お金を積んで【エステル記3章8節―11節】

この記事は約2分で読むことができます。

今日の聖句はこちら

3:8そしてハマンはアハシュエロス王に言った、「お国の各州にいる諸民のうちに、散らされて、別れ別れになっている一つの民がいます。その法律は他のすべての民のものと異なり、また彼らは王の法律を守りません。それゆえ彼らを許しておくことは王のためになりません。 3:9もし王がよしとされるならば、彼らを滅ぼせと詔をお書きください。そうすればわたしは王の事をつかさどる者たちの手に銀一万タラントを量りわたして、王の金庫に入れさせましょう」。 3:10そこで王は手から指輪をはずし、アガグびとハンメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにわたした。 3:11そして王はハマンに言った、「その銀はあなたに与える。その民もまたあなたに与えるから、よいと思うようにしなさい」。3:12そこで正月の十三日に王の書記官が召し集められ、王の総督、各州の知事および諸民のつかさたちにハマンが命じたことをことごとく書きしるした。すなわち各州に送るものにはその文字を用い、諸民に送るものにはその言語を用い、おのおのアハシュエロス王の名をもってそれを書き、王の指輪をもってそれに印を押した。 3:13そして急使をもってその書を王の諸州に送り、十二月すなわちアダルの月の十三日に、一日のうちにすべてのユダヤ人を、若い者、老いた者、子供、女の別なく、ことごとく滅ぼし、殺し、絶やし、かつその貨財を奪い取れと命じた。 3:14この文書の写しを詔として各州に伝え、すべての民に公示して、その日のために備えさせようとした。 3:15急使は王の命令により急いで出ていった。この詔は首都スサで発布された。時に王とハマンは座して酒を飲んでいたが、スサの都はあわて惑った。エステル3:8―14(口語訳)(口語訳)

目次

銀一万タラント

クセルクセス王がハマンの進言を賄賂で耳を傾けたというのは、驚くべきことです。賄賂になびいた理由の一つとしては、対ギリシャ戦争で激しい経済的ダメージを受けていたことが考えられます。

このとき、ハマンが提案した一万タラントという額は、ペルシャ帝国の年間税収の約3分の2に相当する額でした。

敗戦を喫したクセルクセス王にとって、「取るに足らない民」と「国の泰平」を秤にかけたときに、ハマンの申し出を受け入れたとしても、なんら不思議ではありません。

よいと思うようにしなさい

3:10そこで王は手から指輪をはずし、アガグびとハンメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにわたした。 3:11そして王はハマンに言った、「その銀はあなたに与える。その民もまたあなたに与えるから、よいと思うようにしなさい」。エステル3:10―11

王はハマンの提案をのみ、全権を委ねてしまうのでした。

ワシテ(ワシュティ)のときに、女性をよいと思うように支配するために、法律を変えるように臣下の者に言われたときと同じ過ちを犯すのです。

クセルクセス王もハマンも、自分のよいと思うように物事を支配しようとしました。そして、ハマンは神の民の迫害へと乗り出すのです。

自分のよいと思うように物事を進めようとするとき、人はかたくなになり、良心を殺し、他人を支配しようとしてしまうのかもしれません。

終わりの時代はバビロンと呼ばれる勢力が同じことを行っていきます(黙示録13:15―18)。

まさに、自分中心に動いていくのか、神を中心にするのかという二つの価値観と勢力の戦いがあるのです。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会口語訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

よかったらシェアしてね!
目次