王の酒宴【エステル記1章1―9節】

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1:1アハシュエロスすなわちインドからエチオピヤまで百二十七州を治めたアハシュエロスの世、 1:2アハシュエロス王が首都スサで、その国の位に座していたころ、 1:3その治世の第三年に、彼はその大臣および侍臣たちのために酒宴を設けた。ペルシャとメデアの将軍および貴族ならびに諸州の大臣たちがその前にいた。 1:4その時、王はその盛んな国の富と、その王威の輝きと、はなやかさを示して多くの日を重ね、百八十日に及んだ。 1:5これらの日が終った時、王は王の宮殿の園の庭で、首都スサにいる大小のすべての民のために七日の間、酒宴を設けた。 1:6そこには白綿布の垂幕と青色のとばりとがあって、紫色の細布のひもで銀の輪および大理石の柱につながれていた。また長いすは金銀で作られ、石膏と大理石と真珠貝および宝石の切りはめ細工の床の上に置かれていた。 1:7酒は金の杯で賜わり、その杯はそれぞれ違ったもので、王の大きな度量にふさわしく、王の用いる酒を惜しみなく賜わった。 1:8その飲むことは法にかない、だれもしいられることはなかった。これは王が人々におのおの自分の好むようにさせよと宮廷のすべての役人に命じておいたからである。 1:9王妃ワシテもまたアハシュエロス王に属する王宮の内で女たちのために酒宴を設けた。エステル1:1―9(口語訳)

目次

クセルクセス王の酒宴

ペルシャ帝国の歴史的な敗戦となるギリシャとの戦いの前に、クセルクセス王(アハシュエロス)は酒宴を開いていきます。この酒宴は軍事会議とまた有力者たちの激励の意味がありました。

「王はその盛んな国の富と、その王威の輝きと、はなやかさを示して」とあるように、クセルクセス王は自らの権威を見せつけていくのでした。

その飲むことは法にかない、だれもしいられることはなかった。これは王が人々におのおの自分の好むようにさせよと宮廷のすべての役人に命じておいたからである。エステル1:8(口語訳)

ここに出てくる「法」に対しては、さまざまな解釈が生まれていますが、有力なのはここでの状況説明は「制限がないように」という意味ではないかということです。

つまり、酒を飲む制限がなく、飲めるような状態になっていましたのです。王は参加者が自制なく、酒を飲むことができるようにすすめていたのです。

ワシテの酒宴

対して、王妃ワシテ(ワシュティ)も酒宴を設けていましたが、慎み深かったとされています。

その王妃ワシテに王妃の冠をかぶらせて、その美しさを人々に見せようとしたところ、彼女に拒絶された王は怒りに燃えます。

王妃も「女のための酒宴」を設けていたということは、クセルクセス王の意向を汲み、それに賛同していたということです。しかし、クセルクセス王の要求は彼女の許容を超え、王家に対して何らかの損失をもうけることであったと考えられるでしょう。

自らの心の赴くままに快楽を楽しむ人物は大きな損失を生み、人間関係に破滅的な影響を与えてしまいました。クセルクセス王はすぐに、ワシテを王家から追い出していきますが、これは後に彼にとって大きな後悔となりました(エステル2:1)。

わたしたちも同じように、自己中心的な喜びだけを求めるならば、彼と同じように大きな後悔だけが後に残ることになるのかもしれません。

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