キリスト教の生活の特徴とルール｜禁止事項・タブーをわかりやすく解説

クリスチャンになったら生活はどう変わる？

キリスト教の食事のタブーや恋愛における禁止事項など、やってはいけないことは何？

もし、クリスチャンの彼氏・彼女ができたらどうしたらいいの？

そんなキリスト教の生活やルール、禁止事項についての疑問をすべて答えます！

キリスト教の生活の特徴

モーセの十戒や隣人愛とは？

「隣人を自分のように愛しなさい」（マルコによる福音書12章31節）など、聖書の中には、さまざまな教えが書かれていますが、この>聖書の教えの土台となるものが十戒です。

十戒の後半部分を、イエス・キリストは「隣人を自分のように愛しなさい」という教え（隣人愛）にまとめました。

「姦淫するな、殺すな、盗むな、むさぼるな」、そのほかどんな掟があっても、「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉に要約されます。

ローマの信徒への手紙13章9節

この十戒を破ることを、聖書では「罪」と呼ばれていますが、これは行動だけでなく、心の中の考えまで含まれます（マタイによる福音書5章21―22節、27―28節）。

たとえば「殺してはならない」という戒めは、「自分の体を大切にする」ということを含みますし、また「バカ！」とだれかに言うことやそういう思いを持つことまで含まれるのです。

また財産や時間、自分の身体は、自分だけのものではなく、神から与えられたもので正しく管理する必要があるという価値観（スチュワードシップ）をクリスチャンは持っています。

たとえば、献金は「自分のお金を神に渡す」のではなく、「神から預かっていたお金をお返しする」という考え方です。

さらに、この価値観では、自分の持ち物を自分だけのために使うのではなく、他の人や神のために使うことが推奨されています。

しかし、クリスチャンが聖書の教えを守ろうとするのは、救われるためではなく、キリストを見倣って行動した結果です。

クリスチャンが生活で気をつけていることは、やってはいけないことというよりも、やりたくないのでしないという感覚のほうが正しいでしょう。

また、クリスチャンと言ってもさまざまで、カトリックとプロテスタントでは習慣も大きく異なりますし、同じ教派でもその人の信仰によって大きく異なり、聖書の教えやライフスタイルにこだわらない人もいます。

ただ熱心で敬虔なクリスチャンは、聖書の教えに忠実であろうとする人が多く、以下のような傾向があります。

キリスト教の礼拝日｜どのように過ごすのか？

熱心なクリスチャンは、毎週教会へ行っていますが、その日はどのように過ごしているのでしょうか？

多くのキリスト教会では、日曜日を礼拝日と定めていますが、セブンスデー・アドベンチスト教会などは土曜日を安息日（礼拝日）としています。

いずれにしても、それらの中心にあるのは「礼拝」になります。

午前中は教会の礼拝に参加し、午後は自宅で過ごすか教会のプログラムに参加するのが一般的です。

また熱心なクリスチャンの中には、この礼拝日を聖日として、世俗的な行動を避けている人もいます。たとえば、セブンスデー・アドベンチスト教会では、安息日の過ごし方として次のようなことを推奨しています¹。

• 自分自身や家族、従業員が仕事を休めるように計画する（勉強も含む）
• 買い物などを避ける
• 聖書の学びをする
• 散歩、ハイキング、サイクリング、キャンプなど、自然の中に出かける
• 病人や体調の悪い教会員、近所の人たちのお見舞いに行く
• ボランティア活動に参加する
• 聖書を題材にしたゲームや工作で遊ぶ
• 聖書に関連したコンテンツを視聴する

礼拝に関するよくある質問

キリスト教は何回お祈りしますか？

キリスト教では、明確にお祈りの回数は決まっていません。そのため、個人の信仰やライフスタイルによって大きく異なります。

一般的には、デボーションと呼ばれる朝の祈りや食前の祈りが推奨され、そのほか水曜日の祈祷会、礼拝日でお祈りをします。

また、聖書には「絶えず祈りなさい」（テサロニケの信徒への手紙一・5章17節）という教えもあり、クリスチャンは日常生活の中で心の中で祈ることが推奨されています。

礼拝での服装や持ち物は？

教会によって雰囲気も異なり、スーツや祭服を着て礼拝をする牧師もいれば、ジーンズで礼拝をする牧師もいます。初めての参加であれば、少しキレイめな服装でいけば、間違いはないでしょう。

キリスト教を信じていなくても参加できるの？

だれでも参加できますが、儀式によっては、信仰を持っている人だけを対象としているものがあります。

キリスト教に食事のタブーはあるの？守るべきルールとは？

お酒は禁止なの？聖書はなんと言っているの？

聖書はお酒を飲むことに対してネガティブで、それには以下のような理由があげられます。

• 認知をゆがませる_{（イザヤ書28章7節、箴言23章33節）}
• 責任ある決断力をそこなわせる_{（レビ記10章9ー11節）}
• 道徳的感性や抑制力を弱める_{（創世記9章21節,19章32節、ハバクク書2章15節、イザヤ書5章11ー12節）}
• 病気を引き起こす_{（箴言23章20ー21節、ホセア書7章5節、イザヤ書19章14節、詩編60編3節）}

キリスト教の主要な教派における飲酒の見解

飲酒の問題は、キリスト教会の中でも教派ごとに意見が分かれていますが、飲酒を認めている教派であっても、少量の飲酒のみを認めている場合が多く、結果的にはアルコールを避けるようにすすめています。

キリスト教の主要な教派であるメソジスト教会や南部バプテスト連盟、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団、セブンスデー・アドベンチスト教団などは、禁酒をすすめている教会です²。

お酒に関するよくある質問

イエス・キリストはお酒を飲んだのですか？

この当時、聖書の原語であるヘブライ語でもギリシャ語でも、ワインと未発酵のぶどうジュースのどちらをも指す二重の意味をもっていました。

歴史的な背景を見るときに、イエス・キリストが実際に飲んだものは、未発酵のぶどうジュースであった可能性が高いとされています。

聖書はお酒に関して何を教えていますか？

聖書には、お酒に関するさまざまな記述があります。特に発酵したワイン（アルコール飲料）を避けるように教えている箇所が多く見られます（箴言23章20ー21節、23章29ー33節）。

その一方で、未発酵のぶどうジュースは、神の祝福の象徴として用いられることがあります（創世記27章28節、イザヤ書65章8節）。

キリスト教における「聖餐式」で使われるのはお酒ですか？

聖餐式せいさんしきで用いられるのは、一般的には未発酵のぶどうジュースです。これは、発酵が罪の象徴とされるため、発酵していないワインが適切であるとされているためです。
そのため、種入れぬパンと呼ばれる未発酵のパンを聖餐式せいさんしきで用いる教会もあります。

ただ、禁酒を推奨していない一部のプロテスタント教会であったり、カトリック教会ではアルコールを含むワインが使用されることもあります。

食事のタブーは？

イスラム教やユダヤ教のように、キリスト教にも食事の制限があるのでしょうか？

基本的に多くのキリスト教会では、食事のタブーは存在しませんが、特定の宗教行事の際には肉食を避ける教派もあります。

また、セブンスデー・アドベンチスト教会では自分の身体を大切にするという観点から菜食を勧めており、教会の公の場では原則的に菜食となっています。

ただ、これも個人差があり、教会もそれぞれの状況に合わせて最善の食事をするようにと勧めています³。

一部のイスラム教徒やユダヤ教徒は、旧約聖書のレビ記を守り、豚やウロコのない魚介類（うなぎ、イカ、タコ、貝類）を避けていますが、セブンスデー・アドベンチスト教会も同様です³。

キリスト教の恋愛における禁止事項

性とセックスについて

キリスト教において、性やセックスは否定的なものとして捉えてはいません。

聖書の中で、セックスは単なる快楽を得る行為ではなく、夫婦間で許される深いコミュニケーションであるとされています⁵。

そのため、多くの教会で結婚外のセックスは認めていません。

もしクリスチャンの彼氏・彼女ができたなら……

敬虔なクリスチャンもいれば、厳格ではないクリスチャンもいて、本当に人それぞれです。

そのため決めつけず、どのような価値観を持っているのかを聞いてみることがまず大切です！

自分の信仰に興味を持たれて、嫌な気持ちになるクリスチャンはいませんから、ぜひいろいろと質問してみてください。

たとえば、以下のような質問を機会を見つけてしてみると良いでしょう。

• どんな教会にどれくらい通っているの？
• 教会ではどんなことをしているの？
• 同棲やセックスはどう考えているの？
• 献金はどれくらいささげているの？

クリスチャンの彼氏・彼女を持つ人からのよくある質問

クリスチャンは婚前交渉をどう考えているの？

教会としては、認めていません。

ただ、これは個人の判断に委ねられている部分であり、どの程度のスキンシップであれば良いのかという規定はありません。クリスチャンであっても、気にしない人もいるでしょう。

礼拝にどのくらいの頻度で参加すべき？恋人としてどうサポートできる？

大前提として、キリスト教において礼拝は強制されるものではありませんが、もしあなたが喜んで礼拝に来てくれるなら、きっとパートナーは喜んでくれるでしょう。

クリスチャンとの恋愛では、相手の家族との関係をどう築けばいいの？

相手の家族もクリスチャンであったとしても、何か特別に配慮が必要なことはあまりないはずです。

週末の教会の礼拝や行事などを考慮するくらいでしょう。

相手から熱心に勧誘されています！なぜ、人それぞれではダメなんでしょうか？

教会は伝道を推奨していますが、これは聖書のメッセージを共有したいという純粋な思いからです。

特にキリスト教は、復活を最も大きな希望として捉えているため、大切な人と天国に行きたいという思いから伝道する人が多いです。

そのときには、自分のことを愛しているのだなと思ってください！

ただ、もし不快に感じることがあるなら、そのときは穏やかにそれを伝えても良いでしょう。

クリスチャンと結婚する前に考えてみたいこと

宗教の違いは結婚生活にどんな影響を与える？

クリスチャンの相手と付き合う時点では、大きな問題は発生しない場合が多いと思います。

しかし、結婚の前に相手の価値観と向き合う必要はあるでしょう！

先ほどの質問でも答えたように、相手はあなたにもクリスチャンになってほしいと願ってるところがあると思います。

あなた自身にはそれを伝えないことを決めたとしても、子どもに対してはまた別の話となりますし、ライフスタイルにも影響する問題です。

それらすべてを否定することは、相手の価値観を否定することにもなりますので、結婚の前にお互いの理解を深めていく必要があります。

バプテスマ（洗礼）を受けるにはどうしたらいいの？その手順は？

バプテスマ（洗礼）は、教派によって方法や手順は異なりますので、牧師に聞くのが一番良いです。

一般的なプロテスタント教会を例にあげると、まず牧師との聖書の学びがあり、その後日取りが決められ、水によるバプテスマ式が行われます。

こうして、教会員として登録され、クリスチャンになったことが確認されるのです。

一般的な教会であれば、本人の気持ちの確認をしてからバプテスマ式が行われますので、教会に行ったり、聖書の学びを始めたりしたら、すぐにバプテスマとはなりません。

キリスト教の生活に関するその他のよくある質問！

キリスト教では、ポルノについてなんと言っていますか？

キリストが次のように言われたために、キリスト教ではポルノの視聴を禁じています。

また、同様の理由で性的な描写が強い映画やアニメの視聴に対してもネガティブです。

「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。

マタイによる福音書5章27ー28節

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映画や小説、ドラマ、マンガ、アニメなどを視聴することは、問題ないのですか？

このあたりは、完全に個人の判断に委ねられているところで、教派として明確に線引きを決めているところはほとんどありません。

とても熱心で敬虔なクリスチャンの中には、世俗的なものを避ける傾向にあるため、このようなものを避けている人も一部います。

たとえば、日本では馴染み深いアニメですが、海外の熱心なクリスチャンから否定的な声が上がることもあります⁶。

前述したような性的な描写だけでなく、悪魔的な要素があるとされるからです。

日本人にはピンとこない部分ですが、「鬼」「妖怪」「悪魔」「魔術」などが題材になったマンガやアニメと言われると、思い当たるものがいくつかあるのではないでしょうか？

日本においても、ホラー映画などになると否定的なクリスチャンは増えてきます。

宝くじやギャンブルは、キリスト教ではどのように考えているのですか？

明確に、聖書はこれらについて何も言及していませんが、飲酒についてある程度は許容している教派や団体であっても、ギャンブルは否定的なところが多いです。また、宝くじにもギャンブル性があるということから、あわせてネガティブに捉えられています。

これは、スチュワードシップ（財産や時間、自分の身体、才能などは、正しく管理する必要がある神から与えられたもの）という価値観に基づいています。

この価値観から、教会は自分が持っているものを自分のためだけに使うのではなく、他の人と神のために使うことを推奨しています。

そのため、ただ自分の欲のために浪費されるギャンブルは否定的に捉えられ、依存性もあることから飲酒や喫煙と同じく、それをやめるように推奨されています⁷。

キリスト教では、タトゥーはどのように捉えられていますか？

聖書には、タトゥーについて具体的に述べている箇所が1つしかないため、非常に物議を醸しています。

しかし、その箇所ではタトゥーに対してネガティブに書かれているため、あるクリスチャンの中ではタトゥーをネガティブに捉える傾向があります。

また、それ以外の理由としては、以下のようなものがあげられます。

• 神に与えられた身体を大切にするため
• お金を正しく管理するため
• 他の人に偏見や抵抗を抱かせるため
• 自分を着飾って注目を集めず、慎み深い装いをすることが推奨されているため

ただ、タトゥーを入れていることが理由で教会への入場を断ることはありません⁸。

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キリスト教では、服装やアクセサリー、化粧について何か禁止事項などはありますか？

キリスト教では、イスラム教などとは異なり、服装に対する規定はありません。

教会の礼拝では、半ズボンなどではなく、男性であれば襟のついたシャツ、女性であればキレイめな服装で行くことが推奨されています。

しかし、これも教派や教会によっては牧師がジーパンでお話をしたりするため、その教会や文化によって大きく異なります。

また敬虔なクリスチャンは、自分のために着飾ることやお金を浪費することを避ける傾向にあるため、派手な服装や高価なアクセサリーを身につけない人が多いです。

まとめ

キリスト教には、イスラム教やユダヤ教のような厳格な生活の規定や禁止事項はないと一般的に言われています。

しかし、財産や時間、自分の身体は自分だけのものではなく、神から与えられたもので正しく管理する必要があるという価値観（スチュワードシップ）が、クリスチャンにはあって、これに基づいて信仰生活を送っています。

そのために、クリスチャンと言ってもさまざまで、その人の理解によって大きく異なり、聖書の教えやライフスタイルにこだわらない人もいれば、世俗的なものから離れようとする人もいるのです。