第2課 見過ごせないしるし

目次

見過ごされたしるし

1941年12月7日の早朝、ハワイのオアフ島に設置されたレーダーが異常事態を捉えました。午前7時2分、レーダーは少なくとも50機の戦闘機がオアフ島方向に接近していることを示しています。

当直の兵士たちはあわてて上官に報告しましたが、「心配する必要はない」と取り合ってもらえません。しかし、1時間もしないうちにパールハーバーは爆撃され、2,400人以上の米軍兵士が(うち1,177人は米戦艦アリゾナの沈没と共に)亡くなりました。

数十分前には、これから攻撃が始まるという明白な証拠があったにも関わらず、前兆は見過ごされ、無視された結果、大惨事に至ったのでした。

聖書は、世界がまもなく終わり、キリストの再臨がごく間近に迫っていることを示す明らかな証拠を提示しています(再臨とは目に見える形で、もう一度キリストがこの地球に戻ってこられることです)。このようなまぎれもないしるしは、決して見過ごしてはならない前兆です!

弟子たちに伝えるキリスト

キリストが弟子たちに語った「前兆」は、どのように重要な出来事の前兆でしたか?

どうぞお話しください。いつ、そんなことが起るのでしょうか。あなたがまたおいでになる時や、世の終りには、どんな前兆がありますか」。

マタイによる福音書24章3節

弟子たちは、世界の終わりとキリストの再臨を、ほぼ同じ出来事として正確に理解していました。弟子たちはキリストに、この出来事が近づいていることを示す前兆について教えてほしいと頼んだのです。

キリストの再臨の正確な日時を知っている人はいますか?

その日、その時は、だれも知らない。天の御使たちも、また子も知らない、ただ父だけが知っておられる。

マタイによる福音書24章36節

キリストは、父なる神のほかには誰も再臨の日を知らない、と明言しました。再臨の日時を予想することは、失望と落胆を招くだけでなく、さらに人々が聖書を疑い、あざけるのを助長させることでしょう。

どのようにしてキリストの再臨が近いと、知ることができるでしょうか?

いちじくの木からこの譬を学びなさい。その枝が柔らかになり、葉が出るようになると、夏の近いことがわかる。そのように、すべてこれらのことを見たならば、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。

マタイによる福音書24章32―33節

キリストは再臨の日時を予想することに対しては警告しましたが、再臨が近づいていることを悟るために、聖書の預言と世界各地で起きている出来事を調査するようにと言われました。

それはちょうど、キリストの誕生(初臨)に関する預言が多く存在したように、再臨に関しても同様に多くの明確な預言があるからです。

再臨の前兆を説明するのに、キリストはどのようなたとえを用いていますか?

しかし、すべてこれらは産みの苦しみの初めである。

マタイによる福音書24章8節

再臨の前兆を示す預言にはいくつかの比喩がありますが、そのひとつでキリストは前兆を「産みの苦しみの初め」と呼びました。再臨の前兆を出産にたとえたのです。

ちょうど出産が近づくにつれて陣痛の回数が増え、激しさが増していくように、世界の終わりが近づくにつれて、キリストの再臨の前兆も頻繁に見られるようになり、激しさを増していくということです。

政治の世界における再臨の前兆

戦争

また、戦争と戦争のうわさとを聞くであろう。……民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう。

マタイによる福音書24章6―7節

キリストは世界の終わりの前兆の1つとして、国家間の戦争を挙げています。20世紀は戦争の時代で、何百万人もの命を奪った2つの世界大戦と数知れない紛争がありました。戦争とテロリズムは現在も世界の情勢を不安定にし、多くの破壊と死をもたらし続けています。

自然界に見られる再臨の前兆

地震、ききん、感染病

またあちこちに、ききんが起り、また地震があるであろう。

マタイによる福音書24章7節

毎年、検知可能な地震の数は約50万回と言われており、そのうちのいくつかは甚大な震災となって多くの人命を奪っていきました。また人口の増加にともない、大規模災害の可能性も増えているのです。

地震(津波)の増加は、キリストの再臨の前兆の1つです。

現在、10億人を超える人々が日々の食物に飢えており、約5億人が慢性的な栄養失調です。人口増加にともなう飲料水の不足により、問題はますます深刻化していくであろうと発表されています。

また聖書には、疫病(感染病やその他の病気)の増加も世界の終わりの前兆として挙げられています。新しい病気の増加が、世界中で見られ、多くの人々の健康を脅かしているのをわたしたちは知っています。

知識と技術の発展

ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」。

ダニエル書12章4節

終わりの時代には、聖書の知識が人々に理解される一方で、世俗的な知識や科学技術も劇的な発展を遂げるのです。これもわたしたちが終わりの時代に生きている前兆の一つです。

現代の技術進歩には目まぐるしいものがあります。数十年前には、インターネットすら存在しなかったのですから、近代テクノロジーの進化の速度には驚かされます。

社会生活における再臨の前兆

道徳的退廃

人の子の現れるのも、ちょうどノアの時のようであろう。

マタイによる福音書24章37節

主は人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。

創世記6章5節

再臨直前の世界は、ノアの洪水が起こる前の時代と同様に、不道徳な状態になるだろうと、キリストは言われました。不道徳と暴力の連鎖が暴走し続けている現代社会は、まさに再臨が近づいていることを物語っています。

人間関係の崩壊

また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。

マタイによる福音書24章12節

今日、祝福であるはずの結婚生活は、かつてないほどの確率で破局を迎えています。家庭内崩壊も一つの重要な終末の前兆なのです。

宗教界における再臨の前兆

再臨のメッセージに対するあざけり

まず次のことを知るべきである。終りの時にあざける者たちが、あざけりながら出てきて、自分の欲情のままに生活し、「主の来臨の約束はどうなったのか……」と言うであろう。

ペテロの第二の手紙3章3―4節

キリストは再臨のおとずれを約束しましたが(ヨハネによる福音書14章1―3節)、多くの人はそれを真剣にはとらえていません。(進化論の普及を含む)体系化された無神論や、伝統的なキリスト教の信仰に対する批判の言葉は、わたしたちが最終時代に生きていることを示唆しています。

偽りの奇跡、偽預言者、偽キリストによる欺き

にせキリストたちや、にせ預言者たちが起って、大いなるしるしと奇跡とを行い、できれば、選民をも惑わそうとするであろう。

マタイによる福音書24章24節

マタイによる福音書24章の中で、キリストは4回も偽りの信仰について警告しています。同じように、使徒ヨハネも偽りの宗教について書いています。「愛する者たちよ。すべての霊を信じることはしないで、それらの霊が神から出たものであるかどうか、ためしなさい。多くのにせ預言者が世に出てきているからである。」(ヨハネの第一の手紙4章1節)。

聖書は、メッセージの内容やメッセージを語る者が正しいかどうかを見極める方法をわたしたちに教えています。「おしえとあかしに尋ねなければならない。もし、このことばに従って語らなければ、その人には夜明けがない」(イザヤ書8章20節、新改訳聖書©新日本聖書刊行会)。世界が宗教的混乱の中にある現在、真理の基準となるのは神の言葉なのです。

心霊術のまん延

また、大いなるしるしを行って、人々の前で火を天から地に降らせることさえした。さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人々を惑わし……。

ヨハネの黙示録13章13―14節

これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。

ヨハネの黙示録16章14節

悪霊は、しるしや不思議な出来事を通して人々を惑わしています。心霊術(霊媒、魔術、死者との交流など)は、現在ではテレビ番組などで頻繁に紹介され、あたりまえのこととして受け止められています。

本物の信仰の衰退

しかし、このことは知っておかねばならない。終りの時には、苦難の時代が来る。その時、人々は自分を愛する者……信心深い様子をしながらその実を捨てる者となるであろう。

テモテへの第二の手紙3章1―2節、5節

パウロは、神に対する信仰の多くが、世の終わりには名ばかりのものとなるであろうと預言しました。神に対する形だけの信仰は、本物の力ある信仰になり得ません。

世界中に発せられた福音

そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。

マタイによる福音書24章14節

福音(キリストによる救いの「良き知らせ」)が世界中に伝えられることは、キリストの再臨の希望の前兆です。この希望に満ちた預言は成就しつつあるのです。

キリストの再臨に備える

キリストは再臨について、どのような警告をしましたか?

だから、あなたがたも用意をしていなさい。思いがけない時に人の子が来るからである。

マタイによる福音書24章44節

キリストは、たとえわたしたちが再臨の正確な日時を知らなかったとしても、それに備え、常に準備を怠らないで生活するように強くすすめています。

キリストの再臨に備えるためには、どのようにしたら良いでしょうか?

見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。

ヨハネの黙示録3章20節

まず、キリストがあなたの心の扉を叩き、あなたに呼びかけておられる声に耳を傾けてみましょう。次に、キリストを心に迎えるために扉を開ける決心をします。キリストを個人的な救い主として受け入れ、あなたの人生に関わってほしいとあなたは望んでいますか。

キリストの再臨に備えて、わたしたちはどのような生き方をするべきでしょうか?

気をつけて、目をさましていなさい。その時がいつであるか、あなたがたにはわからないからである。

マルコによる福音書13章33節

再臨の前兆は、キリストの再臨の日がまもなくであることを示しています。しかし、それを知っていたとしても、個人的な準備をなにひとつしなかったなら、意味がありません。

キリストは「目を覚まし」ていることと同じく常に「祈ること」、つまり心を神に開き、いつでも神と交わるようにすすめています。

神を敬い、神とともに永遠に生きることを選ぶ人々にとっては、毎日の祈りと聖書の学び、そしてクリスチャン同士で励まし合うなどの積極的な信仰生活が不可欠なのです。

3つの重要なポイント

  1. だれひとり、キリストの再臨の正確な日時を知りません。
  2. 再臨の前兆は、キリストがまもなく来られることを示しています。
  3. 今日、わたしたちはキリストを人生に迎え入れて、キリストに会う準備をすることが出来ます。

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