エステルの深慮【エステル記5章3―5節】

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5:3王は彼女に言った、「王妃エステルよ、何を求めるのか。あなたの願いは何か。国の半ばでもあなたに与えよう」。 5:4エステルは言った、「もし王がよしとされるならば、きょうわたしが王のために設けた酒宴に、ハマンとご一緒にお臨みください」。 5:5そこで王は「ハマンを速く連れてきて、エステルの言うようにせよ」と言い、やがて王とハマンはエステルの設けた酒宴に臨んだ。5:6酒の時、王はエステルに言った、「あなたの求めることは何か。必ず聞かれる。あなたの願いは何か。国の半ばでも聞きとどけられる」。5:7エステルは答えて言った、「わたしの求め、わたしの願いはこれです。 5:8もしわたしが王の目の前に恵みを得、また王がもしわたしの求めを許し、わたしの願いを聞きとどけるのをよしとされるならば、ハマンとご一緒に、あすまた、わたしが設けようとする酒宴に、お臨みください。わたしはあす王のお言葉どおりにいたしましょう」。エステル5:3―8(口語訳)

目次

酒宴への招待

エステルは慎重に物事を進めていきます。彼女はまず酒宴の席に王を招待しましたが、これは異例なことでした。

もしかしたら、クセルクセス王はワシュティが自分の宴会への出席を拒んだことを覚えていたのかもしれません。そうだとしたら、このエステルの招待は異例さに加え、しかも直接エステルの口から招待されたために、王を驚かせ、興味をそそらせ、好意を抱かせたのではないでしょうか。

この王の関心の高さは、「ハマンを早く連れてきて、エステルの言うようにせよ」という命令からも見ることができます(エステル5:5)。王は国事に関わっているハマンに対して、このエステルとの酒宴を最優先にするようにと命じていくのです。

さらなる慎重さ

エステルは慎重に慎重を重ねて計画を進めていきました。

王はエステルの思惑を感じ取っており、祝宴への招待は一種の社交辞令であり、エステルから何かしらの請願があることを悟っています(エステル5:6、7:2)。

ところが、エステルは2回めに王から「欲しいものを与えよう」と言われた時も、もう一度酒宴に誘うのでした。

このエステルが、もう1日遅らせて自分の要求を伝えたことは、王の心に訴えかけるのに最適な方法でした。

もしかすると、これによってクセルクセス王は、エステルの訴えがある日突然出てきた感情的なものではなく、熟慮された訴えであることを認めたのかもしれません。あるいは、これらのエステルの不可解な行動は王の関心を高め、さらにはエステルから重大な訴えがくることを悟らせ、王の心を備えさせる効果があったのかもしれません。

エステルの信仰

エステルが当面して危機は、真剣な努力を急速にする必要があった。しかしエステルもモルデカイとともに、神が彼らのために大いなる働きをして下さるのでなければ、彼ら自身の努力は無益なことを知っていた。そこでエステルは、力の源であられる神と交わる時間をとったのである。

エレン・ホワイト『国と指導者』下巻206ページ

こうして、エステルは神と交わった後、計画を熟考し、行動に出たのでした。わたしたちはエステルのような思慮深さを持って行動しているでしょうか? それとも、感情的に性急な決断をしてしまっているでしょうか?

聖書の引用は、特記がない限り日本聖書協会口語訳を使用しています。
そのほかの訳の場合はカッコがきで記載しており、以下からの引用となります。
『新共同訳』 ©︎共同訳聖書実行委員会 ©︎日本聖書協会
『口語訳』 ©︎日本聖書協会 
『新改訳2017』 ©2017 新日本聖書刊行会

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