【詩篇解説】失望から栄光へ#7 〜幸福な家庭は社会の基盤〜

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いかに貧しくとも、わが家にまさる住まいはなし」

ジョン・ハワード・ペインは1791年にニューヨークで生まれました。彼は当てにならない劇作家を志し、1813年にイギリスヘ渡りました。

しかし、十分な生活費をかせぐことができませんでした。そこでフランスに行きますが、やはり成功しませんでした。1822年には、ついに失意と貧困のままパリで途方に暮れてしまいます。そのとき彼は幼少時代の家庭を回顧し、自分の思いを詩に表現しました。それが、あの有名な「ホーム・スウィート・ホーム」(埴生の宿)です。それから7カ月後にはロンドンで、この歌がオペレッタ(軽歌劇)の中で歌われました。

海外を旅したり、外国に住んだことのある人は、望郷の念にかられた経験がおありでしょう。ある程度、記憶はうすれているかもしれませんが、それでも故郷は安らぎと幸福に満ちた場所として思い出されるはずです。イエスが私たちのために備えておられる天の家郷はそれ以上のものです。

理想の家庭(詩篇127篇)

質問1 以下にあげる箴言の思想は詩篇127篇のどの聖句と一致しますか。

箴21:30、31(安全)
箴3:24(眠り)
箴17:6(子供)
箴27:11(弁明)……

詩篇127篇の表題は「ソロモンがよんだ」となっていますが、これは「ソロモンについて」と訳すこともできます。

質問2 神は地上の最初の家庭からどんな二つの制度を残されましたか(創世2:3、15、18、23、24)。それはなぜですか。

「エデンの園は、全地をこのようにしたいという神のご希望のあらわれであった。人類家族の数がふえるにしたがって、エデンの園で神からあたえられたのとおなじような他の家庭や学校を設けるようにというのが神のみこころであった。こうして全地は、時がたつにつれて、神のみ言葉とみわざを学ぶ家庭や学校で満たされ、生徒たちは、永遠にわたって、神の栄光を知る光を、ますます深く反映するのにふさわしい者となるはずであった」(『教育』12ページ)。

「神は、エデンにおいて、第7日を祝福して、創造のみわざの記念となさった。安息日は、全人類の父であり、代表であるアダムにゆだねられた」(『人類のあけぼの』上巻23ページ)。

結婚と安息日はサタンの攻撃の的なので、とくに注意してそれらを守らなければなりません。

質問3 幸福な家庭はどのようにして実現しますか。詩127:1、2

「むなしい」と言われている三つのことに注目してください。人間の努力も必要ですが、神の承認と導きがなければ、計画は失敗します。神を離れて家を建てることは危険です。

父親の役割(詩篇128篇1節、2節)

質問4 良い父親の特徴の一つは何ですか。詩128:1(創世18:19、申命6:6、7比較)

詩篇128:1はとくに父親に対して言われています。

「神はアブラハムを召して神のみ言葉の教師とし、彼をえらんで偉大な国民の父とされた。神はアブラハムが子供たちや一族を、神の律法の原則の中に教え導くにちがいないとごらんになったからである。アブラハムの教えに力を与えたのは、彼自身の生活による感化であった」(『教育』222ページ)。

アブラハムは行く先々で主に祭壇を築き、家族と共に礼拝しました(創世12:7、8、13:18参照)。このことは自分の家族と周囲の人々に大きな影響を与えました。「昔の父祖たちのように、神を愛すると告白するものは、どこに天幕を張っても、そこに主の祭壇を築かなければならない。すべての家が祈りの家でなければならない時があるとすれば、それは今である。父親も、母親も、自分たちと子供たちのために、けんそんに願いをなし、心を神にむけなければならない。父親は、家庭の祭司として、朝夕の犠牲を神の祭壇にささげ、妻と子供たちは、祈りと賛美に加わろう。イエスは、そうした家庭に喜んでとどまられる」(『人類のあけぼの』上巻148ページ)。

質問5 夫また父親はどのようにして自分の家族を養うべきですか。詩128:2(創世2:15、3:19比較)

「天地が造られた時に、労働は、祝福として与えられた。それは、進歩と能力と幸福を意味した。罪ののろいによって、地上の状態が変化したために、労働の状態にも変化が生じた。今日、労働には心配と疲労と苦痛が伴うが、しかしやはりそれは幸福と進歩の源泉であり、誘惑への防壁である。労働による鍛練は放縦を防ぎ、勤勉と純潔と強固な心を助長させる。このようにして労働は、人類を堕落から救う神の大いなるご計画の一部分となるのである」(『教育』254ページ)。

母親の役割(詩篇128篇3節、箴言31章10節〜31節)

質問6 家庭における女性の役割がどんなたとえによって教えられていますか。詩128:3

ぶどうの木は支えを必要とします。この支えによって、ぶどうの木は実を結ぶようになります。

「夫であり、父である人は苦労の多い生涯の道程において、共にゆく同伴者が耐えられるように『ゆっくり歩いて行』くべきである。財産や権力を得ようとして社会の人々が殺到している中で、自分と共に歩むように召された者を慰め、ささえるために歩みをとどめることを学びなさい。……夫は同情と不変の愛情をもってその妻を助けるべきである。もし妻を家庭の太陽のように、はつらつとうれしそうにしておきたければ、夫は妻が重荷を負うのを助けなさい」(『ミニストリー・オブ・ヒーリング』345、346ページ)。

質問7 ソロモンは理想の妻について何と言っていますか(箴31:10〜31)。忠実な母親にはどんな大いなる報酬が与えられますか(箴言31:11、28、30、31—出エ2:2、3、9、10、ヘブ11:23比較)。

聖書には、自分の子供たちを神のみわざのために教育した模範的な母親のことが記されています。ヨケベデの名は大いなる信仰の章(ヘブル11章)にも、出エジプト記2章にものっていません。彼女は目立たないエジプトの奴隷でしたが、すばらしい信仰の持ち主でした。「信仰によって」(ヘブ11:23)という言葉はモーセの母親の信仰をさしています(サムエルに対するハンナの感化〔サム上1:20、22〕およびヨハネに対するエリザベツの感化〔ルカ1:57、7〕と比較してください)。

母親は神と共に働く

「母親の仕事は重要な働きでないように自分から考えている人が多く、また事実その働きは、ほとんど感謝されていない。……いっこう何一つなし遂げなかったように感じる。しかし事実はそうでなく、天使は疲れはてた母親を見守り、日常彼女の負っている重荷に注意している。……

神の助けによって人の心の中に神のごとき姿を育てるのが母親の仕事である。このことを理解している母親は与えられた好機をこの上もない尊いものと考えるであろう。そして自分自身の品性と教育法によって、その子供に最高の理想を示そうと熱心に努力する」(『ミニストリー・オブ・ヒーリング』347、348ページ)。

子供たち(詩篇128篇3節〜6節、144篇11節、12節、15節、127篇5節)

質問8 子供たちは何にたとえられていますか。詩128:3

オリブの木はイスラエルの喜びの一つでした。しかし、ここで注意すべきことは、子供たちが枝ではなく木にたとえられているということです。子供たちは今はまだ親のもとにいますが、やがては独立していきます。

質問9 ほかに子供たちは何にたとえられていますか。詩144:12

この聖句は、とくにヨセフとダニエルの品性の発達に関連して、『教師への勧告』496ページに引用されています。息子たちは人から信頼され、試練に遭っても動かされず、岩のようにしっかりしていて、状況の奴隷ではなく、むしろ支配者でなければなりません。娘たちは隅石のように霊的にしっかりしていなければなりません。息子たちは王子であり、娘たちは王女です。彼らは母親の女王と父親の王と共に宮殿に住むのです。

教師の役割

「教師は生徒たちに本の知識を与える以上のことをすべきである。青少年の指導者・教師としての彼らの立場は非常に責任が重い。なぜなら、彼らに心と品性を形づくる働きが与えられているからである。この働きに携わる者たちは調和と均整のとれた品性を持つべきである。彼らは洗練された作法、きちんとした服装、正しい習慣を心がけるべきである。彼らは人々の信頼と尊敬をかちとるような真のクリスチャンの礼儀をわきまえるべきである。教師は自分自身、生徒になってほしいと望むような人物になるべきである」(『教師への勧告』65ページ)。

質問10 子供たちはどのようにして両親を敬うことができますか(出エ20:12参照)。詩127:4、5

「町の門にある広場は紛争を解決する場所であった(創世19:1、イザ29:21、アモ5:12参照)。これらの息子たちは自分の父を弁護することを恥じなかった。彼らはすすんで偽りの非難から父を擁護した。大きな家族にはそれなりの心配もあるが、同時にそれなりの報酬もある」(『SDA聖書注解』第3巻913ページ)。

家庭内の一致(詩篇101篇、133篇)

ダビデが苦境におちいり、サウルをのがれてアドラムのほら穴に隠れていたとき、神は一族の者たちをつかわして彼を慰められました(サム上22:1参照)。

質問11 ダビデは家族が和合することの喜びをどのように表現していますか。詩133:1

一致は喜びをもたらす

「アドラムのほら穴で、家族は同情と愛に結ばれた。エッサイのむすこは、楽の音に合わせて歌うのであった。『見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう』(詩篇133:1)。彼は、自分の兄弟たちに信用されないつらさも味わったことがあった。不和に代わって和合が実現したことをダビデは心から喜んだ」(『人類のあけぼの』下巻336、337ページ)。

質問12 ダビデの誓いは家族の一致をどのように強めましたか。詩101:1〜8(サム上18:5、14、30比較)

ダビデは悪を見ないこと、悪人と交わらないことを誓いました。「詩篇101篇に記されたダビデの誓いは、家庭の影響力を守る責任を与えられているすべての人の誓いでなければならない」(『教師への勧告』 119ページ)。

質問13 ダビデはどんな二つのたとえを用いて家族の一致を描写していますか。詩133:2、3

聖なる油はアロンの頭とひげにだけとどまってはいませんでした。それは彼の衣にまで流れました。それはすべての者をひとつの集団にまとめるものです。露もそうです。それは涼しい夜におり、あたり一面をうるおします。それはーカ所にとどまらず、「主からくだる露のごとく、青草の上に降る夕立のようである」(ミカ5:7)。

一致は聖霊の実です。この聖霊は聖書において油と露にたとえられています(イザ61 :1、ホセ14:5)。このような一致は、あらゆる文化、社会、言葉、民族の壁をのりこえて、キリストを信じる者たちを「神の家族」に結びつけます(エペ2:18、19)。

まとめ

家庭は社会と教会の基礎です。社会の繁栄と幸福は家庭の繁栄と幸福にかかっています。それはまた神を信じる父親、母親、子供にかかっています。

*本記事は、C・レイモンド・ホームズ(英:C. Raymond Holmes)著、安息日学校ガイド1992年2期『詩篇73-150篇 失望から栄光へ』 からの抜粋です。

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