キリスト教の葬儀を解説!流れ、マナー、服装、香典など

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この記事はこんな人におすすめ!
・キリスト教の葬儀に参列することになった
・キリスト教の葬儀について知りたい
・葬儀のマナーについて知りたい

香典の代わりにお花料を渡したり、焼香の代わりに献花をしたりと、日本ではなじみのないキリスト教の葬儀。

この記事では、プロテスタントのキリスト教の葬儀の流れやマナーを紹介します。

目次

キリスト教の葬儀で耳にする「御花料」とは?

白い花のイメージ

香典と御花料の違いとは?

弔慰金の表書きとして、キリスト教では「香典」や「御霊前」ではなく、「御花料」が用いられます。

そのため「御花料」は、仏教式の葬儀での「香典」と同じような意味合いです。

ちなみに、「お花代」は「祭壇にお供えする生花の代金」という意味で、「御花料」とは意味が異なります。

キリスト教の葬儀での香典袋

「御花料」と記載されている十字架や百合が描かれたキリスト教の不祝儀袋を購入しましょう。

一般的な大きい書店には必ずありますが、どうしても見つからない場合は、白無地の封筒やのし袋でも問題ありません

お花料の表書きや名前の書き方、相場は?

表書きは薄墨の筆ペンで「御花料」と書きます。表書きを「御花料」にしておけば、教派に関係なく使用できます

その他、裏書きの書き方などは仏式と同様です。

相場は、3,000円から10,000円となり、故人との付き合いの深さによって変わります。

キリスト教式の葬儀・告別式の流れ

一般的なプロテスタントの葬儀・告別式の流れ

キリスト教と言っても、大きく分けてカトリック、プロテスタント、正教会とあり、さらにプロテスタントの中でもいくつかの教派に分かれているため、それぞれの教会によって異なります。

葬儀はキリスト教の礼拝形式に沿って行われますが、多くの場合、馴染みのない方が来られていることを想定して進行されるため、心配はありません。

ここでは、一般的なプロテスタント教会の葬儀の流れを紹介します。

プロテスタントの葬儀の全体の流れ
  1. 納棺式:故人を棺に納める式
  2. 前夜式:故人を偲ぶと共に、キリスト教のメッセージを伝える式
  3. 葬儀・告別式:前夜式と同様、故人を偲び、キリスト教のメッセージを伝える式で、葬儀にあたる式
  4. 火葬前式:火葬前に祈る式
  5. 納骨式:後日、墓地にて故人の遺骨を納める式
葬儀・告別式の式次第
  1. 奏楽
  2. 聖書朗読
  3. 賛美歌
  4. 祈祷
  5. 個人略歴紹介
  6. 式辞
  7. 弔電披露
  8. 弔辞
  9. 賛美歌
  10. 終祷
  11. 献花
  12. 出棺
葬儀のイメージ画像

お通夜はあるの?

日本の習慣ではお通夜がありますが、キリスト教文化の中にはありません。

しかし、日本のキリスト教会の中には、慣習に則り、お通夜に当たる式を行う場合があり、「前夜式」と呼ばれます。

ただ仏教式のように、多くの人を呼んだり、通夜振る舞いしたりなどの慣習はありません。

キリスト教だと、火葬になるの?土葬になるの?

伝統的にキリスト教は土葬が推奨されていると、一般的には考えられています。この背景には、肉体を持って復活するというキリスト教の価値観が関係していました。

この問題について、プロテスタントは柔軟で本人や家族の判断に任せています。

埋葬についての明確な聖書の教えがあるわけではなく、また完全な肉体に再創造されて復活すると信じているため、故人の扱い方によって何かが変わるとは考えていないからです。

加えて、日本のように火葬が一般的な国や地域もあり、その場合は行政の指示に従う必要があります。

また、近年ではカトリック教会も火葬を受け入れています。

キリスト教葬儀に参列する際のマナーと注意点

キリスト教の葬儀での献花

焼香の代わりに、キリスト教では「献花」があります。

焼香ほど、細かいマナーがあるわけではありませんので、案内と流れに沿っていけば、問題ありません。

大まかな流れとしては、花を受け取り、献花台まで進み、花が手前にくるように置き、黙祷か一礼をする、というものになります。

献花の流れ
  1. 両手で花を受け取った後、献花台に進む
  2. 花を自分に向け、献花台に置く
  3. 黙祷をする
  4. 横にいる遺族に挨拶をして戻る

お祈りへの参加

葬儀は礼拝形式で行われるため、お祈りや讃美歌などがあります。

葬儀の中で行われるお祈りは、前に立つ司会者や牧師が代表で祈ることがほとんどです。

一般的なプロテスタントのキリスト教会では、お祈りの姿勢は、手を組み、目を閉じ、頭を垂れる、黙祷の姿勢になります。

そのため、お祈りには黙祷の姿勢で参加すれば、問題ありません。

お祈りのイメージ画像

讃美歌への参加

賛美歌は、その名のとおり、神を讃える歌のことです。

初めてキリスト教会での葬儀に参列する人にとっては、「知らないので歌えない」と不安になるところではないでしょうか。

葬儀で歌われる讃美歌は、初めてきた人でも聞き馴染みのある「いつくしみ深き」などの有名な讃美歌であることが多いですが、故人が好きだった愛唱讃美歌なども歌われるため、マイナーな讃美歌を歌うこともあります。

多くの場合、式次第に歌詞が記載されており、またメロディーも歌いやすいものであるため、歌えそうであれば周りに合わせて歌ってみるのも良いでしょう。

もし歌えなかったとしても、失礼にはなりません。キリスト教式の葬儀がマイナーであり、慣れていない人が多く参列することは、信者の人たちもよく理解しているところですので、気にされる方はいないでしょう。

服装について

仏教の葬儀と同じ服装で問題ありません。男性であれば、喪服やダークスーツ、女性は黒のスーツやワンピースなどです。

ただ、キリスト教の葬儀では数珠は必要ありません

また逆に、聖書や讃美歌、十字架なども必要ありません。多くの場合は、式次第に朗読される聖書箇所や歌われる讃美歌の歌詞などが記載されています。

お悔やみの言葉と弔電の例

お悔やみの言葉や弔電では、キリスト教の価値観と合わない言葉を使わないようにする必要があります。

たとえば、キリスト教では死んでも復活する希望があると考えているため、「永眠」などは使いません。また、「供養」「成仏」「冥福」などは仏教用語になります。

また「昇天」や「召天」は、死者がすぐ天国に行くという価値観に基づく言葉ですが、教派によっては受け入れていないため、使わないほうが良い時もあります。「神の御許に召された」というのも、同様の文言です。

教派の違いによって使わない言葉では、「ミサ」もプロテスタントでは使いません。

お悔やみの言葉は特になく、「神さまからの平安がありますようにお祈りいたします」などの慰めの言葉が信者の間ではよく使われます。

ただ、信者でない方はかしこまらず、単に「お祈りしています」などでも問題ありません。

インターネット上の弔電の例では、「主の聖名を讃美いたします」や「主の慰めと平安とをお祈りいたします」などの文例が紹介されていますが、基本的に信者の間で使われる言い回しですので、それ以外の人が使うと違和感が強くなります。

キリスト教らしい用語を入れなくても、失礼にはなりません。むしろ、無理に使わないほうが良いでしょう。

弔電の文例ですが、たとえば以下のような表現であれば宗教問わず、使うことができます。

キリスト教の弔電の文例

○○様のご逝去の報に接し、ご家族様のご心情いかばかりかとお察しいたし、衷心より哀悼の意を表します。

○○様の訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します。ご家族の上にお慰めがありますよう心からお祈りいたします。

キリスト教徒の身内が亡くなった後、どうすればいいの?

牧師のイメージ画像

どこに連絡をすればいいのか?

所属していた教会がわかる場合は、その教会に連絡してくださると嬉しいです。平日は牧師や責任者が不在で連絡がつかない場合もありますが、土日など教会が活動している時であれば、連絡がつくでしょう。

葬儀は、故人とご家族の意思が尊重されるところです。

そのため、教会に所属していたので、必ず教会で葬儀をし、教会のお墓に入れなければならないというわけではありません。また、仏教の檀家のような制度もありません。

逆に、教会で葬儀をしたいという場合は、教会側が馴染みの葬儀業者を紹介したり、手配や受付などのサポートをしてくれます。

また現在では、教会でも家族葬が増えてきており、ケースバイケースになってきていて、それぞれの状況に合わせて柔軟に対応しています。

牧師へのお礼は?

司式や司会をした牧師へのお礼(お布施)は不要です。

そのかわりに、教会ごとに冠婚葬祭に関する規定があり、会場使用料などを定めていて、告別式のみの場合の相場は12万円程度になります。

キリスト教の法事は?49日や一周忌はあるの?

49日や一周忌のような宗教行事はありませんが、日本の教会によっては故人を悼むプログラムを希望に合わせて持っている場合があります。

キリスト教では死後どうなると教えているの?

死とは

死は眠りであると聖書は、はっきりと述べています。死とは、深い眠りに落ちているような状態で、無意識の状態なのです。

死者はもう何ひとつ知らない。彼らはもう報いを受けることもなく/彼らの名は忘れられる。その愛も憎しみも、情熱も、既に消えうせ/太陽の下に起こることのどれひとつにも/もう何のかかわりもない。

コヘレトの言葉9章6節
墓地の画像

復活とは

聖書がいう復活とは、文字どおり肉体を持って復活することを指しています。

この復活が、キリストが目に見える形で来られる再臨のときに起こるのです。

死後、人々はゆうれいのようにただようわけでも、すぐに天国へ行くわけでもありません。人々は眠りにつき、再臨のときに起こされるのです。

もし、すぐに天国へ行ってしまうのであれば、人々は愛する人がそこに来るまで待たなければなりません。もしかすると、愛する人が泣いている姿を目にするかもしれません。

そこは本当に天国でしょうか? 

すべての人が一緒に天国に行くと聖書は約束しています。

死は眠りです。疲れ果てた人が深い眠りに入るように、苦しみも悲しみもなく、眠りにつきます。

まるでそれは、労苦が多かったこの地上での生涯を見て、「お疲れさま、安心して眠りなさい」とキリストが言われているようです。

まとめ

日本ではなじみのないキリスト教の葬儀ですが、多くの場合、馴染みのない方が来られていることを想定して進行されるため、心配はありません。

クリスチャンにとって死は眠りであり、永遠の別れではありません。しばしの休息に入っているだけで、再会の希望があるのです。

兄弟たち、既に眠りについた人たちについては、希望を持たないほかの人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい。イエスが死んで復活されたと、わたしたちは信じています。神は同じように、イエスを信じて眠りについた人たちをも、イエスと一緒に導き出してくださいます。

テサロニケの信徒への手紙一4章14節

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