました。
この運動が、大きなものになった要因としては3つ挙げられます。
- ルターやカルヴァンなど優れた指導者が現れたこと
- 政治的・社会的状況が整い、カトリックに対して批判的な見方が強まった
- 活版印刷の誕生
プロテスタント教会は、この宗教改革を新約聖書に書かれている初代キリスト教会の状態に戻そうとした運動であると考えています。
つまり当時、宗教改革者たちはカトリックが本来のキリスト教の信仰から外れてしまったと考えていたということです。
プロテスタントとカトリックの違い
プロテスタント | カトリック | |
---|---|---|
聖職者の呼び方 | 牧師 | 神父・司祭 |
礼拝の呼び方 | 礼拝 | ミサ |
彫刻 | なし | マリヤ像などがある |
教会組織(階級制) | なし 神の前では人間はすべて平等 | あり 教皇を頂点としたピラミッド型 |
信仰の権威 (聖書の解釈権) | 聖書のみ だれしもが聖書を解釈できる | 教会のみ 教会だけが聖書を解釈できる |
救われるために必要なもの | 信仰のみ | 信仰と善行 |
上の表を見ると、多くの違いがあることがわかります。これらの違いが明確になってしまったのが、トリエント公会議です。
プロテスタントは「聖書のみ」を訴え、だれしもが聖書を解釈できるとしました。
それに対抗して、カトリックは聖書以外のものに対しても権威があるとし、加えて、カトリックは聖書を解釈する権利は「教会のみ」にあるとします。
また、プロテスタントは救いは「信仰のみ」によって与えられるとしましたが、カトリックはそこに「善行が必要」であると主張しました。
カトリックは当時、人が罪を犯した場合、その罪は信仰によってゆるされるが、罪の結果として罰が生じ、その罰は善行によって償わなければならないと教えていました。
その後、プロテスタントは、だれもが聖書を解釈できると考えたため、さまざまな解釈が生まれ、その結果、多くの教派へと分かれていくことになったのです。
同じキリスト教会でも、中身は大きく違うんだね!
礼拝に参加するには?
- キリスト教を信じていなくても参加できるの?
-
もちろん、参加できます。ただ教派によっては、信仰を持っている人だけを対象とした儀式もあります。
- 参加するのに連絡は必要ですか?
-
基本的には、必要ありません。
- 礼拝での服装や持ち物は?
-
教会によって雰囲気も異なり、スーツや祭服を着て礼拝をする牧師もいれば、ジーンズで礼拝をする牧師もいます。初めての参加であれば、少し綺麗めな服装でいけば、間違いはないでしょう。
- 献金は必要ですか?
-
献金はお気持ちですので、必ずしなくても問題ありません。また、金額も100円から1,000円と信者によってもまちまちで、その金額に応じて何かがあるわけでもありませんので、心配しなくても大丈夫です。
キリスト教の聖地、三大巡礼地とは
三大巡礼地としては、イスラエルのエルサレム、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラがあげられます。
主にカトリック教会の思想の中で、罪の償いの行為として巡礼が行われていましたが、プロテスタント教会はこの根底にある価値観を否定し、信仰によってのみ救われることを強調しているため、プロテスタント教会では巡礼は廃止されています。
人気があった巡礼地の一つであるエルサレムが、セルジューク・トルコの手に落ち、巡礼が困難になったことが、十字軍結成の要因となりました。
また、サン・ピエトロ大聖堂の改築工事の資金を集めるために、カトリック教会は免罪符(贖宥状)を発行し、それが発端となり、宗教改革へと至ります。
このように、巡礼地の問題は歴史に大きな影響を与えることになったのです。
キリスト教の冠婚葬祭
結婚式
キリスト教式の結婚式は、教派によってもさまざまで、さらに新郎新婦の意向によってプログラムも変わるため、まさに千差万別ですが、ここでは一例を紹介したいと思います。
- 奏楽
- 賛美歌
- 聖書朗読
- 祈祷
- ベストマン入場
- 新郎入場
- ブライドメイド入場
- バイブルボーイ入場
- フラワーガール入場
- 新婦入場
- 祝いの歌(賛美歌)
- 式辞
- 誓約
- 指輪交換
- 祝祷
- 祈りの歌(賛美歌)
- 新郎新婦退場
- 後奏
多くの場合、司会者が一つひとつ案内と説明をしながら、進行してくれますので心配することはありません。
また教会ですので、お祈りや賛美歌を歌うことがあると思いますが、お祈りは黙祷の姿勢で参加し、賛美歌は周りが歌っているのを聞いているだけの参加でも問題はありません。
結婚式場などでは、教会風な建物で行うだけで、宗教的な規定に則っているわけではありませんが、本物の教会で行う際には注意が必要です。
原則的には、信者のための儀式であるため、教会によっては断られる場合や牧師によるカウンセリングなどを経て許可されるケースがあります。
また式場とは異なり、専門のスタッフがいるわけではなく、ボランティアの信者が準備に携わったり、オルガンを演奏したりするケースがほとんどです。
その代わり、教会は結婚式で収益を上げているわけではないため、式場代は10万円から15万円と格安になっています。また、牧師への謝礼も原則的には必要ありません。
そのため、利用を考えている教会の責任者の方とよく話し合って決めていく必要があります。
葬式
キリスト教式の葬儀もさまざまですが、ここでは一例を紹介したいと思います。
- 奏楽
- 聖書朗読
- 賛美歌
- 祈祷
- 個人略歴紹介
- 式辞
- 弔電披露
- 弔辞
- 賛美歌
- 終祷
- 献花
- 出棺
葬儀も、キリスト教の礼拝の形に沿って行われますが、多くの場合、馴染みのない方が来られていることを想定して進行されるため、心配はありません。
また焼香の代わりに、キリスト教では「献花」があります。焼香ほど、細かいマナーがあるわけではありませんので、流れに沿っていけば、問題ありません。
大まかな流れとしては、花を受け取り、献花台まで進み、花が手前にくるように置き、黙祷か一礼をする、というものになります。
弔慰金の表書きとして、キリスト教では「香典」や「御霊前」ではなく、「御花料」が用いられます。
一般の大きい書店には必ずありますので、「御花料」と記載されているものを購入しましょう。
どうしても見つからない場合は、白無地の封筒でも問題ありません。
その他、裏書きの書き方などは仏式と同様です。
相場は、3,000円から10,000円となり、故人との付き合いの深さによって変わります。
バプテスマ(洗礼)式
キリスト教徒になりたいと思った人が受ける儀式が、バプテスマ(洗礼)式です。
バプテスマも大きく分けて二つあり、頭に水を垂らす(滴礼)と全身を沈める(浸礼)があります。
また、全身を沈める(浸礼)方法を採用してる教会では、その場所もさまざまで、礼拝堂の中に設置されているバプテスマ槽を利用するところや海などで行うところもあります。
多くのプロテスタント教会の場合、信仰に目覚めたとしても、いきなりバプテスマ式になることはありません。事前の聖書の学びがあり、本人が聖書の教えに同意しているかの確認が取られてからバプテスマとなります。
また、バプテスマを受けたからといって、献金義務が生まれるわけでも、霊験を受けて聖人のようになるわけでもありません。
バプテスマは信仰の表明であり、教会の一員になることを意味しています。バプテスマはゴールではなく、キリストを信じるクリスチャンとして生きる人生のスタートを意味しているのです。
バプテスマを希望される方が高齢や病気を患っている場合は、口頭で信仰を告白する「信仰告白」によって教会員となります。
また、プロテスタント教会はバプテスマを救いの条件であるとは考えてはいません。
洗足・聖餐式
聖餐式とは、キリストを信じる信仰の表明で、キリストの十字架を記念して行われる式です。
聖餐式は、賛美歌やお祈りをし、クラッカーのようなパンを食べ、ぶどうジュースを飲む儀式です。教派によっては、ぶどうジュースではなく、ワインが出てくる教会もあるため、注意が必要となります。
儀式の進行の仕方や頻度も教派によって大きく異なりますが、参加せずに見学するだけでも問題ありません。
また、一部のプロテスタント教会では、聖書に基づいて、聖餐式の前に洗足式を行う教会もあります。これは、互いに足を洗い合って、お祈りをする儀式です。
こちらも、聖餐式と同様に、参加せずに見学するだけでも問題ありません。
キリスト教の祝日(教会歴)とは?クリスマス、イースターの意味
キリスト教会には、教会歴というものがあります。
聖書に書かれている記念日を祝っていく一年のサイクルが、教会歴です。
三大記念日としてクリスマス、イースター、ペンテコステがありますが、日本においてはクリスマスが一番馴染みのあるものでしょう。
クリスマスの前にアドベントと呼ばれる期間もありますが、このアドベントから来た風習ではアドベントカレンダーが有名です。
このクリスマスとアドベントは、イエス・キリストの誕生を記念するものです。またイースターはキリストの復活を記念するもので、イースターエッグが有名です。
クリスチャンの特徴は?そのライフスタイルは?
クリスチャンの価値観
イエス・キリストを神であると受け入れ、自分が聖書の教えから離れていることを認め、唯一の救いがイエスにあると信じて、バプテスマ(洗礼)を受けた人のことを「クリスチャン」と呼びます。
ただクリスチャンと言っても、さまざまでカトリックとプロテスタントでは習慣も異なりますし、また同じ教派でも人によって大きく違います。
クリスチャンは、救われるために行うという価値観ではなく、「個人的な神との関係」に基づいてライフスタイルを考えていくため、大原則はあれど、人それぞれという価値観を多くの人が持っています。
大切な人と健康を考えてタバコをやめるみたいな価値観に近いかもね。
神さまを悲しませたくないという思いから行動に繋がるんだよね!
なるほど!
敬虔で熱心なクリスチャンの傾向
個人個人に委ねられているとはいえ、ある程度、敬虔で熱心なプロテスタントのクリスチャンの傾向はあります。
すべてに当てはまらないと、敬虔でも熱心でもないというわけではありませんが、一例として次のようなものが挙げられます。
週末に教会へ出席している
多くのクリスチャンは定期的に教会へ行き、礼拝やプログラムに参加しています。また、平日にも祈祷会や青年向けのプログラムが行われています。
これらのプログラムは、単なる宗教プログラムというだけでなく、コミュニティーの交流の場でもあります。
定期的に聖書を読み、お祈りをしている
デボーションと呼ばれる朝の祈りや食前の祈りなどが推奨されているため、そのような時間を個人的に持つクリスチャンもいます。
奉仕活動や伝道活動に携わっている
教会ではボランティア活動や伝道活動、また教会を維持・運営するための役員活動などがあるため、それらの活動を行っていることもあります。
伝道活動は、友人や知人を教会に誘ってみたり、講演会やコンサートのチラシを近隣に配布したりといったものになります。
ライフスタイルにおいて、一定のものを避けている
クリスチャンになったために、生活に制限がかかることはありませんが、熱心なクリスチャンは世俗的なものを避ける傾向があります。
加えて、ポルノなどの性的なコンテンツについてはタブーとしている教会が多いでしょう。
また、献金はあくまで個人の自由ですが、教会に属している教会員であれば、教会費や什一が推奨されることもあります。
ただ、献金の額によって救いが決まることはなく、またクリスチャンではなくなるということもありません。
キリスト教の戒律やルールでは、食事の制限などの禁止事項はありますか?
多くのクリスチャンは、特に食事制限をしていません。
教派によっては聖書の教えに基づいて、アルコールを避けていたり、健康的な食生活を推奨したりしています。
たとえば、セブンスデー・アドベンチスト教会では、アルコール類やタバコを禁止し、菜食が一般的です。
ただ、これも個人個人の判断に委ねられていて、同じ教派の人でも飲む人と飲まない人がいますし、同じセブンスデー・アドベンチスト教会の中でも、ベジタリアンの人とそうではない人がいます。
まとめ
キリスト教もクリスチャンも、十人十色です。それぞれ、異なる価値観を持っているので、キリスト教だから、クリスチャンだからとひとくくりにはできません。
大切にしているものも、それぞれなのです。もし、クリスチャンに出会ったら、そのことを思い出してみてください!
何を大切にしているの? と聞いてみてもいいかも!
大切にしているものを聞かれて嬉しくない人はいないもんね
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参考文献
Horn, S. H. (1979). In The Seventh-day Adventist Bible Dictionary. Review and Herald Publishing Association.
ジリ・モスカラ『申命記 命を選ぶ』福音社
『アドベンチストの信仰』2ー8ページ
Nichol, F. D. (Ed.). (1980). The Seventh-day Adventist Bible Commentary (Vol. 7). Review and Herald Publishing Association.
山形正男『キリスト教2000年の歴史』福音社、44ページ
E.E.ケァンズ『基督教全史』272ー273ページ
『新聖書辞典』いのちのことば社