聖書に帰れ【大争闘と教会】#60

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暗黒時代といわれた中世においては、聖書研究は修道院の修道士だけに限られていて、一般の信徒が聖書を持つことは禁じられていました。しかしながら、イギリス人のジョン・ウィクリフが聖書を自国語に翻訳するに及んで、強力な改革の気運が高まりました。「同胞の手に聖書を与えることによって、彼は、無知と悪徳のかせを破壊して自国を解放し高めるうえで、戦場におけるどんな輝かしい勝利がもたらしたものよりも、さらに大いなることを成し遂げたのである」(『各時代の大争闘』上巻95 ページ)。

ドイツにおいては、マルティン・ルターが、長い間ローマ教会によって無視されていた、(1)聖書、しかも聖書のみ、(2)義人は信仰によって生きる、という二つの重要な聖書の真理を宣べ伝えることによって、背教を厳しく糾弾しました。

ルターがおもにローマ書とガラテヤ書の研究にもとづいて信仰による義の教理を明らかにするまでは、ローマ教会は、人がさまざまな業によって救いを得ることができると教えていました。かつての使徒たちと同じように、ルターは命をかけて、免罪符をはじめとする誤った教えを非難し、人々にただイエスの義を信じることによって救いの喜びにあずかるように教えました。カルヴァン、ツヴィングリ、メランヒトン、ウェスレーといった改革者たちも、ほかの聖書の真理を回復するうえで大いに貢献しました。こうして、新たに出現したプロテスタント教会は、煉獄、免罪符、実体変化(聖餐のパンとぶどう酒が実際にキリストの体と血になるという教え)、死者のための祈りなどの誤りを拒否するようになりました。

しかしながら、安息日(出エ20:8~11)、死者の状態(詩115:7、コヘ9:5、6、10)、イエスの大祭司職(ヘブ8:1 ~ 6、9:11~15)などの真理は、宗教改革によって回復されたものではありません。これらの真理が復興されるのは、後のミラー運動(1839~ 1844)から発展するセブンスデー・アドベンチスト教会の働きによってでした。 「永遠の福音」を述べ伝える神の民はその福音を具現化している民です。「永遠の福音」が私達の使命の本質であり、私達の教会の存在理由そのものなのです。

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*本記事は、聖書研究ガイド2002年第1期『キリストとサタンの大争闘』からの抜粋です。

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