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古代都市は高い城壁で囲まれていました。しかし、時々城壁の一部が崩れて中の住民が敵の攻撃に無防備になることがありました。そんな時、屈強な男たちが破れた所に立って日夜住民を守りました。国家的な背教のとき、神はエゼキエルに次のように言いました。「この地を滅ぼすことがないように、わたしは、わが前に石垣を築き、石垣の破れ口に立つ者を彼らの中から探し求めたが、見いだすことができなかった」(エゼ22:30)。そこで神はエルサレムを滅ぼし、ユダを荒廃させ、バビロンの捕囚となることをお許しになりました。
聖書には偉大な仲保者が登場します。アブラハムは罪深いソドムの住民のために神と交渉し(創世18:16 〜19:29)、モーセは反逆的なイスラエルのために、自分の名を命の書から消してでも彼らを赦してくださいと嘆願し(出エ32:31、32)、パウロはイエスを拒んだ同胞を悲しみ、自分はそのために呪われてもよいと言いました(ロマ9:1〜4)。
今回は罪深い民のために執り成しの祈りを捧げたダニエルについて学びます。この点でダニエルはイエスに似ています。主は今も私たちのために執り成しておられます(へブ7:25)。
王族の一員であったダニエルは敬神の王ヨシヤの宮廷で育ちました。子供のころ、彼はおそらく、悪王マナセの時代に失われ、後に発見された申命記を読んでいたことでしょう(歴代下34:14、申命31:24 〜26)。ヨシヤ王が主と申命記に記された契約の言葉に従うと誓ったのを聞いたとき、若いダニエルも同じ決意で心が燃え立ったと思います。このとき以来、申命記はダニエルの生涯に強い影響を及ぼしたに違いありません。
少年ダニエルはエレミヤがユダの民に「主なる神に立ち帰れ」と嘆願するのを聞いたはずです(エレ3章)。そして民がかたくなに逆らうのを見て失望したことでしょう。ダニエルがまだ十代のときに悲劇が起こります。ヨシヤ王の戦死でした。ダニエルはエレミヤや他の民と共に深く悲しみました(歴代下35:23〜25)。ヨシヤ王の後継者たちはみな弱く、預言者の声を無視して新興バビロニアに背きます。怒ったネブカドネツァルとその軍勢はエルサレムに侵入して神殿を破壊し、聖なる物を奪い、王族の一部を捕虜として、800 キロ近くも離れたバビロンに連れて行きます(ダニ1:3、4)。ダニエルはこれらの人質の中の一人でした。
ダニエル1:17〜20を読み、青年ダニエルの信仰、人格、性質を述べてください。
◆不思議な夢の解き明かしを持ってネブカドネツァル王のもとに行く前に、ダニエルは夢を理解する知恵を与えてくださった神に感謝をささげています。どんなときにも主を賛美することが大切なのはなぜでしょうか。
*本記事は、『聖書に見る偉大な祈り』からの抜粋です。