この記事は約2分で読むことができます。
ペニナとその子たちは、ハンナが神に呪われていると言い続けたに違いありません。しかしサムエルの誕生は、ハンナに対する神の擁護の証拠でした。祈りの子が与えれ、彼女はさらに多くの子が与えられると信じました(サム上2:1、5、21)。「主にあってわたしの心は喜び/主にあってわたしは角を高く上げる」(1節)。農牧社会にあって角は力の象徴で、高く上げられた角は力強さを表していました(ダニ8:3)。私たち人間は弱く、しばしば無力感と不安に襲われますが、ハンナのように岩なる神に信頼する必要があります。
2:1〜10の祈りは神の民と神の敵を対照的に描写しています。
(象徴) (神の敵) (神の民)
(象徴) | (神の敵) | (神の民) |
戦争 | 勇士の弓は折られる | よろめく者は力を帯びる |
飢え | 食べ飽きている者は飢える | 飢えている者は食べ飽きる |
不妊 | 多くの子を持つ女は衰える | 子のない女は7人の子を産む |
死 | 主は命を絶つ | 主は命を与える |
貧困 | 主は貧しくする | 主は富ませる |
ハンナの祈りは彼女個人の世界から象徴的に外の世界へ移行しています。4、10節はイスラエル人とペリシテ人の戦いのことを予表し、サムエルの導きのもと、天からの雷鳴をもってペリシテ人に勝利することを述べているかもしれません(7:10)。
10節の後半を注意してください。この時、イスラエルには王がいませんでしたが、この「王」「油注がれた者」とは誰をさすのでしょうか。ユダヤ教、キリスト教の聖書注解者は、ともにこの聖句がメシアを指すと解釈しています。
◆ハンナの祈りは奇跡的な方法で答えられました。誰の祈りも同じように答えられるわけではありません。どう考えるべきでしょうか。
*本記事は、『聖書に見る偉大な祈り』からの抜粋です。