王への謁見【エステル記4章9―11節】

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4:9ハタクが帰ってきてモルデカイの言葉をエステルに告げたので、 4:10エステルはハタクに命じ、モルデカイに言葉を伝えさせて言った、4:10エステルはハタクに命じ、モルデカイに言葉を伝えさせて言った、 4:11「王の侍臣および王の諸州の民は皆、男でも女でも、すべて召されないのに内庭にはいって王のもとへ行く者は、必ず殺されなければならないという一つの法律のあることを知っています。ただし王がその者に金の笏を伸べれば生きることができるのです。しかしわたしはこの三十日の間、王のもとへ行くべき召をこうむらないのです」。エステル4:9―11(口語訳)

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エステルの立場

暗殺事件の影響もあってか、王の身辺警護は非常に厳しくなっていました(エステル2:21−23)。王妃でさえも、召されていなければ、殺される可能性があったのです。

前王妃のワシュティ(ワシテ)の例をみても、クセルクセスがエステルを殺さないという確証はどこにもなかったのです。

エステルが選ばれた後も、女性たちが選ばれたことから(エステル2:19)、多くの側女が王にはいた可能性は容易に想像できます。その意味では、王妃の地位が揺るがされても不思議ではありませんでした。

加えて、エステルを30日も呼んでいないことから、王の好意を得られているのかという疑念が、エステルの中に生まれていてもおかしくありません。

しかし、この後のストーリーでそれは杞憂であったことがわかります。王のエステルへの好意もまた、本物だったのです。

これはエステルが王妃として、誠実に王や人々と向き合っていたことをあらわしています。

誠実なエステル

小事に忠実な人は、大事にも忠実である。そして、小事に不忠実な人は大事にも不忠実である。ルカによる福音書16:10(口語訳)

このルカの言葉は、エステルの物語からも教訓として学ぶことができます。エステルのここに至るまでの4年間の歩みが、王の好意を得させ、神の大きな計画の助けとなったのです。

エステルの経験と同じような経験が、ナアマンの物語でも見ることができます(列王紀下5:2―4)。略奪され、ナアマンの妻の奴隷となったひとりの少女がナアマンにエリシャのことを伝え、彼を改心へと導くのです。

この二つの物語の共通点は、自らの選択ではなく、強制的に置かれた環境の中で、それでも誠実に過ごしていたことによって、神の計画の助けとなれたということです。

自分が望んだ快適な環境の中で、相手のことを考え、小事に忠実であることも難しいですが、彼らは強いられた中でそれを実行したのです。

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会口語訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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