コヘレトの言葉– tax –
老いたソロモンによる格言集
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魂の渇き【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#7
【欠けているもの】 たとえ、私たちがすべてを所有し、しかもそれらすべてを神からの賜物として受けているとしても、それでもなお私たちには本質的な何かが欠落しております。「コヘレトの言葉」は、これを、「人の上にある大きな悪」(6の1の直訳)①と呼... -
宗教と権力と金銭【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#6
【コヘレトの警告】 「コヘレトの言葉」は、倫理の一般原則を述べるのに、これまでは第一人称で語って来ております。さて今や、著者は、不特定の聴衆に向かって、二人称単数で呼びかけ、さまざまな忠告を与える方向へと移動いたします。ここに与えられてい... -
他者総論【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#5
【太陽の下にある空しさ】 「コヘレトの言葉」は、今や神学から倫理の問題へと移動いたします。快楽とか業、人生、死、永遠、悪といった重大な形而上学的諸問題に関する抽象的思惟より、今や改めて、「太陽の下」(3の16)にある「空しい」世界の出来事に... -
時と永遠【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#4
【すべて時にかなって美しい】 ヒッポの聖アウグスチヌスは、かつて言いました、「時とは何か? もしも、誰もこれを私に訊ねる者がいないとしても、私はそれが何であるかを知っている。しかしもしも、私がその質問者にそれを説明したいと願ったとしても、... -
快楽と事業と知恵、そして神【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#3
【「試み」】 さて、私たちの人生は、今や「検証」されることになります。「コヘレトの言葉」は、「試み」という特別な用語を用いております。「さあ……お前を試みよう」(2の1、口語訳)と。そして、このテストは、人生における三つの価値、すなわち、快楽... -
全世界の成り立ちの原点に立って【コヘレトの言葉解説 〜すべてはむなしい〜】#2
【コヘレトの言葉と創造】 「コヘレトの言葉」は、聖書自身がそうでありますように、世界の創造時という原初から始めております。すなわち、この世の創造からです。本書のモットー(標語)であるヘブル語の「ヘベル」(「空しい」)を七度繰り返した後、著... -
あざ笑う蝶【コヘレトの言葉解説 〜ソロモンの虚しさ〜】#1
【ソロモンの伝説とコヘレトの言葉】 言い伝えによれば、ソロモン王が庭を散歩しながら自分の成し遂げた偉大な業を考え巡らせしていた時(彼は丁度壮麗な神殿を建て上げたところでした)、ふと2匹の蝶がせわしげに交わしている会話を耳にしました。伝説で... -
【コヘレトの言葉】ソロモン家の興亡【解説】#1
【この記事のテーマ】 『リチャード・コーリ』という詩は、ある貧しい人の視点から書かれた富める人についての詩です。この貧しい人は、リチャード・コーリ、そのお金、その顔立ち、そして人々に「彼のようになりたい」と思わせるすべてのものを羨んでいま... -
【コヘレトの言葉】太陽の下、新しいものは何ひとつない【1章解説】#2
【この記事のテーマ】 こんな話が伝えられています。ギリシアの哲学者ディオゲネスがランプを持ってアテネの通りを歩いていました。目的は正直な男を捜し出すことでした。彼はやっと自分の目にかなう男を見つけ出しました。しかし、ディオゲネスは勘違いし... -
【コヘレトの言葉】「目に望ましく映るもの」【2章、3章解説】#3
【この記事のテーマ】 「いやはや、これまで哲学も、法律学も、医学も、 むだとは知りつつ神学まで、営々辛苦、究めつくした。その結果がどうだといえば、 昔に較べて少しも利口になってはおらぬ」 (ヨーハン・ゲーテ『ファウスト』12ページ、高橋義孝訳...
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