慕われているエステル【エステル記4章1―8節】

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4:1モルデカイはすべてこのなされたことを知ったとき、その衣を裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、町の中へ行って大声をあげ、激しく叫んで、 4:2王の門の入口まで行った。荒布をまとっては王の門の内にはいることができないからである。 4:3すべて王の命令と詔をうけ取った各州ではユダヤ人のうちに大いなる悲しみがあり、断食、嘆き、叫びが起り、また荒布をまとい、灰の上に座する者が多かった。

4:4エステルの侍女たちおよび侍従たちがきて、この事を告げたので、王妃は非常に悲しみ、モルデカイに着物を贈り、それを着せて、荒布を脱がせようとしたが受けなかった。 4:5そこでエステルは王の侍従のひとりで、王が自分にはべらせたハタクを召し、モルデカイのもとへ行って、それは何事であるか、何ゆえであるかを尋ねて来るようにと命じた。 4:6ハタクは出て、王の門の前にある町の広場にいるモルデカイのもとへ行くと、 4:7モルデカイは自分の身に起ったすべての事を彼に告げ、かつハマンがユダヤ人を滅ぼすことのために王の金庫に量り入れると約束した銀の正確な額を告げた。 4:8また彼らを滅ぼさせるために、スサで発布された詔書の写しを彼にわたし、それをエステルに見せ、かつ説きあかし、彼女が王のもとへ行ってその民のために王のあわれみを請い、王の前に願い求めるように彼女に言い伝えよと言った。エステル4:5―8(口語訳)

目次

従者の忠誠

エステルについていた侍従のハタクに、モルデカイはメッセージを託しますが、このことからもハタクを含む、侍女や侍従たちはエステルに忠誠を尽くし、信頼できる人たちであったと考えられます。

おそらく、すでにエステルがユダヤ人であることを彼らは知っていました。彼らの存在はエステルにとって、とても大きかったことでしょう。

王妃となった当初も、自らのことを明かさず、慎重に振る舞っていたエステルでしたが、王妃となった後は自らの忠誠を誓った人々に明かしたのでした(エステル2:10,20)。

クセルクセスがエステルの背景を知らなかったことからも、エステルと彼女の側近だけの秘密であったと考えられます。

特に、ユダヤ人が国内で非常に厳しい状況に置かれても裏切らなかったことから、その忠誠心が強かったことが想像されます。

側近に暗殺を企まれるクセルクセスや奴隷たちに裏切られたビグタンとテレシと比べると、その差は明らかです(エステル2:21―22)。彼女に向けられた好意と忠誠は本物だったのです。

エステルのあかし

さらにエステルは、侍女たちも断食に加わることをエステル記4章15節16節で言及しています。侍女たちは、エステルと運命を共にするつもりだったのです。

聖書には彼女たちの心境について記されていないため、推測に過ぎませんが、ユダヤ人である彼女と運命を共にするということは、侍女たちもまた聖書の神を受け入れていたのかもしれません。

このことからも、エステルがまわりの人々に対して良いあかしをしていたことがわかります。

自らの背景と信仰を隠さなければいけないような非常に難しい状況下においても、彼女の品性は人々を惹きつけ、そして、聖書の神を伝える機会を彼女に与えたのでした。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会口語訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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