コヘレトの言葉– tax –
老いたソロモンによる格言集
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【コヘレトの言葉】神は人間をまっすぐに造られたか【7章解説】#8
【この記事のテーマ】 オーストリアの詩人ライナー・リルケは、「少し噛んで、柔らかくした」パンの切れ端を小鳥にやっているパリの女たちにふれ、次のように言っています。「自分たちの唾が世の中に出ていくこと、小鳥たちがその唾を口に含んで飛び立って... -
【コヘレトの言葉】鏡におぼろに映ったものを見る【8章解説】#9
【この記事のテーマ】 コヘレト8章において、ソロモンは先に触れた多くの主題についてさらに探究しています。それらはやはり悲観論と不満で満ちています。しかし、「太陽の下」の人生は所詮、悲観的な要素で満ちたものです。 それでも、ほかの大部分の章と... -
【コヘレトの言葉】「何によらず手をつけたことは」【9章】#10
【この記事のテーマ】 2004年のある日、70歳になるイタリア人男性が死亡しました。70歳のイタリア人が死ぬのは別に珍しいことではありませんが、問題はその死に方です。元農夫のアルド・ブサート氏は第一次世界大戦で使用されていた爆弾によって即死したの... -
【コヘレトの言葉】死んだ蠅と蛇使い【10章解説】#11
【この記事のテーマ】 ここまで、コヘレトの言葉を読むかぎり、統一された思想の流れを認めることは困難なように思われます。これは、統一された思想がないという意味ではなく、統一された思想の流れを認めることが容易でないという意味です。つまり、体系... -
【コヘレトの言葉】風の道【11章解説】#12
【この記事のテーマ】 古代ギリシア人は運命を信じていました。つまり、人の運命はあらかじめ神々によって決定されていて、その通りになる、と信じていました。この思想はホメーロスの『イーリアス』の中によく表されています。トロイの偉大な戦士ヘクトー... -
【コヘレトの言葉】すべてに耳を傾けて得た結論【12章解説】#13
【この記事のテーマ】 ロシアの作家アンドレイ・ビトフは自分の人生の転換点となった瞬間を次のように描写しています。「27歳のとき、私はレニングラードの地下鉄の中で、ひどい絶望感に襲われた。まるで人生が終わり、将来も生きる意味も完全に失われたか...