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4:12エステルの言葉をモルデカイに告げたので、 4:13モルデカイは命じてエステルに答えさせて言った、「あなたは王宮にいるゆえ、すべてのユダヤ人と異なり、難を免れるだろうと思ってはならない。 4:14あなたがもし、このような時に黙っているならば、ほかの所から、助けと救がユダヤ人のために起るでしょう。しかし、あなたとあなたの父の家とは滅びるでしょう。あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう」。エステル4:12―14(口語訳)
裁きのメッセージ
モルデカイは「あなたとあなたの父の家とは滅びる」と警告をしました。
これは迫害によってというよりも、むしろ霊的な意味であると考えられます。モルデカイは、エステルに神の裁きのメッセージを伝えていくのでした。
伝えなければ、その責任を被ることになるという考え方は新約時代にも残り続けました。
18:5シラスとテモテが、マケドニヤから下ってきてからは、パウロは御言を伝えることに専念し、イエスがキリストであることを、ユダヤ人たちに力強くあかしした。 18:6しかし、彼らがこれに反抗してののしり続けたので、パウロは自分の上着を振りはらって、彼らに言った、「あなたがたの血は、あなたがた自身にかえれ。わたしには責任がない。今からわたしは異邦人の方に行く」。使徒行伝18:5―6(口語訳)
神の使命を伝えるメッセンジャーには、責任があるのです(エゼキエル33:7―9)。
石が叫ぶ
4:14あなたがもし、このような時に黙っているならば、ほかの所から、助けと救がユダヤ人のために起るでしょう。しかし、あなたとあなたの父の家とは滅びるでしょう。あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう」。エステル4:13―14(口語訳)
黙っているならば、他から助けが起こるという考えは、福音書の中でキリストも語られています。
19:39ところが、群衆の中にいたあるパリサイ人たちがイエスに言った、「先生、あなたの弟子たちをおしかり下さい」。 19:40答えて言われた、「あなたがたに言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう」ルカによる福音書19:39―40(口語訳)
キリストがダビデの子と呼ばれ、エルサレムに入場するのは預言の成就でした。それゆえに、人間的な力を働かせたとしても、止めることも変えることができなかったのです。
モルデカイは神の民が救われることはすでに決まっていることであると信じて、「ほかの所から、助けと救がユダヤ人のために起る」と言いました。
そして、これはエステルにとっても福音でした。なぜなら、この約束は同時に彼女の命が救われる約束でもあったからです。
最後にモルデカイは、この働きができる人物がエステルのほかいないことを加えて伝えていきます。
モルデカイのメッセージは裁きと警告のメッセージでもありましたが、同時に福音でもありました。モルデカイはあくまで、神がエステルを通して働かれ、そしてその計画は必ず成功すること信じていたのです。