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今週(#21~#25、テーマ:「勝利と敗北」)の暗唱聖句(列王記上18:21)にも示されているように、大争闘は忠誠をめぐる戦い、私たちの心をめぐる戦いです。バアルの預言者およびアハブ王とのエリヤの対決はこの霊的戦いを如実に描写しています。
エリヤの勧告は特に次のような人たちに与えられたものでした。(1)神とバアルの間で迷っている人たち。(2)教会に心地よい居場所と妥協的な説教を求める人たち。(3)人の罪を指摘し、魂を救う福音の力ではなく、社会的な地位と資格をキリスト教の中に求める人たち。(4)真理と虚偽、道徳的な潔白さと人間としての最低限の要求、十字架の苦しみとこの世の利益の間を行き来している人たち。このような人たちに対して、預言者エリヤは次のように呼びかけています。「あなたたちは、いつまでどっちつかずに迷っているのか。もし主が神であるなら、主に従え。もしバアルが神であるなら、バアルに従え」(列王上18:21)。
預言者エリヤはたったひとりで450 人のバアルの預言者たちと対決しました。しかし、神の真理に献身したひとりの人間は、いかなる悪の勢力にも対抗することができます。エリヤはこのことを知っていました。彼はまた、自分が神の命令に従っていることを知っていました。ここに、善悪の戦いにおいて孤軍奮闘する十字架の戦士の強みがあります。神の力によってなされる働きは、すなわち神ご自身によってなされる働きです。
◆ もういちど次の聖句を読んでください。「あなたたちは、いつまでどっちつかずに迷っているのかもし主が神であるなら、主に従え。もしバアルが神であるなら、バアルに従え」(列王上18:21)。「どっちつかずに迷う」という動詞に注目してください。この言葉は当時の状況を適切に表しています。人が二つの立場の間で迷うのは当然です。そういう弱さをエリヤ自身が持っていたのではないでしょうか。しかし決然と主の側に立った預言者に私たちは迷いを振り切る力を見ます。
今週(#21~#25、テーマ:「勝利と敗北」)登場した人物は神に選ばれた人々ではありましたが、その歩みの中で敗北と勝利を経験しています。私達のクリスチャンの歩みも敗北と勝利が織り交じっているのではないでしょうか。キリストの恵みによってのみ、勝利者として認められるのです。ヘブライ人への手紙11 章にある信仰の英雄のリストの中にこれらの人々は勝利者として描かれています。キリストの恵みにより、パウロと同じように「神は、わたし達をいつもキリストの勝利の行進に連ならせ」(Ⅱコリント2:14)と宣言できるのです。「時々」とか「たまに」ではありません。「いつも」です。
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*本記事は、聖書研究ガイド2002年第1期『キリストとサタンの大争闘』からの抜粋です。