ヨナの不快感【ヨナ書4章6節―9節】

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不満を漏らすヨナ

時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。ヨナ4:6(口語訳)

このヨナの不快感は肉体的なものだけでなく、神に対する不満そのものだったとも言えるでしょう。

ヘブライ語のラアー(苦痛)は、悪、不幸、困難、みじめさをあらわす言葉です。ヨナの不快感は、肉体的なものよりも、精神的、霊的なものであり、それは彼が苦しんでいると感じていた苛立ち、屈辱、失望からくるものでした。

神の判断の正当性を示すとうごま

4:7ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。 4:8やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照したので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」。ヨナ4:7,8(口語訳)

とうごまの生育は非常に早いですが、同時に切ったり傷つけたりするとすぐに枯れてしまう弱さがありました。

このとうごまが枯れたとき、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」とヨナは言います。

ヨナはこの前の3節でも「わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです」(ヨナ4:3)と口にしていますが、3節と8節ではまったく異なるヨナの不満があります。「生きるより死ぬ方がまし」というヨナの感情は同じですが、その原因は異なるのです。

3節では、彼は神の救いの権利について不満を持ちますが、ここでは神の破壊の権利について不満を持っているのです。

このヨナの不満に、とうごまを用いて神は向き合われました。

しかし神はヨナに言われた、「とうごまのためにあなたの怒るのはよくない」。ヨナは言った、「わたしは怒りのあまり狂い死にそうです」。 ヨナ4:9(口語訳)

神の救いの権利についての不満をヨナが口にしたときと同じように、神は「あなたの怒るのはよくない」と言われます。ヨナに怒る権利がないことを示され、その上で神には破壊する権利も救い出す権利もあることを明確に示していくのです。

神には破壊する権利も救い出す権利もあるのです。

ヨナは「町のなりゆきを見きわめようと」し(ヨナ4:5)、神の判断の正当性を疑ったヨナに対して、神はその判断の正当性をとうごまを通して、示されていきました(ヨナ4:10―11)。

わたしたちは神が全権を担っておられることを忘れて不満をつぶやいてしまいます。もう一度、神がすべてを支配されていることを思い出しましょう。

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