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この記事はこんな人におすすめ!
・ざっくりヨハネの黙示録の内容を知りたい
・カンタンにヨハネの黙示録を学びたい
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聖書の最後の書簡であるヨハネの黙示録、その内容は読んでみてもよくわからないのではないでしょうか?
この記事では、ヨハネの黙示録をざっくり解説します!
ヨハネの黙示録とは?
ヨハネの黙示録の目的
ヨハネの黙示録は、使徒ヨハネが幻の中で神から見聞きしたことをまとめたものです。
また、これが与えられた目的は未来を伝えるためです(ヨハネの黙示録1章1節)。
ヨハネの黙示録の内容のあらすじ
ヨハネの黙示録は次の5つの部分に分けられますが、今回は特に1ー11章を見ていきたいと思います。
- 善と悪の戦い【1―11章】
- 7つの教会(1―3章)
- 7つの刻印 (4―7章)
- 7つのラッパ(8―11章)
- 悪の勢力の背景【12―13章】
- キリストとサタンの戦い(12章)
- 獣の正体(13章)
- 世界に向かっての最後のメッセージ【14章】
- 悪の勢力の滅亡【15―20章】
- 七つの災い(15―16章)
- 獣とバビロンの滅亡(17―19章)
- サタンの滅亡(20章)
- 善と悪の戦いの終わり−天国【21―22章】
7つの教会とは?その意味は?
エフェソ、スミルナ、ペルガモン、ティアティラ、サルディス、フィラデルフィア、ラオディキアの七つの教会に、ヨハネは黙示録を送りました。
これが黙示録に出てくる七つの教会で、ヨハネの黙示録の2―3章に出てきます。
7つの教会のメッセージの意味は、3つに適用できます。
歴史的適用
これらのメッセージは、1世紀に存在した7つの教会に向けて送られています。そこにいたクリスチャンたちは、迫害のなかで生きており、試練に直面していました。
7つの教会のメッセージはそんな彼らを助けるためのメッセージでもあります。
普遍的適用
1世紀のクリスチャンたちの信仰は、現在のクリスチャンにも関係するものでもあります。
そのため、このメッセージは現在のクリスチャンや教会に当てはめて、教訓として学ぶことができます。
預言的適用
ヨハネの黙示録の目的は、未来を伝えるためです。
そのため、この7つの教会にも預言的な意味を持っています。
7つの教会の状態は、これまでのキリスト教の歴史とそれぞれの時代における教会の状態をあらわしています。
7つの教会は、1世紀から世の終わりまでの教会の状態をあらわしているのです。
7つの封印と四騎士
四騎士の意味とは?
ヨハネの黙示録に登場する四騎士は、7つの封印の幻の中に登場しています。
7つの封印も、7つの教会と同様に、1世紀から世の終わりまでの各時代の出来事を明らかにしていると考えられます。
7つの封印 | 7つの教会 | それぞれの時代 |
---|---|---|
第1の封印 | エフェソ | 初代教会(31―100) |
第2の封印 | スミルナ | 迫害時代(100―313) |
第3の封印 | ペルガモン | 世俗化(313―538) |
第4の封印 | ティアティラ | 暗黒時代(538―1517) |
第5の封印 | サルディス | 宗教改革(1517―1798) |
第6の封印 | フィラデルフィア ラオディキア | リバイバル(1798―1844) 終末時代(1844―) |
白い馬とエフェソ教会【初代教会の時代】
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ヨハネの黙示録2章1ー7節(7つの教会ーエフェソ教会)
2:1エペソにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『右の手に七つの星を持つ者、七つの金の燭台の間を歩く者が、次のように言われる。 2:2わたしは、あなたのわざと労苦と忍耐とを知っている。また、あなたが、悪い者たちをゆるしておくことができず、使徒と自称してはいるが、その実、使徒でない者たちをためしてみて、にせ者であると見抜いたことも、知っている。 2:3あなたは忍耐をし続け、わたしの名のために忍びとおして、弱り果てることがなかった。 2:4しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。2:5そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めのわざを行いなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたしはあなたのところにきて、あなたの燭台をその場所から取りのけよう。 2:6しかし、こういうことはある、あなたはニコライ宗の人々のわざを憎んでおり、わたしもそれを憎んでいる。 2:7耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べることをゆるそう』。
ヨハネの黙示録6章1節(7つの封印ー第1の封印)
6:1小羊がその七つの封印の一つを解いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「きたれ」と呼ぶのを聞いた。 6:2そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。
白い馬の特徴
ヨハネの黙示録の中で、白い色[1]は純潔さと勝利をあらわします。
また、この聖句に出てくる「冠(原語ではステファノス)」は「勝利の冠」という意味を持っており、この冠[2]も勝利の象徴です。
旧約聖書においては、弓を持ち、馬にまたがり、敵を征服する者として神は描かれています(詩篇45篇4―5節、ハバクク書3章8―13節)。また当時、ローマの将軍は白い馬にまたがり、勝利を祝っていました。
ヨハネの黙示録19章11―16節には、白い馬に乗り、天の軍勢を率いるキリストが登場します。
そのため、この白い馬はキリスト教の興りからその広がり、つまり福音が宣べ伝えられる様子を象徴しています。
エフェソ教会の特徴
エフェソの教会の信者は、健全な信仰を持っており、偽りの教え(異端)に惑わされることはありませんでした。
ところが、「初めの愛から離れて」しまいましたのです(ヨハネの黙示録2章4節)。
初めの情熱と神への愛が冷え、また戒律主義(律法主義)的になりました。
初代教会の時代(31―100年)とは?
この時代の信徒は、キリストが伝えたメッセージ(福音)を愛し、忠実に生きていました。
しかし、ヨハネが黙示録を書いた頃には、すでに初めの信仰と愛を失いかけており、そのメッセージの本質が失われようとしていました。
赤い馬とスミルナ教会【迫害下の教会】
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ヨハネの黙示録2章8節(7つの教会ースミルナ)
2:8スミルナにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『初めであり、終りである者、死んだことはあるが生き返った者が、次のように言われる。 2:9わたしは、あなたの苦難や、貧しさを知っている(しかし実際は、あなたは富んでいるのだ)。また、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくてサタンの会堂に属する者たちにそしられていることも、わたしは知っている。 2:10あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。 2:11耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者は、第二の死によって滅ぼされることはない』。
ヨハネの黙示録6章3-4節(7つの封印ー第2の封印)
6:3小羊が第二の封印を解いた時、第二の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。 6:4すると今度は、赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々が互に殺し合うようになるために、地上から平和を奪い取ることを許され、また、大きなつるぎを与えられた。
赤い馬の特徴
赤は堕落や迫害を象徴します[3]。また、「地上から平和を奪い取る」大きな剣が与えられますが(ヨハネの黙示録6章4節)、これはクリスチャンを迫害するための権力をあらわしています。
スミルナ教会の特徴
スミルナの町は皇帝崇拝の中心地で、皇帝礼拝に参加した証明書がないと、職に就けず、また迫害や死に直面することになりました。
スミルナは「没薬」という意味で、没薬はつぶすと、さらに香りを放つ香料です。
同様に、スミルナの教会は激しい迫害を受けましたが、迫害を受ければ受けるほど、その福音は広まっていったのでした。
この時代の代表的な迫害者は、皇帝ディオクレティアヌス(在位284―305)です。
「あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう」とありますが(ヨハネの黙示録2章10節)、聖書の預言の中では1日を1年と考えるため[4]、10年間の迫害の預言と考えられます。
これはディオクレティアヌスによって始められ、ガレリウスのもとで続けられた、303年から313年までの迫害の預言です。
迫害の時代(100―313年)とは?
この時代は100年頃から、313年にコンスタンティヌスがキリスト教を公認するミラノ勅令を出すまでです。教会が異端と迫害、世俗との妥協に苦しんだ時代でした。
黒い馬とペルガモン教会【世俗化の始まり】
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ヨハネの黙示録2章8節(7つの教会ーペルガモン)
2:12ペルガモにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『鋭いもろ刃のつるぎを持っているかたが、次のように言われる。 2:13わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。 2:14しかし、あなたに対して責むべきことが、少しばかりある。あなたがたの中には、現にバラムの教を奉じている者がある。バラムは、バラクに教え込み、イスラエルの子らの前に、つまずきになるものを置かせて、偶像にささげたものを食べさせ、また不品行をさせたのである。 2:15同じように、あなたがたの中には、ニコライ宗の教を奉じている者もいる。 2:16だから、悔い改めなさい。そうしないと、わたしはすぐにあなたのところに行き、わたしの口のつるぎをもって彼らと戦おう。 2:17耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。この石の上には、これを受ける者のほかだれも知らない新しい名が書いてある』。
ヨハネの黙示録6章5−6節(7つの封印ー第3の封印)
6:5また、第三の封印を解いた時、第三の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。 6:6すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。
黒い馬の特徴
黒い馬に乗った騎士は、食物をはかる秤を持っています。
当時、ヨハネがいた地域では、穀物、オリーブ油、ぶどう酒は主要な産物でした。
「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ」とは、深刻な飢饉であることをあらわしています。
一デナリは一日分の賃金で、一ますの小麦は一人が一日食する分の量でした。
そのため、この飢饉は、実際の飢饉ではなく、キリスト教界における霊的な飢饉のことを指しているのです(アモス書8章11節)。
これは、この時代の聖職者たちが、聖書の解釈や儀式を司る権限を主張したために、聖書を読むことが人々にとって難しくなったことをあらわしています。
ペルガモン教会の特徴
ペルガモンの教会の信徒は、「サタンの座がある」と言われるような環境の中で生きていました(ヨハネの黙示録2章12節)。
その中で、忠実な人々もいましたが、「バラムの教え」と「ニコライ宗の教」に影響された人々も出てきました(ヨハネの黙示録2章14―15節)。
これは世俗への妥協と、異端の教えを象徴していると考えられています[6]。
世俗化の時代(313―538年)とは?
コンスタンティヌス帝は313年にミラノ勅令を出してキリスト教を認めましたが、同時にローマ帝国内にあったさまざまな宗教とキリスト教徒の調和を図ります。
これにより、哲学や異なる価値観が教えに入ってくるようになり、教会も妥協するようになり、また聖職者の影響力がより増すことになっていきました。
青白い馬とティアティラ教会【背教・暗黒時代】
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ヨハネの黙示録2章8節(7つの教会ーティアティラ)
2:18テアテラにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『燃える炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足とを持った神の子が、次のように言われる。 2:19わたしは、あなたのわざと、あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐とを知っている。また、あなたの後のわざが、初めのよりもまさっていることを知っている。 2:20しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは、あのイゼベルという女を、そのなすがままにさせている。この女は女預言者と自称し、わたしの僕たちを教え、惑わして、不品行をさせ、偶像にささげたものを食べさせている。 2:21わたしは、この女に悔い改めるおりを与えたが、悔い改めてその不品行をやめようとはしない。 2:22見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。この女と姦淫する者をも、悔い改めて彼女のわざから離れなければ、大きな患難の中に投げ入れる。 2:23また、この女の子供たちをも打ち殺そう。こうしてすべての教会は、わたしが人の心の奥底までも探り知る者であることを悟るであろう。そしてわたしは、あなたがたひとりびとりのわざに応じて報いよう。 2:24また、テアテラにいるほかの人たちで、まだあの女の教を受けておらず、サタンの、いわゆる「深み」を知らないあなたがたに言う。わたしは別にほかの重荷を、あなたがたに負わせることはしない。 2:25ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。 2:26勝利を得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国民を支配する権威を授ける。 2:27彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治めるであろう。それは、わたし自身が父から権威を受けて治めるのと同様である。 2:28わたしはまた、彼に明けの明星を与える。 2:29耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。
ヨハネの黙示録6章5−6節(7つの封印ー第4の封印)
6:7小羊が第四の封印を解いた時、第四の生き物が「きたれ」と言う声を、わたしは聞いた。 6:8そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は「死」と言い、それに黄泉が従っていた。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、つるぎと、ききんと、死と、地の獣らとによって人を殺す権威とが、与えられた。
青白い馬の特徴
新約聖書は元々、ギリシャ語で書かれましたが、「青白い」をあらわすギリシャ語は「クロロス」で、崩れていく死体の灰色を意味する言葉です。
また、騎士の名も「死」で、「陰府」を従えています。
第3の封印で出てきた黒い馬の騎士は、霊的飢饉と世俗化をあらわしていましたが、第4の封印で出てくるこの青白い馬と騎士は、霊的な死をあらわしています。
つまり、キリストの本来の教えと精神が死んでいた時代であることをあらわしているのです。
ティアティラ教会の特徴
この教会では、「イゼベル」で象徴される勢力が、預言者を自称し、教え、惑わし、本来の信仰から人々を引き離すことが起こりました。
「イゼベル」は不道徳、偶像崇拝、背教を連想させます[7]。
ティアティラの教会に象徴された、この時代にはさまざまな異なる教えと風習が教会内に入り込んできたのです。
暗黒時代(538―1517年)とは?
第4の封印の時代つまりティアティラの教会で象徴された時代は、教皇制度が腐敗していった時代を指します。この時代のことを後の歴史家たちは、「暗黒時代」と呼んでいます。
第5の封印とサルディス教会【宗教改革】
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ヨハネの黙示録2章8節(7つの教会ーサルディス)
3:1サルデスにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『神の七つの霊と七つの星とを持つかたが、次のように言われる。わたしはあなたのわざを知っている。すなわち、あなたは、生きているというのは名だけで、実は死んでいる。 3:2目をさましていて、死にかけている残りの者たちを力づけなさい。わたしは、あなたのわざが、わたしの神のみまえに完全であるとは見ていない。 3:3だから、あなたが、どのようにして受けたか、また聞いたかを思い起して、それを守りとおし、かつ悔い改めなさい。もし目をさましていないなら、わたしは盗人のように来るであろう。どんな時にあなたのところに来るか、あなたには決してわからない。 3:4しかし、サルデスにはその衣を汚さない人が、数人いる。彼らは白い衣を着て、わたしと共に歩みを続けるであろう。彼らは、それにふさわしい者である。 3:5勝利を得る者は、このように白い衣を着せられるのである。わたしは、その名をいのちの書から消すようなことを、決してしない。また、わたしの父と御使たちの前で、その名を言いあらわそう。 3:6耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。
ヨハネの黙示録6章5−6節(7つの封印ー第5の封印)
6:9小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。 6:10彼らは大声で叫んで言った、「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。 6:11すると、彼らのひとりびとりに白い衣が与えられ、それから、「彼らと同じく殺されようとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように」と言い渡された。
第5の封印の特徴
第5の封印が解かれた時には、馬や騎士は登場せず、代わりに迫害下で殉教した人々が神に裁きを求める姿が描かれています。
この時代は、宗教改革の時代に当たります。
サルディス教会の特徴
「あなたは、生きているのは名ばかりで、実は死んでいる」(ヨハネの黙示録3章2節)。これは、この当時の教会が、形式張って実質を伴わない状態で、信仰は失われていたことを意味します。
宗教改革の時代(1517―1798年)とは?
ルターから始まった宗教改革から100年も経たないうちに、プロテスタント教会は、形式主義や教理の論争に巻き込まれ、その熱を忘れていきました。
第6の封印とフィラデルフィア・ラオディキア【終末時代】
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ヨハネの黙示録2章8節(7つの教会ーフィラデルフィア・ラオディキア)
3:7ヒラデルヒヤにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『聖なる者、まことなる者、ダビデのかぎを持つ者、開けばだれにも閉じられることがなく、閉じればだれにも開かれることのない者が、次のように言われる。 3:8わたしは、あなたのわざを知っている。見よ、わたしは、あなたの前に、だれも閉じることのできない門を開いておいた。なぜなら、あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず、わたしの言葉を守り、わたしの名を否まなかったからである。 3:9見よ、サタンの会堂に属する者、すなわち、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくて、偽る者たちに、こうしよう。見よ、彼らがあなたの足もとにきて平伏するようにし、そして、わたしがあなたを愛していることを、彼らに知らせよう。 3:10忍耐についてのわたしの言葉をあなたが守ったから、わたしも、地上に住む者たちをためすために、全世界に臨もうとしている試錬の時に、あなたを防ぎ守ろう。 3:11わたしは、すぐに来る。あなたの冠がだれにも奪われないように、自分の持っているものを堅く守っていなさい。 3:12勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、天とわたしの神のみもとから下ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書きつけよう。 3:13耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。
3:14ラオデキヤにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『アァメンたる者、忠実な、まことの証人、神に造られたものの根源であるかたが、次のように言われる。 3:15わたしはあなたのわざを知っている。あなたは冷たくもなく、熱くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。 3:16このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あなたを口から吐き出そう。 3:17あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、なんの不自由もないと言っているが、実は、あなた自身がみじめな者、あわれむべき者、貧しい者、目の見えない者、裸な者であることに気がついていない。 3:18そこで、あなたに勧める。富む者となるために、わたしから火で精錬された金を買い、また、あなたの裸の恥をさらさないため身に着けるように、白い衣を買いなさい。また、見えるようになるため、目にぬる目薬を買いなさい。 3:19すべてわたしの愛している者を、わたしはしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって悔い改めなさい。 3:20見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。 3:21勝利を得る者には、わたしと共にわたしの座につかせよう。それはちょうど、わたしが勝利を得てわたしの父と共にその御座についたのと同様である。 3:22耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』」。
ヨハネの黙示録6章12−17節(7つの封印ー第6の封印)
6:12小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、 6:13天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。 6:14天は巻物が巻かれるように消えていき、すべての山と島とはその場所から移されてしまった。 6:15地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自由人らはみな、ほら穴や山の岩かげに、身をかくした。 6:16そして、山と岩とにむかって言った、「さあ、われわれをおおって、御座にいますかたの御顔と小羊の怒りとから、かくまってくれ。 6:17御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。だれが、その前に立つことができようか」。
第6の封印の特徴
第6の封印は、再臨の直前の時代をあらわしています。
第6の封印に出てくる大地震や天体の異変は、マタイによる福音書24章29節でも、再臨(キリストが地上に再び臨む時)の前兆として出てきます。
その時に起る患難の後、たちまち日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。
マタイによる福音書24章29節
この第6の封印の出来事は、実際に起こる出来事です。たとえば大地震は、1755年11月1日にポルトガルのリスボンで発生して6万人の死傷者を出したリスボン大地震であり、たちまち日が暗くなる事件は、1780年5月19日に米国東北部で起こった「暗黒日」として、また星が空から落ちる事件は、1833年獅子座で大量の流星が発生した事件として解釈します。
フィラデルフィア教会の特徴は?リバイバルの時代(1798―1844年)とは?
フィラデルフィアの教会は、18―19世紀のキリスト教の状況を象徴しています。この時代にプロテスタントによるリバイバル運動が欧米を中心として広がっていきました。
このリバイバルは1844年に最高潮を迎えます。
また、その様子が「だれも閉じることのできない門を開いておいた」という表現であらわれています。
この「門」は、伝道の機会を象徴しています[8]。
ラオディキア教会の特徴は?終末時代(1844年―)とは?
ラオディキアの状態は、信仰的に「熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるい」と言われています(ヨハネの黙示録3章16節)。
終末時代に生きるクリスチャンは、キリストが再び戻るその日が近いにも関わらず、「なまぬるい」状態にあります。
それに対して、キリストは「熱心になって悔い改めなさい」(ヨハネの黙示録3章19節)と言われています。
14万4千人とは?
14万4千人とは、再臨の時まで生き残る神を信じる神の民です。
7:1この後、わたしは四人の御使が地の四すみに立っているのを見た。彼らは地の四方の風をひき止めて、地にも海にもすべての木にも、吹きつけないようにしていた。
7:2また、もうひとりの御使が、生ける神の印を持って、日の出る方から上って来るのを見た。彼は地と海とをそこなう権威を授かっている四人の御使にむかって、大声で叫んで言った、
7:3「わたしたちの神の僕らの額に、わたしたちが印をおしてしまうまでは、地と海と木とをそこなってはならない」。
7:4わたしは印をおされた者の数を聞いたが、イスラエルの子らのすべての部族のうち、印をおされた者は十四万四千人であった。
ヨハネの黙示録7章1―3節
ここでは「地の四方の風」を押さえる天使が出てきます(ヨハネの黙示録7章1節)。
「地の四すみ」とは、東西南北の四方を指す表現で、「風」は神が裁きの時に用いる力を象徴しています[9]。
つまり、ここで地球全域にわたる神の裁きを抑えている光景が出てきているのです。
そして、神の僕ら(神を信じる者)に「印を押すまで」、最後の裁きは抑えられるのです。
古代において、印を押すということには多くの意味がありました。中身の正当性を立証するために、あるいは改ざんから守るために印が押されます。しかし基本的な印を押す意味は、所有権ということです。……パウロによると、印を押す意味は、キリストによって救われた者は神に所有されるということを表しています<Ⅱテモテ2:19>。……新約聖書において、印を押されるというのは、神の忠実な民として認められるということです<ヨハネの黙示録14章1節>。
14万4000人とありますが、これは字義通りの数ではなく、象徴です。
(12×12)×1000で、14万4000となりますが、聖書において12はイスラエルの12部族や12使徒を連想し、教会の象徴と考えられるため、14万4000は神の民を象徴しています。
また古代イスラエルは、各部族に1000人からなる部隊を12部隊持っていました。さらにそれが、12部族あるので、総兵力は14万4000人でした(民数記31章3―6節、サムエル記上8章12節、22章7節)。
そのため、14万4千人は霊的な戦いを戦い、勝利していく教会を象徴しています。
7つのラッパ
7つのラッパの預言の意味とは?
7つの教会と7つの封印は、キリスト教の歴史の重要なポイントを網羅している預言でした。
同じように、7つのラッパも同一の期間を扱っていると見るのが自然でしょう。
ダニエル書にも、2章、7章、8章、11章と同一の期間の預言が登場し、繰り返されるごとにさらに詳細になっていきました。
ヨハネの黙示録も同様に、繰り返されるごとにより詳細な預言となります。
7つの封印は主にキリスト教の歴史の預言でしたが、7つのラッパはキリスト教史を含んだ世界史全般の預言となります。
最後の三天使の使命とメッセージ
14:6わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえてきて、 14:7大声で言った、
ヨハネの黙示録14章6―7節
この使命とメッセージは、空中を飛ぶ天使によって宣べ伝えられます。
「天使」と訳されるギリシャ語「アンゲロス」は、聖書の中では使者や特別な使命を持っている人を意味することがあります。
「空中を飛ぶ」イメージは、メッセージが急速に伝えられることを想像させ、「あらゆる国民、部族、国語、民族」は全世界的な影響を意味しています。
三天使の使命は、最後の時代に神の民(神を信じる人々)によって伝えられる福音のメッセージなのです。
第一天使の使命
神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神のさばきの時がきたからである。天と地と海と水の源とを造られたかたを、伏し拝め
ヨハネの黙示録14章7節
三天使のメッセージは、「天と地と海と水の源とを造られたかた」を礼拝しなさいというメッセージです。
第二天使の使命
倒れた、大いなるバビロンは倒れた。その不品行に対する激しい怒りのぶどう酒を、あらゆる国民に飲ませた者
ヨハネの黙示録14章8節
「バビロン」は、聖書の中ではいつも神に敵対する勢力を象徴しています。
古代バビロンによってバビロン捕囚は起こったことから、クリスチャンは自分たちを迫害するローマ帝国をバビロンと呼びました(ペテロの第一の手紙5章13節)。
また「倒れた」という言葉が2回も繰り返されていますが、これは緊急性と確実性を伝えています。
「倒れた」は原語のギリシャ語の文法上は、未来過去形です。
つまり、確実に起こることであるために、すでにことが済んでいるかのように表現されているのです。
神に敵対する勢力は確実に倒されるのです。
第三天使の使命
第三天使の使命は、倒れるバビロンから出てきなさいというメッセージ(ヨハネの黙示録18章1―4節)を拒む人々を描写しています。
彼らは「昼も夜も休みが得られない」(ヨハネの黙示録14章11節)と表現されていますが、これは裁きを受けている状態というだけでなく、神に頼っていない状態とも言えるのかもしれません。
神を礼拝せず、神に頼らないものは「昼も夜も休みが得られない」のです。
最後の審判とハルマゲドン
7つの災いとは
7つの災いは、最後の時代の再臨直前に起こる神を拒んだ人々に対する裁きです。
災いは、本来、贖罪のための外的気づきを与えるものです。……しかし、この最後の災いが下る時は、既に時遅しで、最後の七つの災いは、エジプトの災いのように苛酷であり、悔い改める余地はありません。エジプトで災いが下り、パロと家臣は心を頑なにしたように、サタンの三者同盟を崇拝する者たちは災いを受けながら、神と神の民を憎むほどまでに頑迷になり、「神の御名を汚し、悔い改めて神に栄光を帰す」ことをしないのです(黙示録16:9~11)。
ハルマゲドンとは?最終戦争のこと?
7つの災いのうち、6つめの災いの描写の中で「ハルマゲドン」という言葉が出てきます。
ここに全世界の王たちが召集され、戦いになるのです(ヨハネの黙示録16章12―16節)。
この「ハルマゲドン」という言葉は、「メギドの山(ハル・メギド)」という意味です。
この場所は、全世界規模の大戦の舞台となるにはあまりにも小さい場所のため、このハルマゲドンも象徴であると考えられます。
神かバアル(異教の神)か、どちらが真の神であるかを決着つけるために、預言者エリヤがバアルの預言者たちと戦った、あのカルメル山とメギドの山は関係があります(列王記上18章21節)。
ハルマゲドンは、地球上のどこかで行われる戦争ではなく、キリストとサタンの宇宙規模の戦いに決着をつける場面です。
善と悪の戦いのクライマックスが、ハルマゲドンなのです。
ヨハネの黙示録21章・22章に描かれる天国
21:1わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった。 21:2また、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意をととのえて、神のもとを出て、天から下って来るのを見た。 21:3また、御座から大きな声が叫ぶのを聞いた、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、 21:4人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。
ヨハネの黙示録21章1―4節
「先の天と地」である今の地球から、「新しい天と地」である天国へとこの地上が生まれ変わる場面が描かれています。
そのとき、天から声が聞こえています。その声は「神と人が共にいる」ことを4回も強調しています。
天国と救いは、「神と人が共にいる」ことです。
善と悪の戦いは終わり、神と人が共にいることができるので、天国となり、死も悲しみも叫びも痛みもなくなるのです。
まとめ
ヨハネの黙示録は、使徒ヨハネが幻の中で神から見聞きしたことをまとめたもので、未来を伝えるために与えられました。
ヨハネの黙示録は次の5つの部分に分けられ、善と悪の戦いの歴史から悪の滅亡、そして天国を描いています。
- 善と悪の戦い【1―11章】
- 悪の勢力の背景【12―13章】
- 世界に向かっての最後のメッセージ【14章】
- 悪の勢力の滅亡【15―20章】
- 悪の勢力の背景【12―13章】
- 善と悪の戦いの終わり−天国【21―22章】
この中で、ヨハネの黙示録の構造的に一番強調されているのが、14章の三天使のメッセージです。
そして、三天使のメッセージは、「天と地と海と水の源とを造られたかた」を礼拝しなさいというメッセージで、ヨハネの黙示録はそのかたであるキリストを明らかにする本なのです(ヨハネの黙示録1章1節)。
書籍紹介
ヨハネの黙示録を学びたいが、「自分一人で学ぶには大変」「黙示録=難しい、というイメージがどうしても払拭できない」そんなあなたにオススメします!
わかりやすく、また初めて学ぶ人のために可能な限り平易な言い回しを用いて解説しています。
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黙示録の象徴とその意味の一覧
[1] 白=純潔(詩篇51:7、イザヤ1:18)
白い衣=勝利と義(イザヤ61:10、ゼカリヤ3:1~5、黙示録19:8、3:5、7:14、ガラテヤ3:27)
[2] 冠=王位、勝利(歴上20:2、列王下11:12、エゼ21:26,27、ヤコブ1:12、2テモテ4:7,8、1コリ9:25)
[3] 赤(紅)=罪、堕落(イザヤ1:18、26:21、詩篇75:8、エレミヤ46:10)
赤(紅)=迫害、破壊(エレミヤ46:10、エゼキエル32:6、ナホム2:3)
[4] 1日(日)=1年(エゼキエル4:6、民数記14:34)
[5] パン=神のみ言葉(ヨハネ6:35,51,52,63)
[6] 金棋坤「よくわかるヨハネの黙示録」福音社、35―36頁
「2世紀頃のキリスト教著述家であったイレニウスは著書『異端について』の中で、ニコライ派はアンテオケのニコライに従う群れであって、キリスト教の教理を混乱させ、放縦な生活をしていた人たちだと記しています。バラムはイスラエルを神から背かせた預言者でした。預言者の1人であったバラムは、モアブの王であったバラクの賄賂に心が惹かれ、イスラエルに呪いをかけようと試みましたが、神に許してもらえませんでした。……バラムの教えはこの世との妥協でした。したがってニコライ派の行いとバラムの教えは、神の民に罠をかけて信仰から離れさせ、滅びに至らせるものでした。」
[7] イゼベル=不道徳、偶像崇拝、背教(列王記上21:25、列王記下9:22)
[8] 門=イエス・キリスト(ヨハネ10:7,9)、伝道の機会(1コリ16:9、2コリ2:12、コロ4:3)、永遠の救いに至る門(マタイ23:13、ルカ11:52)
[9] 風=邪悪な人への裁きを行使するのに神が用いる破壊的な力(エレミヤ23:19―20、ホセア13:15)
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参考文献
金棋坤『よくわかるヨハネの黙示録』福音社
ランコ・ステファノービッチ『見よ、わたしはすぐに来る―ヨハネの黙示録』セブンスデー・アドベンチスト教団安息日学校部
ジョン・ポーリーン『ジョン・ポーリーン博士の黙示録講義 第1巻』福音社